ゴールデンウイークも終わりましたが、何処にも出掛けずに過ぎ、
日、重い腰を上げ、今バラが盛りというローズガーデンたるイング
入場料1
旧き友集い語ろうは 過ぎし日の旅山の想い (投稿は著者あてメールでお願いします)
運転免許証を返納し、所有車売却を決意した。
サラリーマン4年目におっかなびっくり買った ダットサン1000の中古から始まって、別に理由はないがトヨタは1台も乗らずに来た。5年前、これが最後、という予感があったので、金を払ってこのナンバーにしてもらった。
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1960年代、”事務合理化!” なる大合唱が起き、それまでコンピュータなんて見たこともない人間が ”コンピュータ要員” なるものに仕立てられて急造プログラマーがあちこちで ”プログラムづくり” (まだ COBOL は実用化されておらず、アセンブラーがほとんど)の悪夢に悩むことになった。36年卒新入社員の小生もご多分に洩れなかったが、当時、日本を席巻したのがIBMのベストセラーになった1401シリーズだった。メインメモリは8KB(間違いではない、キロバイトである)、レンタルは300万円を超えるシロモノだったが、これが小生のサラリーマン双六の出発点になり、結局、会社人生のほとんどをコンピュータ関連で過ごす羽目になった。そういうわけで、1401,という4桁の数字には特別の思い入れがあったのだ。
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Farewell, My Lovely is a novel by Raymond Chandler, published in 1940, the second novel he wrote featuring the Los Angeles private eye Philip Marlowe. It was adapted for the screen three times and was also adapted for the stage and radio.
ロバート・ミッチャムのトレンチコート姿が心に染みた ”さらば愛しき女よ” は印象に残るフィルムにしあがっていた。
The first relatively affordable and widely popular mainframe, the IBM 1401 Data Processing System has been called “the Model T of the computer industry.” Just as Henry Ford introduced the automobile to the masses, the IBM 1401 opened the information age to thousands of small and medium-size businesses. It changed the construct and outlook of the computer industry, from design to production to use.
国立新美術館で「マチス-自由なフォルム」展が開催されてい
20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティス(1869-1954
本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切
本展ではさらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術映る様まで造られているのは驚きでした。
マティスの初期の作風は写実的なものを志していたが、次第にポー な作品を描くようになりました。
晩年、南仏ヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の
(編集子)円安対応が騒がれる中、トヨタの大勝が報道され、方や今まで独り勝ちだったテスラの品質問題が報じられるなど、自動車業界はなにかと騒がしい。中でも EV という製品の動向がきがかりなところ、自称ナンチャッテ工学部卒、HP OB第一の博学コージの解説は誠にタイムリーと言える。ただし、老害未然防止のため免許証返納と愛車フィットの処分を考慮中の小生にとっては、火星探検同様のインパクトしかないのだが。
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私と付き合いのある方々にはなかなか信じてもらえないのですが、
現在EVと呼ばれている自動車は以下の4種類に大別することがで
1.BEV(バッテリ式電動自動車)
エンジンがなく外部電源によるバッテリ充電でモータ走行する。
2.HEV(ハイブリッド式自動車)
エンジンとモータの両方を備え、
3.PHEV(プラグインハイブリッド自動車)
エンジンとモータの両方を備えつつ、
4.FCEV(燃料電池自動車)
ガソリンも電源も不要の、水素を燃料とする電気自動車。
それぞれに長所/短所がありますがここでは詳しくは触れません。
米バイデン政権が積極的に普及を薦めていたのはBEVで、
以下がPHEVで先行したものの、
◯トヨタと日産・三菱自のEV、出足から分かれた明暗 個人向け振るわぬトヨタ、新販売方法で苦戦 | 経営 | 東洋経済オンライン
https://bityl.co/Ppxx
マーケティングのイノベーター理論(Chasm)
◯EVかハイブリッドか テスラ対トヨタの熱き戦い – WSJ
https://bityl.co/Ppxe
◯【社説】「EVは売れず」 米ディーラーの訴え – WSJ
https://bityl.co/Ppxf
◯EVの修理代、なぜガソリン車より高いのか – WSJ
https://bityl.co/Ppxi
◯EV購入を依然ためらう消費者も 米ディーラーが実感 – WSJ
https://bityl.co/Ppxj
◯バーラCEOのGM改革、10年経てまだ道半ば – WSJ
https://bityl.co/Ppxk
◯米EV充電関連株、背を向ける投資家 – WSJ
https://bityl.co/Ppxn
◯【オピニオン】米ハーツとテスラとCEO「集団思考」 – WSJ
https://bityl.co/Ppxo
◯テスラが抱える問題、投資家もう無視できず – WSJ
https://bityl.co/Ppxp
◯米フォード、EV抜きなら利益50%上乗せも 10-12月期決算 – WSJ
https://bityl.co/Ppxq
◯EV革命頓挫、6カ月で何が起こったのか – WSJ
https://bityl.co/Ppxr
◯アップル、EV開発計画を白紙に-
https://bityl.co/Ppxs
◯米超大型株「M7」の勢いに陰り、テスラ株は年初から20%
https://bityl.co/Ppxt
◯ハイブリッド車の「エコ度」は十分か 米で論争勃発 – WSJ
https://bityl.co/Ppxu
◯やはりトヨタは正しかったのか? 新型エンジンも作るってマジ!? ベンツが2030年フルEV化政策を撤回! – 自動車情報誌「ベストカー」
https://bityl.co/Ppxv
◯結局、豊田章男会長の未来予測が正しかった…アメリカで「
https://bityl.co/Ppxw
(安田)素人の直感の域を出ない無駄口を承知で、「
(船津)電気自動車でも「電気」がいる。CO2を排出しない電気が要る。
まぁ冗談は別としてどうゆう「機関」で車輪を廻すのがベストなの
北斎は90歳になんなんとして小布施まで徒歩。
冒頭、ミラード・フライモアなる者の葬儀中に、墓穴から金が見付
まずは、この金鉱の町
ケを演じさせる。
冒頭の金を見付けるのが、この町の町長ハリー・
(編集子)そもそも、”荒野の決闘” にけちをつけるエーガだというのがけしからん。なんて奴だ。そういうものがあってはならない。だめだ。小泉リポートによればかのグレース・ケリーを茶化し、ブレナン老に惨めな役をさせてるというではないか。なんてエーガだ。
今日はすることもなし、DVDプレーヤを引っ張り出して、”真昼の決闘” のケリーに ”リオ・ブラボー” でのブレナンを何年振りかで再見しようっと。
ジュネーブ出身。初めての日本旅行であるという。
ラーメンが大好きで温泉もあちこちで挑戦したと楽しそうに語る。
マテオはチューリッヒ工科大学で「データサイエンス」を学び、今年就職する。
マルゴはバーゼルに住むガールフレンド。
私は、富山で従妹の葬儀に出席してから北陸新幹線の車中で、二人の隣席で一緒になった。恋人同士なのか熱々で羨ましい。二人の仲に古老が割り込んだようで気の毒になる。世界旅行の話やスイスの歴史話で盛り上がった。アニメ大好きな親日的カップルだった。
江ノ島と鎌倉、そこから遠望する富士山を是非とも行くべきと私はアドバイスした。江ノ島は日本の「モンサンミッシェル」。太平洋の海原に浮かぶ東洋的な島だ。海はスイスにはないだろうと私は自慢した。二人は初めて江ノ島の存在を知ったようだ。
後日、素敵な若いカップルからメールと綺麗な写真をもらった。
富士山は沈みゆく太陽に輝いている。江ノ島のシルエットは屏風模様である。
Thank you for the picture!
We followed your advice and went to Kamakura before leaving and we saw Enoshima ! It was so beautiful, I joined a picture of Fujisan in the sunset Wish you well, Margaux and Mateo
スイスの若者に、「Good Luck !!」「Bon voyage !」
バイデン大統領の5月1日の発言が物議を醸している。
(安田)日本の将来を語る時、少子化、人口減少、労働力不足、
第二弾: キューバリブレ
簡単ですが、今でも世界中で飲まれているカクテルです。アメリカ生活をされた方ならお飲みになったかと思います。
氷を入れたタンブラーにホワイトラム30ミリリットル〜60ミリリットル(
適量のコーラを氷を避けて 適量 静かに注ぎます。(勢いよく氷の上から注ぐと炭酸が弱くなる。
☆ライムが手に入らない場合にはレモンを代用する。
★19世紀末に第二次キューバ独立戦争を起こし、
「サピエンス全史」「ホモ・デウス」で知られたユダヤ人(イ
昨秋勃発したパレスティナ・ガザ問題に対する、彼自身の祖国イス
イスラエルは今後数日のうちに、歴史的な政策決定を下さなければならない。それは今後何世代にもわたってイスラエルの運命と地域全体の運命を左右しかねないものになるだろう。しかし、残念なことに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と彼の政治パートナーにそうした決断を下せる能力がないことは、すでに何度も示されてきた。彼らが長年進めてきた政策によって、イスラエルは破滅の瀬戸際に追いやられている。しかし、彼らは過ちを悔いる様子も、方向を転換する様子も見せていない。このまま彼らが政権を握っていれば、イスラエルと中東地域全体は破綻するだろう。慌ててイランと新たな戦争を始めるのではなく、まずは過去半年の戦争における自分たちの失敗から学ぶべきだ。戦争は政治的目的を達成するための軍事的手段である。その成功を測るのは、目的が達成されたかどうかだ。10月7日の恐ろしい大虐殺の後、イスラエルは人質を取り戻し、ハマスの武装を解除する必要があった。しかし、それだけではない。イランとその影響下にある勢力がイスラエルの存亡にかかわる危機を起こしうることを考えると、西欧民主主義国との同盟も深める必要があった。穏健なアラブ諸国との協力関係も強化し、地域秩序を安定化させるべきだった。
しかし、これらすべての目的をネタニヤフ政権は無視し、代わりに力を注いだのは復讐することだった。人質全員の解放も、ハマスの武装解除もできなかった。さらに230万人のパレスチナ人がいるガザ地区に意図的に人道的な大惨事を引き起こし、イスラエル存立に関する道義的・地政学的な基盤までをも損なわせた。ガザでの人道危機とヨルダン川西岸地区の状況悪化のために、地域内で混乱が起きている。そのためにイスラエルと西欧民主主義国との同盟関係は弱まり、エジプト、ヨルダン、サウジアラビアなどのアラブ諸国から協力を得るのが難しくなっている。イスラエル人の多くはいまテヘランに注目しているが、その攻撃以前からガザやヨルダン川西岸で起きていることには目をつぶろうとしてきた。しかし、私たちがパレスチナ人に対する態度を改めなければ、私たち自身の思い上がりと復讐心によって、歴史的な大惨事に追い込まれるだろう。戦争が始まって半年が経つが、多くの人質はいまだ拘束されたままで、ハマスはまだ戦闘を続けている。ガザは壊滅状態で、何万人も殺され、人口のほとんどが避難を強いられ、飢餓に苦しんでいる。そんなガザとともにイスラエルの国際的地位も失墜した。かつての友好国の多くからも嫌われ、疎外されている。
もしイランやその代理勢力の間で全面戦争になった場合、イスラエルはどこまで米国や西側の民主主義国、穏健なアラブ諸国を頼れるのだろうか。彼らが危険を冒してまでもわれわれに軍事的・外交的に重要な援助をしてくれると、いつまで期待できるだろうか。
たとえイランとの戦争を回避できたとしても、孤立したイスラエルはいつまで生き残れるのだろうか。イスラエルにはロシアのような豊富な資源はない。商業的、科学的、文化的な世界との繋がりを失い、米国の武器や資金も得られなくなったイスラエルに待ち受ける最も楽観的なシナリオは、「中東の北朝鮮」になることだ。現実に起きていること、現状に至った理由を否定し、そういう主張を認めないイスラエル市民があまりにも多すぎる。特に、ガザの人道危機の深刻さを否定するがゆえに、現在の外交危機の深刻さを理解できない人が多い。ガザの惨状、殺戮、飢餓に関する報道を目にすると、彼らはフェイクニュースだと主張し、イスラエルの行動を道徳的・軍事的に正当化したりする。すべての問題を反ユダヤ主義のせいにしようとする人は、戦争が始まってから最初の数週間を思い出すべきだ。当時、イスラエルはかつてないほど多くの国際的支援を享受していた。米国大統領、フランス大統領、ドイツ首相、英国首相をはじめ、数多くの首相や外相、高官がイスラエルを訪れ、ハマスの武装解除と壊滅を目指すイスラエルへの支持を表明した。言葉だけでなく、国際的な軍事支援ももたらされ、膨大な量の軍事装備がイスラエルに届いた。たとえば、ドイツからイスラエルへの武器輸出は10倍に増加した。このような支援がなければ、イスラエルはガザやレバノンで戦うことも、イランやその支援勢力との紛争に備えることもできなかっただろう。同時に、イエメンのフーシ派に対抗し、紅海とインド洋に国際的な艦隊が集結し、イスラエル南部の都市・エイラートとスエズ運河に通じる商業航路の確保が目指されている。それと同じくらい重要なのは、戦争の期間だ。過去の戦闘では、同盟国が数日から数週間以内に停戦に同意するよう求めたため、イスラエルは急いで戦わなくてはならなかった。しかし今回はハマスの殺人的な性質を考慮し、イスラエルがガザを征服し、人質を解放するために何ヵ月も戦うことを同盟国は許容した。イスラエルの最善の判断に従って同地区の状況を変え、地域における新たな秩序作りをすることが許されたのだ。
しかし、ネタニヤフ政権はこの歴史的な機会を無駄にし、イスラエル国防軍の兵士たちの勇敢さと献身も無駄にした。彼らは、戦場での勝利を活かして人質全員の解放に合意することも、ガザで新たな政治体制作りを進めることもできなかった。代わりに達成したのは、ガザで不必要な人道的災害を故意に引き起こし、それによってイスラエルに不要な政治的災害を与えたことだ。
ガザで起きていることを恐れた同盟国は次々と即時停戦を要求し、イスラエルへの武器禁輸まで求めている。イランやヒズボラ、ハマスを恐れる穏健なアラブ諸国はイスラエルと利害が一致しているが、ガザを壊滅させているイスラエルに協力姿勢を示すのは難しい。
ネタニヤフ政権は、武器や外交的支援を得るための代替手段が他にあるかのように、米国との関係さえも悪化させた。米国や世界中の若い世代は、イスラエルは人種差別的で暴力的な国であり、何百万人もの人々を家から追い出し、飢餓に陥れ、復讐以上の理由もなく何千人もの民間人を殺害する国だと考えるようになった。その影響は、今後数日、数ヵ月だけでなく、数十年先まで続くだろう。ハマスがイスラエルを打ち負かすには、10月7日の最悪の瞬間でさえまだ程遠かった。しかし、それ以降にネタニヤフ政権が採った政策は破滅的で、イスラエルを存亡の危機に陥れてしまったのだ。
ネタニヤフ政権による戦争での失敗は偶然ではない。長年にわたって壊滅的な政策を採ってきた結果である。3つの長期的な要素の組み合わせが、ガザに人道的大惨事を引き起こすという決断をもたらした。その3つとは、パレスチナ人の命の価値に対する感覚の欠如、イスラエルの国際的地位に対する感度のなさ、イスラエルの真の安全保障上の必要性を無視した優先づけだ。
ネタニヤフとその政治的パートナーたちは、長年にわたり、パレスチナ人の命の価値を軽視する人種差別的な世界観を培ってきた。2023年2月にヨルダン川西岸のハワラで起きたポグロムは、現在のガザの悲劇に通じる。2023年2月26日、イスラエルの入植者2人がハワラを車で走行中に殺害された。その報復として入植者の暴徒がハワラの家屋、商店、自動車に放火し、罪のないパレスチナ市民数十人を負傷させた。しかし、イスラエルの治安部隊はこの無法行為をほとんど止めようとはしなかった。2人のイスラエル人殺害への復讐として町全体を焼き払うのに慣れた人々には、10月7日の残虐行為への復讐としてガザ全体を荒廃させるのも当然のことだ。
ハマスが10月7日に凶悪な罪を犯した殺人組織であることは間違いない。しかし、民主主義国家とされるイスラエルは、このような残虐行為に直面しても国際法を尊重し、基本的人権を守り、普遍的な道徳基準を守り続けなければならない。だからこそ、米国、ドイツ、英国といった国々は、10月7日以降、私たちの味方をしてくれたのだ。もちろん、民主主義国家には自国を防衛する権利、いや義務がある。戦争においては、重要な政治的目的を達成するために非常に暴力的な行動が求められる場合もある。しかし、10月7日以降のイスラエルによる行動の多くは復讐心、あるいは何十万人ものパレスチナ人をガザから永久に追い出したいという、さらに悪い願望に突き動かされていたように思われる。長年にわたり、ネタニヤフらはイスラエル国民に、西欧民主主義国との関係を軽視させるような世界観を国民に植え付けてきた。近年の選挙キャンペーンで道端に掲げられた巨大なポスターには「別の同盟からの指導者」と記され、ウラジーミル・プーチン露大統領と握手する笑顔のネタニヤフの姿があった。イスラエルの超権力者がモスクワやブダペストと新たに親しくしているときに、ワシントンやベルリンは必要だろうか。プーチンが新しい友人なら、プーチンのように振る舞うのか。テロリストの耳を切り落とすなど、現在でもプーチンの振る舞いに憧れ、イスラエルはプーチンを見習うべきだと考えるイスラエル人がいる。言うまでもなく、10月7日以降、プーチンはネタニヤフを裏切り、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相がイスラエルを訪問することはなかった。イスラエルを助けようと急いだのは、ワシントンとベルリンのリベラル派だった。しかし、ネタニヤフはおそらく無気力さから、自分たちを助けてくれる人たちの手に噛みつき続けているのだろう。
イスラエルが国際的な孤立を深め、学者や芸術家、若者の間でイスラエルへの憎悪が表明されている。それは、ハマスのプロパガンダのためだけではなく、過去15年間にネタニヤフが国の優先順位を歪めたためである。ネタニヤフらは、西欧民主主義国との同盟の重要性を軽視し、イスラエルで最も重要な安全保障上の必要性も無視したアジェンダを長年追求した。10月7日の大失敗を招いた原因についてはすでに多く書かれており、今後もさらにたくさんの分析が出てくるだろう。首相は細部にまで責任を負えないのは当然だ。しかし、国の優先順位決めという最も重要なことに責任を持つのは首相だ。そして、ネタニヤフが優先したのは災難を起こすことだった。彼らは国境を守るより、占領を強化することを好んだ。占領地におけるイスラエル人の違法入植をひとつも立ち退かせられなかった指導者が、イスラエル南部の都市スデロットと、北部の都市キリヤット・シュモナから何万人もの住民をたった1日で退避させた。さらに悪いのは、現在の政権樹立時にイスラエルが抱える数多くの問題のなかからネタニヤフが定めた重点だ。ハマス、ヒズボラ、イランのどれとの戦いを優先すべきなのか。さまざまな思考を巡らせた末、ネタニヤフが重視したのは最高裁との戦いだった。もし2023年1月から10月までに最高裁との争いに費やした注意の4分の1をハマスに向けていれば、10月7日の大惨事は防げただろう。10月7日以降、ネタニヤフは戦争の目的を決めなくてはならなかったが、安全保障の優先順位を再び低くしていても不思議ではない。ハマスを武装解除させるために、イスラエル軍がガザに入らなければならなかったのは明らかだ。しかし、戦争の長期的目的は、イスラエル人の安全を長年保障できるような安定した地域秩序を作ることであるべきだった。
そのような秩序は、イスラエルと西欧民主主義国との同盟を強化し、穏健なアラブ勢力との協力を深めることによってのみ作り出せる。しかし、そうではなく、ネタニヤフは復讐することを選んだ。復讐のためだけに、パレスチナ人とイスラエル人全員の頭の上でガザの神殿を崩すことを選んだ。「旧約聖書」の「士師記」に登場する目を失ったサムソンのように。イスラエル人は聖書をよく理解しており、その物語が大好きだ。しかし、10月7日以降、なぜ私たちはサムソンを忘れてしまったのだろうか。彼はガザに拉致されたユダヤ人の英雄で、ペリシテ人に暗所に監禁され、ひどい拷問を受けた。なぜ10月7日以降、サムソンはシンボルにならなかったのか。ステッカーや落書き、インターネットのミームなど、いたるところでサムソンの姿を目にしないのはなぜだろうか。
サムソンとは、旧約聖書に登場する古代イスラエルの士師の一人で、怪力の持ち主。強い者が失敗する現象をサムソン・シンドロームということがある。その答えは、サムソンのメッセージが怖すぎるからだろう。サムソンは「私は復讐する。私の魂がペリシテ人とともに滅びるように」と言った。10月7日以降、私たちは多くの点でサムソンと似てしまった。思い上がり、盲目的になり、復讐や心中を志向した。ペリシテ人に仕返しをするためだけに自らの魂を滅ぼした、虚栄心の強い英雄を思い出すのは、あまりにも恐ろしい。