フランスの混沌   (在パリ 平井愛子)

ご存知のように、9日の欧州議会選挙で、フランスでは極右のRNがこれまでになく勝利をおさめ、マクロンの与党Renaissanceは大敗し、同日夜、マクロン大統領はフランス議会の解散を発表しました。オリンピックを来月に控え、6月30日に第一回目選挙、7月7日に第2回目というスケジュ-ルを打ち出しました。ウワアと言っている暇もなく、下院の議員たちは早速個別訪問を始めています。社会党は単独では勝ち目はなくすべての左翼を一堂にしたいと動いていますが、まとまりは期待できません。マクロンにガッカリした人達の票がマリ-・ルペン率いる極右に流れたわけですが、新しいRNの若い党首Jordan Bardellaは28歳、イケメンで弁も立つこの人は極右の今まで持っていた”怪しい危険性”を塗り替え票を集め、なかなか侮れない存在のようです。フランスで極右が台頭するなんて今まで考えられない事ですが、現実になっています。イタリアでもオランダでも極右が政権を握っていますが、何か恐ろしいですね。明らかに行き詰まり状態ですね。

(船津)米国然り、欧州全体も然りで世のかな極右が承けるような世の中ですね。「自分本位」「自国さえ良ければ全て良し」オリンピック精神は何処に。ヤレヤレ。東京も7月7日七夕に都知事かどうなるか。40人以上立候補とか。まぁ世界の民主主義——。

(安田)マリー・ル・ペンの後継党首3代目ジョルダン・バルデラ(Jordan Bardella、1995年生、28歳)を戴く極右・国民連合(Rassemblement National: RN) が、万が一勝てばパリ五輪どころの騒ぎではなくなりそうです。興味あるフランス政局について、色々な機会に読んだマスコミ記事をまとめてみました。

ヨーロッパ、経済、移民、民主主義、ウクライナ問題は両者の主張の違いを際立たせている。マクロンは、「ヨーロッパの主権」を称賛し、「ヨーロッパ共通の防衛」を構築しようとする。巨額の貿易黒字を抱えるドイツと、巨額の貿易赤字を抱えるフランスとでは、経済政策が異なる。フランス(マクロン)はヨーロッパの軍隊を作ることを望んでいるが、ドイツはアメリカの軍隊に守られることを望んでいる。
アメリカのトランプが、アメリカの同盟国を考慮せず、国益に固執することを望むように、ル・ペンは自国を意のままにしようとするだろう。プーチンに対するヨーロッパ統一戦線の戦闘に立つマクロンとは逆に、ウクライナ戦争をめぐるロシアへの制裁措置には賛成しないだろう、と推測できる。ウクライナ問題に関しては、ル・ペンとトランプは考えが似通っているようだ。
移民問題は、両者を最も大きく隔てる案件だ。アメリカやイギリスのように移民を歓迎し、彼らを市民として育成する路線を標榜する「アングロ・サクソン」の熱烈な賞賛者であるマクロンは、移民を肯定的に捉えている。この5年間、移民を抑制するどころか、不法移民を減らすことさえもしていない。一方ル・ペンは、合法的な移民も不法な移民も攻撃している。彼女は、フランスに呼び寄せる移民の権利を抑制し、社会保障給付へのアクセスを厳しくし、帰化をより困難にする考えを持っている。
フランス人口統計局によれば、フランスのイスラム教徒人口は約680万人(デンマーク590万人より多い)、総人口の10%に当たるという。主として北アフリカのアラブ諸国(アルジェリア・チュニジア・モロッコ)からの移民であるが、彼らに加えて、旧植民地のアフリカ黒人諸国、カリブ海・南米諸国、東南アジア(ベトナム・ラオスなど)からの移民もいるだろう。日本もやがては直面することになる移民政策は厄介な問題だ。一旦移民を受け入れれば、彼等の出生率の高さと相俟って、顕著な人口増加(占める率も絶対数も)は避けられない。彼らの多くは貧困層に属し、国の社会保障負担は国の財政を難しくするのは確実だ。日本の政府と国民は、本音ではル・ペンの考え方を多としていると考えられるが、建前上或いは国際関係維持上、日本の少子化・労働力不足問題とも絡み、この厄介な問題に如何に対応するかは、日本の将来(50年後、100年後、さらに長期に亘り)を大きく左右する重要な課題だ。ある意味、孤立しているル・ペンの移民政策に関しては、「移民を認めない」と政府が広言している日本は、「ル・ペンのフランス」と近いと言えるだろう。
マクロンに大統領選挙で2度敗れているル・ぺンは、議会解散発表にすぐさま反応。「国民連合」(RN)は「権力を行使する用意、大規模移民に終止符を打つ用意がある」と述べた。来るフランスの総選挙はパリ五輪の数週間前の6月30日と7月7日の2回に分けて、投票を実施するという。選挙の帰趨は如何? フランス総選挙の2回目投票日の7月7日は、東京都知事選挙日と重なる。興味深い「七夕の日」に東西でなるはずだ。
(菅原)安田 さんや 世の中は、左から右、右から左、また右、左と移ろうものです。カッコー良いことを言っちゃったなー。
(編集子)欧州という一つの文化圏でまとめておけばそれなりの歴史的意味はあったはずだが、グローバリゼーションなどという妖怪にまどわされ、拡大してみたあげくにあわてている欧州はゲルマンの大移動でほろんだローマの歴史に学ぶべきではないか、と思えてならない。出羽守たちが何と言おうと、文化は変わらないし変えてはならないものだ。昨今、ジェンダーギャップとやらで騒々しいが、全く文化の異なる社会でのあり方を横から見て、それと比べてうんぬんかんぬんという愚挙はいい加減に辞めたらどうか、と思うんだが。

水郷潮来の初夏です(41 齋藤孝)

水郷潮来に初めて行って来ました。

「アヤメ」と「ハナショウブ」が咲き乱れていた。江戸城にある絢爛豪華な大奥のような雰囲気の中で将軍様の時間を過ごした。

「いずれアヤメかカキツバタ」 アヤメ、カキツバタ、ハナショウブはお互いによく似ている。美女ばかり大勢いて見極めがつかない。

 『舞扇』「色留袖」をまとっていた。「いろとめそで」は祝い事に着る華やかな和風姿。『舞扇』はハナショウブに付けられた名前である。「旭丸」「蛍船」「美人桜」「金冠」「錦」など「ハナショウブ」は咲き競っている。

 

エーガ愛好会 (273)消されたヘッドライン

映画上映時点で興味はあったのだが見逃したままになっていた作品をCSでの放映があると知り、録画しておいたのを雨の一日、ゆっくり見た。

以前話題を呼んだ、ロバート・レッドフォード、ダスティ・ホフマン 大統領の陰謀 の様な期待感を持って見たのだが、多少、印象は違ったものだった。元凶が大手の軍関係の会社で軍や警察の上層部に圧力がかかり捜査ができない、という設定はほかにもいくつもあって、トム・クルーズのジャック・リーチャーシリーズ第二弾 NEVER GO BACK もよく似たストーリー展開だった。ただ、こちらは最後の最後になってリーチャーの推理通り犯行現場を押さえて軍上層部の悪はついえる。その過程がスリリングだったのだが、この映画ではエンディングが主人公のトリックという言ってみればルール破りとなる、あまりさえない話だった。ただ記者の執念をギラギラした演技でみせたラッセル・クロウは見直した。

ただ今回、この主人公クローの上役になるのがヘレン・ミレンと分かって、うれしくなった。この人の主演作品はハッキリ言っていわば B級フィルムばかりで、(あれ、いつこの人見たんだったかな)という程度の知識しかなかったのだが、全く偶然に、ほぼ同じタイミングで別チャネルで放映されていた、ブルース・ウイリス主演のコメディタッチの武勇伝、RED を録画していたので、引き続きこちらをオンしたら、何のことはない、この作品で重要な役割をはたす女性スナイパーがなんと彼女だったのだ。そういうわけで、(いつ見たか)という疑問も解決。いずれもドンパチ勧善懲悪ものの典型2作を満足してみた。

映画ファンの話題となれば (一番好きな俳優はだれか) というテーマは避けられない。小生の場合も女優でいえばドロシー・マローンだとかローレン・バコールだとか、という名前は出てくるのだが、この人と さらば愛しき女よ で初めて見たシャーロット・ランプリングのふたりは同じような、言ってみればひとめぼれ、とでもいうような印象が深い。

何を言いたいのか自分でもわからないんだが、”消されたヘッドライン” はその程度の印象に終わってしまい、”大統領の陰謀” の向こうを張ったジャーナリズムもの、という期待はむなしかった、というお粗末の報告である。

(注)RED は RETIRED EXTREMELY DANGEROUS  (引退してるがほうっておくとやばい連中) の略、だということである。これの第二作もそのうち放映されるのを期待する。

難しい事は言わないで、梅雨退治にキンキンに冷やしたビールかはたまた大切りの檸檬をうかせたジン・トニックでも片手に見るのに手ごろだろう。映画芸術派向けではないのは確かだ。

 

 

 

梅雨まえの西芳寺     (大学クラスメート 飯田武昭)

梅雨前の快晴の日を狙って、京都の西芳寺(苔寺)へ行ってきました。

清々しい快晴で庭園をゆっくり散策しました。私のような素人がデジカメで苔を接写で撮るのは結構難しく、木漏れ日を通しての太陽光線と苔自体のボリュームのある濃淡が原因か、カメラの焦点が定まらない写真に撮れてしまうことが分りました。

西芳寺から近くの衣笠山地蔵院(竹寺)に立ち寄りました。茶室の猪目窓と和室からの庭の眺めはほっこりと一休禅師が幼少期に育った趣を感じることが出来ました。当院の開基細川頼之公、爾来、細川家所縁の寺院であり、細川護熙元総理大臣の揮毫が奉納されています。

八ヶ岳南麓でも季節の花がきれいです (グリンビラ総合管理 HPより転載)

昨日一昨日と市内のあちらこちらで雷雨となりました。それにしても雨が多いですね。気が付くと道路わきのの草や畑の雑草も一雨ごとに大きくなってます…

日差しに映えてカルミヤが奇麗でした!!

(ウイキペディア解説)
カルミアはコンペイトウのような形をした、色濃い蕾を持っています。花が開くと皿形になり、色は薄く模様が入って、蕾の様子とは全く異なった印象を受けます。開いた花をよく見てみると、雄しべの先は花弁のくぼみの中に収まっています。この雄しべは、飛来した昆虫などによって刺激を受けると飛び出して、花粉も散るというおもしろい仕組みをもった花です。

エーガ愛好会 (272) 墓石と決闘   (34 小泉幾多郎)

NHKBS1としては、凄いことをやってのけた。4/26(金)「地平線から来た男」、5/3(金)放映なし、5/10(金)「夕陽に立つ保安官}、5/17(金)放映なし、5/24’(金)「西部無法伝」、5/31(金)「墓石の決闘」と2回放映なしがあったものの、連続4週ジェームス・ガーナー主演の映画を放映したのだ。今回の「墓石の決闘」以外は全て西部劇コメディ。J.ガーナーはTV映画「マーベリック」出演以来、喜劇調の役柄も増えたが,「砦の29人」「グランプリ}等喜劇以外でも実力を見せてきたのだ。

名監督ジョン・スタージェスの「OK牧場の決斗1957」は、娯楽性を重視したスタンスでつくられていたが、その10年後、ワイアット・アープを史実に基いて、その実像に迫ろうとこの作品に挑戦したのがこの作品で、画面にも、This Picture is based on Fact. This is the way it happened.と記されている。主役のワイアット・アープにジェームス・ガーナーを抜擢し、ドク・ホリディに、実力派俳優ジェーソン・ロバーツを配し、二人の友情関係を中心に据え物語が進んで行く。ガーナーは陽気で軽快な役が印象的だが、悲しみに浸る陰気な役柄を好演している。OK牧場の決斗という最大の見せ場からスタートし、その後日談という形で進行する。

冒頭の決闘、ワイアット・アープにモーガン(サム・メルヴィル)とヴァージル(フランク・コンヴァース)アープ兄弟とドク・ホリディに対し、クラントン側は、ビリー・クラントンに、フランクとマクローリー兄第。何故かアイク・クラントン(ロバート・ライアン)とその部下がいない。結果はヴァージルが腰に、モーガンが腕に弾丸を受けたが、クラントン側は3人とも死亡の結果に終わる。緊張感溢れる決闘シーンから地味ながら緊張感あふれるメロディが、勇壮に、繊細に、その後も同じメロディが各場面に印象的に流れる音楽はジェリー・ゴールド・スミス。

クラントン側は殺人罪で訴え裁判となる。史実の解明となると裁判の場面が多くなるのは致し方ないが裁判が物事を現実的な形で解決するとは限らず、法律による裁きには限界があることも確か。このような状況下、アープが悪とどのように闘ったが描かれているとも言える。トウムストーンの保安官に立候補したヴァージルが闇討ちに遭い脚に怪我をする。裁判になるも、証拠不十分で追及できずにいるところに、又もや保安官に当選したモーガンが殺される。悲嘆にくれたワイアットが、負傷したヴァージル親子をカリフォルニアへ送る帰途、連邦保安官に任命の電報が届き、アイク・クラントン、ピート(マイケル・トーラン)、フランク(ロバート・フィリップス)、ビル(ジョン・ヴォイト)、アンディ(スティブ・イーナット)の5人の逮捕状が出る。

捜索隊に追い詰められたクラントン一味の暴れ方は駅馬車を襲う等あくどいものになって行った。アープは、弟を仇にかけた執念が優先し、無造作に決闘に持ち込ませる夫々のやり方で4人を殺害して行く。その冷徹さに、ホリディが呆れる程で、ワイアットを初めから復讐しか考えていない唯の復讐鬼だと言い放ち、ワイアットは喀血させるまでホリディを殴り倒すのだった。アイク・クラントンはメキシコで牛泥棒をしながら、豊かな暮らしをしていることが分かり、ワイアットと捜索隊と一旦病院へ入ったが、抜け出したホリディは、小さな村にクラントンを追い詰める。何故かクラントンの数人の部下は引き下がり、ワイアットとクラントンが向き合う。保安官バッチをホリディに投げたワイアットがクラントンを射殺する。その後、ワイアットは病院で、酒瓶片手に医者とポーカーをやるホリディを見舞う。ワイアットはホリディから保安官バッチを受け取るが、約束された法の番人から足を洗うことを決め旅立つ。

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(ウイキペディア解説)

同一事件を描く従来の作品では、クラントン一家を敵役とし、両者の抗争の決着をOK牧場での決闘でつける、というストーリー形式のものが多い。史実は、クラントン一家をメンバーに含む集団とアープ一家との政治的背景を伴う対立が、OKコラル近辺の写真館横の空き地で半ば突発的に起こった銃撃戦を契機に、実力行使状態に陥り、闇討の殺害事件を経て、それぞれ別の保安官資格をもつ両者が互いに相手集団を無法者呼ばわりして法執行の名のもとに付け狙うという異常事態に発展したのが真相である。初めて史実の流れに基いて作られた映画がジョン・スタージェス監督の『墓石と決闘』で、それ以降に同事件を題材として作られる映画は、史実の流れに基づいたストーリーの組立をおこなっている作品が多い。

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(編集子)日本で言えば忠臣蔵のように、国民的人気のある題材で、今までに9回、映画化されているという。小生がみたのは ”荒野の決闘” ”OK牧場の決 闘” ”ワイアット・アープ” ”トウームストーン” そしてこの ”墓石と決闘” と5本になる。小泉解説にあるように、この作品とケヴィン・コスナーがワイアットを演じた ”ワイアット・アープ” はアープの実像に迫ろうとした点がほかの作品とは違った味を持つ。アープ本人はカウボーイ時代を生き抜いて、最後には事業にも成功するのだが、かならずしも満点ではなかった家族生活などを取り上げたのがコスナーの作品である。そういう意味では必ずしも見終わった後味はそれぞれ違うものになるだろう。

僕の映画歴で言えば別格の ”荒野の決闘” はともかくとして、ほかの四作品の中では、あまり評判にならなかったがヴァル・キルマーがドク・ホリディを演じた ”トウームストーン” が好みである。

バイカつつじという花   (44 吉田俊六)

5月25日の「春ワン」で初めて会えた花を1つ報告いたします。

ズン六がわざわざ書いて来るのだから、なんぞ名のある花だろうと推測、以下投稿者のおすすめによるウイキペディア解説を載せておく:

バイカツツジは北海道から、本州、四国、九州と広く分布するツツジである、にもかかわらずバイカツツジが知られていない理由は3つある。

ひとつは咲く時期である。6月下旬から7月下旬までという梅雨時に咲くから。梅雨時にはそもそも登山者が少ないので、バイカツツジの花を見ることそのものが少ないのだ。

もうひとつの理由は花が小さいことだ。バイカツツジはツツジ属としては花が小さく直径2cmしかない。レンゲツツジは花の直径は5-8cmもある。花が小さいツツジはほかにもたくさんあるが、そのようなツツジはたくさん集まって咲くことが多い。

最後になかなか花が見つからない理由が、花は葉が展開した後に、わざわざ葉に隠れるように斜め下を向いて咲くからだ。花を探すためには、わざわざ一枚一枚葉の下を覗き込まなければいけないのである。

尚、漢字では 梅花躑躅 と書く。読めるけど書けない字がまた一つ増える。

トランプ有罪をめぐって

(44安田)トランプは評決で有罪となったが、初犯で高齢であることから収監される可能性は低いという見方が有力です。アメリカの憲法では大統領になるには犯罪歴が制約となるとは明記されていないため、有罪の場合でも立候補は可能だとされています。共和党支持者の1/3は、トランプ有罪の場合、彼には投票しないと云われていますので、バイデンを利することになりそうです。大胆なシナリオ予測のひとつは、

トランプは有罪の影響で落選、バイデンが再選される。が、超高齢のため任期途中で降板を余儀なくされ、副大統領が大統領に昇格する。ルーズベルト病死>>トゥルーマン昇格(原爆投下決定、朝鮮戦争参戦決定、マッカーサー罷免・・・・)、ケネディ暗殺>>ジョンソン昇格(ヴェトナム戦争泥沼化)。故に、次期大統領選挙の最大の関心事のひとつは、バイデンが誰を副大統領候補に指名するかということ。アメリカ初の女性大統領誕生の可能性も大いにありうる(副大統領から昇格して)。さらに大胆な予想シナリオは、民主党大統領候補に故ケネディー大統領の甥(暗殺されたロバート・ケネディ―の息子ロバート・ケネディJr)が逆転指名され、本選でトランプを破り大統領になるという仰天のシナリオもあるかも。
いずれにしても対岸の火事を高みの見物ですが、日本と世界への影響はとても大きく、選挙結果には大いに関心があります。
(大学クラスメート飯田)この度のトランプ前大統領の「業務記録改ざん」有罪判決は来たる次期大統領選挙にどのような影響を与えるか。
今後の推移について詳しくは私は分りませんが、直感的には可なりのダメージだとの印象があります。
過去の名作映画「十二人の怒れる男」(1957年、ヘンリー・フォンダ主演)と
「評決(原題: The Verdict)」(1982年、ポール・ニューマン主演)の2本が、ずばり、アメリカの陪審員制度による裁判の評決の重みについて、私が強い印象を受けた映画2本です。
(普通部OB菅原)流石のトランプも、まんまと民主党にしてやられました(警察も検察も陪審員も裁判官も民主党)。しかし、トランプ支持者も黙っていません。トランプが収監されれば、彼を殉教者あつかいをして暴動を起こしかねないし、その支持率は高まって行くでしょう。

今の米国の状況は、ボンクラな小生には全く理解し難い。暗殺があったとして、1960年代のアノ米国が懐かしい。でも、もとに戻ることは絶対にないでしょう。

(在サンフランシスコ HPOB 五十嵐恵美)今パリにいます. Trumpの陪審員による有罪評決も此方で聞きました. 依って、シリコンバレーでの反応(或いは世論)との事ですが解りません. 今は世界中がその傾向にあると思いますが(アメリカにおいても)政治の司法への影響が強く、政治の二極化が益々顕著で良い状態だとは思えません. 今回の大統領選は恐らくBiden vs. Trumpになるでしょうが、その折に今回の陪審員の有罪評決、あるいは7月11日の裁判官の判決が大統領選に及ぼす影響は余りないであろうと言われています. Biden、Trumpの支持率はほぼ同じ、リバタリアンが10%位の支持率との事ですので今年の選挙戦も泥沼化するでしょう。

(在パリ 平井愛子)トランプ有罪のニュ-スでは、フランスでもニュ-スになっておりますよ。C’dans l’airというニュ-ス解説番組では一昨日31日、早速アメリカの専門家たちを招いて意見交換をしていました。何と34の罪科で一つにつき4年の留置で、34x4=136年の牢獄生活になるそうでビックリですね。只一度大統領になった人には4人の警護が終身つくそうで、トランプが留置場に入ると4人の警護付きになるそうで、トランプのために特別な留置場をつくらなければならないようで、これは無理だと言っていました。フランスには伝統的にVIP用の部屋があるそうですが、アメリカには無いのですよ。

ただ、トランプの罪状に関して、一体どこがなにが犯罪かという事が、とても不明確で、フランスのDSKがNYで起こした事件は明らかな強姦でしたが、トランプの場合はそうではなく、ただ前回の大統領選挙の直前、この女性が彼との関係をメディアにばらそうとしていたので、外にも色々な取り沙汰されていることがあり、更なる新聞沙汰はToo muchということでお金で黙らせたという事ですね。このお金の出どころも問題ですね。そして今回の告発は明らかにバイデン側の画策であることは明白です。でも新聞調査では共和党陣営の67%はどんなことがあっても変わらずトランプに投票する、17%はちょっと考えて、他の候補ロバ-ト・ジュニア・ケネディ-にいれるかも知れない、後はもしかしたらバイデンに入れるかも、という結果だそうです。共和党側の人々はバイデンのウクライナ戦争に対する政策にはかなり批判的で、プーチンに一理ありと考えている人が多くなっているそうです。トランプが大統領になってもアメリカの憲法は専制的権力者を出さないためにしっかり作ってあり、トランプが専制政治を施行しようとしても制約があり、そう心配ない という解説員もいました。
私のフランス人の友人などは、トランプは不良、バイデンは悪人だ と言っていました。私もそう思います。バイデンはウクライナを道具に、しなくても良い戦争の泥沼の中に入り込ませ、2022年3月せっかくゼレンスキ-とプーチンの間で停戦の交渉が成り立つ寸前で、あのイギリスのボーリスがそれを邪魔してバイデンも同じ立場でウクライナを戦争に向かわせました。どれだけアメリカはバイデンは、この戦争で儲けたでしょうか。ロシア人が住むドンバス地域がウクライナから8年間砲弾を撃ち込まれ差別されてきたことは、あまり報道されていませんね。私の知人の息子さんの奥さんがこのドンバス地域の出身で、どういう扱いを受けてきたか、直接知人から聞きました。彼はプーチンよりゼレンスキ-のほうが危険だと言っていました。
ロシアの勝利が確実になりつつある現在、マクロンはバイデンのお先棒を担いで、更にロシアへの砲撃を示唆して煽っています。危険極まりない状況ですね。ドイツ人の親友は、ショルツは情けない、マダム・メンケルだったら、絶対にこの戦争をさせなかったに違いない と言っていました。

話がそれてしまいました。私はかなりシンプル化して書いておりますので、ご了承下さい。只々平和を願います。

(編集子)ま、どっちへ転んでもよその国でその国の人が親分を選ぶんだから我々としてはその結果を受け入れるしかない。ただ一つだけ望むのはあの国の分断がこれ以上激しくならないことだ。

残念なことにどこの国にも HAVE と HAVE NOT が存在するのは確かだ。have か have not  が資産といった物理的問題であるならばその分断はわかりやすい。しかし倫理感とか広く言えば知性とか言った事柄での分断は存在を数量的に表すことは難しい(単に学歴、だけでは把握できないはず)。日本がどうだ、という事も即断はできないが、江戸時代にさかのぼってこの国の中には武士道、とか商人道とかいう無言無形のルール、 ”日本人だからわかる” 倫理観があり、それがあらゆる面で無道な行動を制約していることは我々が誇るべき資産だと思っている。

しかしミスタートランプを支えているラストベルトやおよそ他の国のことなど関心のない農村部に住む人たちにこういう倫理性を求めるのは難しいだろうし、かたやエクセルマネジメントの数字を信奉するグローバリゼーション論者たちに一度立ち止まって考える気持ちを起こさせるのはさらに難しいだろう。スガチューが嘆いているように、確かに希望の星だったJFKは凶刃に倒れたとはいえ、60年代70年代のアメリカは問題を抱えているとはいえ、話の通じる国だった。平井さんが嘆くように今回の大統領選が不良と悪人の間でたたかわれ、その結果が世界の平和や地球的問題への貢献を妨げることにならないように、と祈るだけだ。

エーガ愛好会 (271)トリビアを楽しむのはいかが

先回、小泉さんの ”アラモ” 評のところで ゲッタウェイ のことを思い出したことを書いた。このマックイーンの代表作、ストーリーを覚えている方なら、終盤近く、マックイーンが銃砲店に飛び込んで銃を買うカットをご記憶だろう。このカットのことを、HB短編小説の作家であり、自身,ハンティングの名手でもあった稲見一良(いなみ いつら)は其の著書 ”ガン・ロッカーのある書斎” で次のように書いている。

映画 “ゲッタウェイ” で、警官に追われたスティーブ・マックイーンが銃砲店に飛び込んで12番径の散弾銃を買う。字幕ではネグられてしまったが、”ダブル・オー・バック!” と指定して鹿弾を一箱(25発)買う。(中略) すさまじい迫力でパトカーを破壊し、エレベータを墜落させ、ギャングを倒すショットガンの銃声を試写室で指折り数えていると25発、つまりちょうど一箱撃った。その瞬間、マックイーンは銃を捨て、素早くベルトの拳銃を引き抜いたものだった。

”ダブルオーバック”は、一個が7mm もある大粒弾が九個詰まった強力な弾丸だそうで、マックイーンが ダブルオーバック! と言った時、店主は ”塀でも倒すのか” ときいているくらいだ。稲見は作家としてそれほど知られた人ではないが、アマゾンで中古本を買ってみると、自分の銃とのつながりを主題にした、きれのいい短編がいくつかあった。不治の病に侵されていることを知った人間だけが書けたのか、と思われるトーンのある作品が多いとされているが、”ガン・ロッカーのある書斎” は我々一般の人間がおよそ知らない銃器に関する知識や背景や歴史を知るにはまたとない参考書として、ガンプレイの出てくる作品を読むときのサブテキストの役を果たしている。

ジョン・ウエイン壮年期の傑作 ”赤い河” を何度目かに見たとき、この映画の原題名 Red River が、小生の無二の愛唱歌となっている Red River Valley  と関係があるのか、という事に思い至って多少の調査をしたことがある(本ブログ2020年5月15日付け ”赤い河をめぐって”。実はこれが ”エーガ愛好会” シリーズの第一号である)。その時、もう一つ気がついたことがあって、書いたことをここでコピーしてみる。

終わり近くになって、バックに流れるテーマ曲が、 Red River Valley と並んで僕の愛唱歌である My Rifle my pony and me  (これもウエインの代表作 リオ・ブラボー で、ディーン・マーティンが歌いリッキー・ネルソンがギターを弾く、なんせ、いいんである)と同じことに気がついた。そこで終わった後、何もあるまいがダメモト、とおもいながらグーグルに ”Red River, My Rifle and Me” と入れてみたら、なんと!一発でアメリカ人の女性が同じ質問をしていて、その道の専門の人が明確に答えをだしているではないか。この広い世界で同じ経験をした人がいるということもうれしかったが、この解説によると、この2本は主演ジョン・ウエイン、監督ハワード・ホークス、音楽ディミトリ・ティオムキンという共通点があり、1959年に作った ”リオ・ブラボー”にティオムキンが原曲をそのまま使ったのだそうだ。

エーガ或いは映画、を見る見方は人によって千差万別だろうが、再見、再再見にはこういうトリビアに凝ってみるのも一興ではないか。”やっこ” 金藤情報によると6月4日 (あさって!)にわが ”ゲッタウェイ” の放映があるとのことなので、何回目になるか、また見るつもりだが、今回は稲見のいう ”25発” を数えてみよう。各位にも試してみてもらいたい気もするがどんなもんだろうか。

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(いなみ いつら、1931年1月1日 – 1994年2月24日)は、日本小説家放送作家大阪府大阪市出身。

記録映画のマネージメントを務める傍ら、1968年文芸誌の新人賞に入選、しかし多忙のため作家活動に専念しなかった。1985年肝臓癌の手術を受けるが全摘ができないと分かると、生きた証として小説家活動に打ち込むと周囲に宣言し、1989年『ダブルオー・バック』にて本格的に小説家デビュー。1991年『ダック・コール』にて数々の賞を受賞し期待されるも、1994年わずか9冊を残して癌のため没した。作品は自身の趣味であった猟銃の知識を生かしたハードボイルド推理小説で、少年の視点・目線やニヒリズムを取り入れたものであった。

 

 

入笠山のすずらん (42 保屋野伸)

今日、会社の「銭湯会ハイカー」の仲間6名で入笠山に「すすらん」見学に行ってきました。中央本線「富士見駅」近くの入笠山(標高1955m)はスキー場のゴンドラを利用すると、標高差200m、往復2時間の初級の山です。

山頂からはやや雲は多めでしたが、北、中央、南アルプスと八ヶ岳が一望出来ました。~諏訪湖が見えるとは意外でした。

また、この山は、花の名山としても知られ、特に120万本のすずらんの大群落は日本有数ではないでしょうか。ただ、落葉松の新緑は最高でしたが、期待したレンゲツツジはまだつぼみでした。なお、私が初めて見た?赤い「クリンソウ」も奇麗に咲いていましたが、撮影に失敗、披露出来なかったのが残念。

「ドイツすずらん」とやや珍しい「山芍薬」の写真を添付します。(「日本すずらん」はちょっと早かった! )