ジョン・フォード監督&ジョン・ウェイン主演による名作西部劇で、「アパッチ砦」「黄色いリボン」に続く「騎兵隊3部作」の最終作。ジェームズ・ワーナー・ベラの短編小説を原作に、西部を守る騎兵隊の活躍と家族愛を描く。メキシコ国境に近いリオ・グランデ川の砦を守る騎兵隊のヨーク中佐は、西部を荒らしてはメキシコへと逃れる横暴なアパッチ族に手を焼いていた。ある日、別居中の妻キャスリーンと暮らしていた息子ジェフがヨークの部隊に赴任し、息子を心配するキャスリーンも砦にやって来る。厳しい軍隊生活の中でジェフは次第に逞しくなり、ヨークとキャスリーンの仲も少しずつ修復されていく。そんな中、アパッチ族の大軍が砦を襲撃する。妻キャスリーン役に「静かなる男」のモーリン・オハラ (以上、グーグル記事)。
西部劇のキング、ジョン・フォードに 騎兵隊三部作、というシリーズがあるのはよく知られている。いずれもジョン・ウエイン主演、いわゆるフォード一家総出演のくつろいだ作品である。もっともフォードはこの三部作を当初から考えていたわけではなく、自身の故郷であるアイルランドを舞台にした、かの ”静かなる男” の製作をする条件としてプロデューサ側から西部劇の作品製作を条件とされ、いわば仕方なく作ったのがこの リオグランデの砦 だったという。先
にヒットした アパッチ砦 の続編のようなストーリーで、前作では野心家の上司(ヘンリー・フォンダ)の暴挙をなんとか収めようと苦労する先任者のヨーク大尉という役柄を作っていたので、その人物が出世して辺境のリオグランデを守る立場にある、という形で続編という位置づけになっている。三部作のいわばエンディングになるのが 黄色いリボン で、退役を迎えた老大尉を描き、典型的な騎兵隊将校の半生を三作品で描いた形に収まったことになるが、ストーリーとしてはアパッチ砦とこの作品が当初から意識された連作ということになる。アパッチ砦 の話は明
らかにカスター将軍がスー族に殲滅された事件が下敷きになっているが、この話は 駅馬車 の冒頭や 黄色リボン でも出てくる史実として西部劇によく出てくる(この悲劇を映画化したのが エロール・フリン の 壮烈第七騎兵隊)。
ともあれ、この三部作では助演で登場するヴィクター・マクラグレン、ベン・ジョンスン、ワード・ボンド、ハリー・ケリー・ジュニアのかけあいが何とも楽しい。ジョン・フォードはアイルランド系の俳優をひいきにして使ったことでも知られているが、女優でいえば何といってもモーリン・オハラだ。我が谷は緑なりき をはじめとして多くの作品でなじみではあるが、編集子はこの リオグランデの砦 でのオハラ が一番気に入っている。ジョン・ウエインが癌で余命いくばくもなくなった時、オハラが全米に涙ながらによびかけて、ウエインの復帰を祈ったことはよく知られているが、やはり最高のコンビだったのだろう。

リオグランデ、という地名は西部劇ではこのほかにもメキシコとの国境線に横たわる地域、ということで、たびたび登場する。メキシコ、といえば今やトランプ騒動で物騒になっている国だが、古き良き時代を振り返れば、ジャズではスタンダードナンバーの South of the border は アロハオエ というアメリカ製ハワイ節が天国ハワイ、というイメージを作り出したように、この国にはアメリカにはない、いわば隠遁の楽園みたいな夢をいだかせた。エーガの例では あの Getaway の結末、ミステリでいえば何度も繰り返しになるが 長いお別れ でも背景にもそういう感覚が感じられる。これからアメリカとの関係がどうなるかはわからないが、国境の辺地、のロマンは生き続けるだろう。
ウキペディアによる解説によると、リオグランデ、という名前はまたリオ・ブラーボとも呼ぶらしい。そうするとかのウエイン娯楽作、リオ・ブラボーというのは地名だと思ってきたのだが、もう少し違う意味なのかもしれない。以下、その解説のまとめをあげておこう。
リオ・グランデ川(リオ・グランデがわ、Rio Grande)は、アメリカ合衆国のコロラド州から流れ出しメキシコ湾へ注ぐ川である。スペイン語で、リオ(Río)は川を意味し、リオ・グランデ(Río Grande)は、「大きな川」という意味なのだが、メキシコでは、リオ・ブラーボ(Río Bravo、怒れる川)またはリオ・ブラーボ・デル・ノルテ(Río Bravo del Norte、北の怒れる川)とも呼ぶということだ。
風邪気味だ、という理屈をつけて, かのアンノウン直伝のホットバーボンをひっかけてよく寝た。目が覚めた時に突然思い出した。我が高校時代、ヒットソングのひとつ、ミッチ・ミラー合唱団の傑作、”テキサスの黄色いバラ” だ。歌詞はこうなっていた。
There’s a yellow rose in Texas, That I am going to see,
Nobody else could miss her, Not half as much as me.
She cried so when I left her It like to broke my heart,
And if I ever find her, We nevermore will part.
[Chorus]
She’s the sweetest little rosebud That Texas ever knew,
Her eyes are bright as diamonds, They sparkle like the dew;
You may talk about your Clementine, And sing of Rosalee,
But the YELLOW ROSE OF TEXAS Is the only girl for me.
When the Rio Grande is flowing, The starry skies are bright,
She walks along the river In the quiet summer night:
I know that she remembers, When we parted long ago,
I promise to return again, And not to leave her so.
テキサス、といえばかつては Lone Star State と呼ばれ半独立国であったくらい、お国自慢の土地だ。ここでのリオグランデ、は、岩手でいえば北上、京都なら加茂、といった感じだろうか。
この歌詞でもう一つ。本題とは関係ないが、コーラスの3行目、You may talk about your Clementine というくだりだ(調べてみるとこの原曲は1850年代、争乱のあったテキサスの軍歌だったらしく、ここには娘の名前ではなく、敵将の名前がはいっていたらしい)。クレメンタイン、名画(と僕は思っているのだが)荒野の決闘、の現題は My Dalring Clementine だ。テキサスがバラの土地なのかどうかは知らないが、これもまた、人々の間に親しまれた名前なのだろう。
(HPOB 小田)リオ·グランデ川…ルート66の旅でアルバカーキ辺りで横切っていると思うのですが、気が付きませんでした!
息子役のクロード·ジャーマンJrは、「子鹿物語」の愛らしい時から背は高く、8等身近くになっていますが、顔はゴツくならず変わっていませんね。
子鹿物語では可愛がっていた鹿が作物を荒らし、父親に殺してしまうか決断を迫られましたが、今回は父親の胸に刺さった矢を抜くよう、迫られています。
90歳の今年1月に亡くなられています。
モーリン・オハラはこの映画の9年前(’41年)の「わが谷は緑なりき」の綺麗な姉役を演じていて、気丈なアイルランド女性と思わせました。クロード・ジュニアはプレスリーの話題によく出る、テネシー州ナッシュビル出身ですね。
また、Giさんのお好きな場面で流れる「I’ll take you home againKathleen」はプレスリーも’71年5月にレコーディングしていて、CDで時々聴いています。翌年3月に離婚しているからか、悲しげに歌っています(注:オハラが来た夜、部下たち(実演はサンズ・オブ・パイオ二―アズ)が聞かせる。そういえば、ウエインとオハラは離婚した過去があることになっている)。このシーンがまた、いいのだ)。
(中司―小田往復)
*このCDってどんなの?
*フーエルヴィス·プレスリー」というタイトルで ’71〜’72にレコーディングされた作品が入っています。

*ありがとう。今手に入れる方法があるかなあ。アマゾンだと意外に古いものもあるけど。
*
アマゾンにしっかりあったよ!だけど中古で1万6千円だそうだ。やーめたったと!
ミッキー手持ちのやつ、コピーしてくれたらシャルドネ1本、ていう ”ディール”、いかが。
セーブゲキの楽しみはガンプレーや牛の暴走ばかりじゃないんだぜ、諸君。