傘寿記念合宿です (42 保屋野伸)

16日~18日と同期22名~家族含む)にて「傘寿記念合宿」を白馬東急ホテルで行いました。(シモさん夫妻、河瀬夫妻も参加)好天に恵まれ、新緑の白馬周辺を大いに楽しみました。17日は「黒部アルペンルート」で室堂往復、18日は「岩岳マウンテンリゾート」に行きました。

添付写真は岩岳山頂からの白馬三山の眺望です(有名なブランコから)。

河瀬さんから写真が送られてきました。愛好会「三バカトリオ」の写真を追加添付します。室堂から奥大日岳方面を撮ったものです。

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認知症予防についてのあれこれ

編集子の数多い友人の中でも博識博学の士のひとり舩津於菟彦は、彼が数十年にわたって書き続けている仲間内の語録のコピーを小生にも送ってくれている。その最近号でかれは認知症の恐怖について語り、その原因である脳の機能から説き起こしてその予防についてまとめている。あまりに長文なので本稿では紹介しないが、その方法についてのべたところで、非常に重要なポイントとして、社交性の維持、ということ、つまり気の置けない仲間との交流、をあげているが、このエッセイに関して、仲間内のドクターのコメントを紹介している。

(認知症にならないための予防法、素晴らしいですね。本職の私も脱帽の文です。特に、「光輝高齢者は好奇心を先ず失わないこと。そして大事なのは仲間。人と話すと嫌なこともありますが、それを乗り越えて対話することが脳への刺激になるのかと思います。 これはとても大切な結論です。
ただし、「光輝高齢者」とありますのは「後期高齢者」の誤字でしょうか?それとも「認知症にならずに輝く高齢者」の意味でしょうか?          ギャグを理解していない  Dr.X )

自分も高齢者の仲間入りをした、と意識した時点から船津は 後期 という語感をきらい、光輝 という当て字を使っているのだが、いずれにせよ、その背景はとわず、多くの友人を持っている我々は誠に幸運だとつくづく感じることが最近とみに多くなってきた。自分にとっては、”社中” と言う福沢諭吉伝来のイズムをいただく学校のOBであること、社会人になって35年間働いた職場がいずれも人間性、という事を大事にする社風の会社であったこと、この二つの幸運に恵まれて数多くの友人を得たし、その多くとは今尚、何らかのつながりを失わないでいられる。このような環境で老後を養える人間がこの日本の中にどれだけいるだろうか。

もちろん、身体能力の劣化に伴って、物理的に友人に会う機会が減少していくのはやむを得ない必然である。しかし、このIT文化の時代、時空を超えて、とは言えないがすくなくとも 空 の部分は、たとえばコロナ以来普及したテレビ会議方式やらメールのやりとりやら、それを補う手段はある。何度か書いたが、気難しいことで有名だった故平井新教授にほめていただいた自分の卒論のテーマであった、社会の在り方として忌避しながら容認しなければならない、と容認した、 大衆社会 の不安は現実になった。そういう基礎認識があるので、昨今のなんでもデジタル、の風潮に迎合することだけは避けようとする意識はもちつづけたいと思い、自分限りのレベルでの抵抗はしているのだが、その恩恵まで無視するほどの頑固者ではない。

船津よ、おれの認知症予防は以下の通り。

朝起きてからの散歩またはジムでのサイクリングマシン30分、1日2杯、チーズを肴にワイン(最近好みのシャルドネから赤、いまはシラーズ)を飲むこと、最低1時間、ミステリを英文で読むこと、大体半日、中学時代から断続的にだがやってきた真空管アンプやラジオつくりに費やすこと、それと貴兄並びにDr.Xのアドバイス通り、社交性の維持、のため、とにかく毎日、ブログの編集を続けること、最低月1回はワンゲル仲間との軽い山歩きと2次会で若い仲間とおだをあげること。

Dr.Xの御診断も仰ぎたいものだけど。

初夏の夕方はカクテルで (3)  (バーアンノウン 川島恭子)

第三弾: パナシェ

IMG_7924.jpeg私が大学生の頃、パリに留学していた友達に会いに行った時、カフェでビールを飲むよりオシャレだと教えてもらった思い出のカクテルです『混ぜ合わせた という意味』、もともとはビールとレモネードを同量(1対1)で割ったカクテルのことですが、ただし、ビールとソーダやキリンレモンのような炭酸飲料を混ぜ合わせたものもお勧めです。ソーダの場合はレモン果汁(ポッカレモン)をティースプーン1、お好みでハチミツ少々を入れると本格的な味になります。

作り方

大きめのタンブラーに、レモン果汁とハチミツを入れよく混ぜ、タンブラーの半分の量の炭酸飲料を静かに注ぎます。残り半分にビールを注ぎます。ジンジャーエールと半々で混ぜると「シャンディーガフ」になります。

シャンディガフはもともとイギリスのパブで親しまれてきたカクテルで、黒いビールにジンジャーエールを合わせて飲んでいたようです。現在では普通のラガービールを使う方が一般的ですが、黒ビールでも美味しいです。

イングリッシュガーデンの薔薇 (34 小泉幾多郎)

ゴールデンウイークも終わりましたが、何処にも出掛けずに過ぎ、先日の土曜
日、重い腰を上げ、今バラが盛りというローズガーデンたるイングリッシュガーデンを訪問してきました。横浜駅から無料バスが出てました。

入場料1500円也でしたが、入口のローズトンネルから、色とりどりのローズの種類の多さ、所々適所に椅子が適所に置かれ、年寄りにも配慮され、それだけの価値はあったと思いました。

Farewell My Lovely

運転免許証を返納し、所有車売却を決意した。

サラリーマン4年目におっかなびっくり買った ダットサン1000の中古から始まって、別に理由はないがトヨタは1台も乗らずに来た。5年前、これが最後、という予感があったので、金を払ってこのナンバーにしてもらった。

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1960年代、”事務合理化!” なる大合唱が起き、それまでコンピュータなんて見たこともない人間が ”コンピュータ要員” なるものに仕立てられて急造プログラマーがあちこちで ”プログラムづくり” (まだ COBOL は実用化されておらず、アセンブラーがほとんど)の悪夢に悩むことになった。36年卒新入社員の小生もご多分に洩れなかったが、当時、日本を席巻したのがIBMのベストセラーになった1401シリーズだった。メインメモリは8KB(間違いではない、キロバイトである)、レンタルは300万円を超えるシロモノだったが、これが小生のサラリーマン双六の出発点になり、結局、会社人生のほとんどをコンピュータ関連で過ごす羽目になった。そういうわけで、1401,という4桁の数字には特別の思い入れがあったのだ。

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Farewell, My Lovely is a novel by Raymond Chandler, published in 1940, the second novel he wrote featuring the Los Angeles private eye Philip Marlowe. It was adapted for the screen three times and was also adapted for the stage and radio.

ロバート・ミッチャムのトレンチコート姿が心に染みた ”さらば愛しき女よ” は印象に残るフィルムにしあがっていた。

The first relatively affordable and widely popular mainframe, the IBM 1401 Data Processing System has been called “the Model T of the computer industry.” Just as Henry Ford introduced the automobile to the masses, the IBM 1401 opened the information age to thousands of small and medium-size businesses. It changed the construct and outlook of the computer industry, from design to production to use.

 

マティス展へ行きませんか  (普通部OB 船津於菟彦)

国立新美術館で「マチス-自由なフォルム」展が開催されていますので連休も終わり空いている時を狙って拝見に参りました。素晴らしいの一言です。

20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティス(1869-1954)。自然に忠実な色彩から解放された大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現します。後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組みます。
本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものです。なかでも切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されるほか、大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。

本展ではさらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで展示しています。以前我が友の友人のパリ在住の観光ガイドをされている方からYouTubeを送って下さり、一度は訪ねたい美術館であり礼拝堂でした。今回そっくり東京に移動して展示されていました。実物大の部屋が造られ、昼から夜の移り変わりのステンドグラスの床に映る様まで造られているのは驚きでした。あたかもその場に居るようでした。マチスの初期からフォービズムそしてデッサンまで変容していく画家の様が良く分かり、素晴らしいです。

マティスの初期の作風は写実的なものを志していたが、次第にポール・セザンヌ、ポール・シニャック、フィンセント・ファン・ゴッホ 、ポール・ゴーギャンら後期印象派の影響を受け、自由な色彩による絵画表現を追究するようになる。『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』(1905年)、『ダンスI』(1909年)など、大胆な色彩を特徴とする作品を次々と発表し、モーリス・ド・ヴラマンク、アンドレ・ドランらと共に野獣派と呼ばれるようになりました。しかし、フォーヴィスムとしての活動は1905年からの3年ほどで、それ以降は比較的静謐 な作品を描くようになりました。

晩年、南仏ヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の内装デザイン、上祭服のデザインを担当。この礼拝堂はマティス芸術の集大成とされ、切り紙絵をモチーフにしたステンドグラスや、白タイルに黒の単純かつ大胆な線で描かれた聖母子像などは、20世紀キリスト教美術の代表作と目されています。このドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂はかっての自分の看護師だった女性が修道女に成って居たことから 無償で内部の装飾・礼拝の礼拝段・僧侶の礼服まで総てデザインした最高傑作。現地に行った様な設えですね!

 

いわゆるEVについて(HPOB 菅井康二)

(編集子)円安対応が騒がれる中、トヨタの大勝が報道され、方や今まで独り勝ちだったテスラの品質問題が報じられるなど、自動車業界はなにかと騒がしい。中でも EV という製品の動向がきがかりなところ、自称ナンチャッテ工学部卒、HP OB第一の博学コージの解説は誠にタイムリーと言える。ただし、老害未然防止のため免許証返納と愛車フィットの処分を考慮中の小生にとっては、火星探検同様のインパクトしかないのだが。

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私と付き合いのある方々にはなかなか信じてもらえないのですが、大学時代は工学部で機械工学を専攻しておりました。学生時代の研究分野は工作機械で内燃機関や自動車は専門分野ではありませんが、EVに関して若干ご説明させていただきます。

現在EVと呼ばれている自動車は以下の4種類に大別することができます。

1.BEV(バッテリ式電動自動車)
エンジンがなく外部電源によるバッテリ充電でモータ走行する。

2.HEV(ハイブリッド式自動車)
エンジンとモータの両方を備え、エンジンで発電してモータを動かす。エンジンとモータの使い分け方にいくつかの方式がある。

3.PHEV(プラグインハイブリッド自動車)
エンジンとモータの両方を備えつつ、外部電源も使用できるのが特徴。HEVよりもモータ走行時間が長く取れる。

4.FCEV(燃料電池自動車)
ガソリンも電源も不要の、水素を燃料とする電気自動車。エンジンは水素と酸素から発電するためにあり、モータで走行する。

それぞれに長所/短所がありますがここでは詳しくは触れません。

米バイデン政権が積極的に普及を薦めていたのはBEVで、世界や米国で単にEVと言えばBEVを指していました。水素ステーションが必要な4.の早期の実用化はかなり困難なのでこれは除くとして、米国においてはBEVではないHEVやPHEVは「擬い物のEV」扱いされてきました。昨年来、販売不振で普及に急激なブレーキが掛かったのは彼ら曰くの「本物のEV」であるBEVのことです。

以下がPHEVで先行したものの、BEVでは出遅れたトヨタとBEVでやや先行した日産・三菱を比較した約2年前の記事です。
◯トヨタと日産・三菱自のEV、出足から分かれた明暗 個人向け振るわぬトヨタ、新販売方法で苦戦 | 経営 | 東洋経済オンライン
https://bityl.co/Ppxx

マーケティングのイノベーター理論(Chasm)における新しモノ好きであるBEVのアーリー・アダプター(初期採用者)の需要が一巡し、そのターゲットが比較的保守的なマジョリティー市場に移る時期にBEVの様々な欠点が顕在化してしまいBEVの買い控え現象が起こったのが昨年来のことでした。このBEVの売上不振の問題は日本のメディアはあまり積極的には報道しませんでしたが、WSJを中心として米国のメディアでは昨年末あたりから頻繁に報道されるようになりました。この先はどうなるかは不透明ではありますが、ここ暫くはトヨタの一人勝ち状態が続くようです。

◯EVかハイブリッドか テスラ対トヨタの熱き戦い – WSJ
https://bityl.co/Ppxe

◯【社説】「EVは売れず」 米ディーラーの訴え – WSJ
https://bityl.co/Ppxf

◯EVの修理代、なぜガソリン車より高いのか – WSJ
https://bityl.co/Ppxi

◯EV購入を依然ためらう消費者も 米ディーラーが実感 – WSJ
https://bityl.co/Ppxj

◯バーラCEOのGM改革、10年経てまだ道半ば – WSJ
https://bityl.co/Ppxk

◯米EV充電関連株、背を向ける投資家 – WSJ
https://bityl.co/Ppxn

◯【オピニオン】米ハーツとテスラとCEO「集団思考」 – WSJ
https://bityl.co/Ppxo

◯テスラが抱える問題、投資家もう無視できず – WSJ
https://bityl.co/Ppxp

◯米フォード、EV抜きなら利益50%上乗せも 10-12月期決算 – WSJ
https://bityl.co/Ppxq

◯EV革命頓挫、6カ月で何が起こったのか – WSJ
https://bityl.co/Ppxr

◯アップル、EV開発計画を白紙に-10年がかりのプロジェクト断念 – Bloomberg
https://bityl.co/Ppxs

◯米超大型株「M7」の勢いに陰り、テスラ株は年初から20%下落 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
https://bityl.co/Ppxt

◯ハイブリッド車の「エコ度」は十分か 米で論争勃発 – WSJ
https://bityl.co/Ppxu

◯やはりトヨタは正しかったのか? 新型エンジンも作るってマジ!? ベンツが2030年フルEV化政策を撤回! – 自動車情報誌「ベストカー」
https://bityl.co/Ppxv

◯結局、豊田章男会長の未来予測が正しかった…アメリカで「日本製ハイブリッド車」が爆発的に売れている理由 このままでは「EVの販売台数が前年割れ」も | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
https://bityl.co/Ppxw

 

(安田)素人の直感の域を出ない無駄口を承知で、「EV車普及に対する最大の鍵と疑問」について愚見を述べます。それは「AV車は本当にエコか」ということです。EV車の走行時は確かに一酸化炭素排出はゼロですが、やはり電気を大量に必要とします。

搭載するバッテリー製造には大量の電気エネルギー創出が必要だし、その製造過程で排出される一酸化炭素量は莫大ではないかと推測される。次に、EV車はバッテリー充電が必要であるが、無数の充電設備から供給される電気エネルギー
創出には炭素を燃やして創出する必要がある。走行中には脱酸素化は実現できるが、この2行程で排出される一酸化炭素量と内燃機関(いわゆるガソリン)車が輩出する一酸化炭素量は比較されるべきでしょう。手許に信頼に足るべき資料がないので何とも言えないが、AV車はひょっとすると、バッテリー製造、バッテリー充電用電気エネルギー創出課程で排出される一酸化炭素量がガソリン車EV化へ突っ走るのは如何なものか?ここにきて懐疑的なAVシフト化、売り上げ伸び悩みやEV車への投資見直しが顕著に表面化して来たのは何故なのでしょうか?

(船津)電気自動車でも「電気」がいる。CO2を排出しない電気が要る。原発ダメ。当分名古屋根性の頑張り屋トヨタの一人勝ちが続く。名古屋は東京、大阪に挟まれ弄られ負けず根性旺盛。世界のトヨタだぁ。
まぁ冗談は別としてどうゆう「機関」で車輪を廻すのがベストなのかなぁ。あらよーっと人力車。籠。徒歩。自然に帰れ。もうとっくに免許返上・車無し。
北斎は90歳になんなんとして小布施まで徒歩。

エーガ愛好会 (267)  夕陽に立つ保安官   (34 小泉幾多郎)

冒頭、ミラード・フライモアなる者の葬儀中に、墓穴から金が見付かる大騒動となる巧みな導入から始まる西部劇コメディは、先日4月26日放映された「地平線から来た男1969」に先立ち制作されたバート・ケネディ監督ジェームス・ガーナー主演の「夕陽に立つ保安官1971」。西部劇コメディであるが、それよりも、西部劇というジャンルそのものを茶化している。特に茶化す対象と考えられるのが、「荒野の決闘」「真昼の決闘」「リオ・ブラボー」か。

まずは、この金鉱の町に雇われ保安官となるジェームス・ガーナーが、「真昼の決闘」のゲーリー・クーパーや「リオ・ブラボー」のジョン・ウエインのようなカリスマ性を持ったヒーロー・タイプではない。それでもコメディお決まりの銃はからっきしダメな男ではなく、放り投げたコインを撃ち抜き、ガンプレイでも悪漢を早撃ちで仕留める保安官でもある。「荒野の決闘」のヘンリー・フォンダなみに、ポーチに据えられた椅子を揺すりながら睨みをきかせる場面もある。またオーストラリアへ行く途中にこの町へ立ち寄ったというセリフを何回も口走るが、アメリカからフロンティアが消滅しつつある時代が舞台であることを示している。副保安官としてジャック・イーラムを採用することで、漫才で言うボ
ケを演じさせる。

冒頭の金を見付けるのが、この町の町長ハリー・モーガンの娘ジョーン・ハケットで、本来ヒロイン役が騒動に巻き込まれ泥だらけになったり、樹に登ったりとじゃじゃ馬ぶりを見せつけることはない筈だが、これも「真昼の決闘」のクエーカー教徒グレース・ケリーのアンティテーゼの役割を演じたのか。「荒野の決闘」の悪役アイク・クラントン、「リオ・ブラボー」の牢屋番スタンピーを茶化した役回りとして老優ウオルター・ブレナンが情けない悪党を演じる。最初に殺人容疑で捕まるブレナンの息子ブルース・ダンも鉄格子のない牢屋から脱走もしない。その後鉄格子が嵌められた後ブレナン等3人が馬に縄を付け引っ張り脱獄を図り、当然鉄格子がはずれる筈が、引っ張り切れず3人転倒して失敗、等々。最後の決闘クライマックスシーンにしても、ガーナー、イーラム、ハケットの3人対ブレナン側の一族十数人と対決、嬉々としてライフルをぶっ放すのは、好戦的な娘ジョーン・ハケットが二人を殺害するだけで、逆にガーナーに窘められる。決闘途中に、ガーナーが射撃をやめるよう叫ぶと射撃を中止したりする殆んど死人の出ないアンチクライマックスな様相で、最後は捕まっていたブレナンの息子ダンが旧式の大砲に縛り付けられ決着する。結果はハケットと結婚したガーナーは州知事に、イーラムが2代目保安官として伝説的人物になって終わる。

(編集子)そもそも、”荒野の決闘” にけちをつけるエーガだというのがけしからん。なんて奴だ。そういうものがあってはならない。だめだ。小泉リポートによればかのグレース・ケリーを茶化し、ブレナン老に惨めな役をさせてるというではないか。なんてエーガだ。

今日はすることもなし、DVDプレーヤを引っ張り出して、”真昼の決闘” のケリーに ”リオ・ブラボー” でのブレナンを何年振りかで再見しようっと。

スイスの若いカップル (41 齋藤孝)

ジュネーブ出身。初めての日本旅行であるという。
ラーメンが大好きで温泉もあちこちで挑戦したと楽しそうに語る。
マテオはチューリッヒ工科大学で「データサイエンス」を学び、今年就職する。
マルゴはバーゼルに住むガールフレンド。
私は、富山で従妹の葬儀に出席してから北陸新幹線の車中で、二人の隣席で一緒になった。恋人同士なのか熱々で羨ましい。二人の仲に古老が割り込んだようで気の毒になる。世界旅行の話やスイスの歴史話で盛り上がった。アニメ大好きな親日的カップルだった。

江ノ島と鎌倉、そこから遠望する富士山を是非とも行くべきと私はアドバイスした。江ノ島は日本の「モンサンミッシェル」。太平洋の海原に浮かぶ東洋的な島だ。海はスイスにはないだろうと私は自慢した。二人は初めて江ノ島の存在を知ったようだ。

後日、素敵な若いカップルからメールと綺麗な写真をもらった。
富士山は沈みゆく太陽に輝いている。江ノ島のシルエットは屏風模様である。

Thank you for the picture!
We followed your advice and went to Kamakura before leaving and we saw Enoshima !  It was so beautiful, I joined a picture of Fujisan in the sunset    Wish you well,    Margaux and Mateo

  スイスの若者に、「Good Luck !!」「Bon voyage !」 


                                             


 

バイデン大統領の発言について   (44 安田耕太郎)

バイデン大統領の5月1日の発言が物議を醸している。ホワイトハウスは火消しに躍起になり、日本政府は正式にアメリカ政府に対し、「日本の政策の正確な理解に基づかない発言は残念だ」と遺憾のコメントをだした。英国BBCのアメリカ駐在特派員の記事(原文)は以下の通りである。

アメリカのジョー・バイデン大統領は1日夜、日本とインドには「ゼノフォビア(外国人嫌悪)」があり、「移民を受け入れたがらない」国だとして、ロシアや中国と並べて語った。アジア系アメリカ人が多く集まる選挙資金集めのイベントで発言したバイデン大統領は、今年11月の大統領選では「自由とアメリカと民主主義」が問われるものだとしたうえで、「なぜか? 私たちは移民を歓迎するからだ」と話した。
 
「考えてもみてください。どうして中国は経済的にこれほどひどく停滞しているのか。どうして日本は大変な思いをしているのか。ロシアはどうして? インドはどうして? この国々は、外国人を嫌っているからです。移民に来てほしくないから」インドについては、アメリカ国務省インド国内の人権状況について懸念を示しているものの、インドもアメリカにとって重要な協力国のひとつである。
 
ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は、大統領の発言はアメリカの移民政策全般に関するものだったと述べた。「我々の同盟国や協力国は、いかにバイデン大統領が自分たちと友情と協力を重視しているか、具体的な形で承知している」、「大統領がいかに同盟や協力関係を全面的に徹底的に重視しているか、(各国は)理解している」と強調した。
 
日本の在米大使館は3日、アメリカ説明によるこうした説明を承知しているとによると述べ、日本の政策の正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」とコメントした。日本政府は数十年にわたり世界でも特に厳しい移民政策を施行していたが、近年では人口減を受けて外国人労働者の受け入れ拡大に取り組もうとしている。

(安田)日本の将来を語る時、少子化、人口減少、労働力不足、GDP鈍化、経済成長停滞、貧困化の問題は深刻に受けとめられている。人口減歯止めと労働力補強の観点から移民政策問題と深く関わり、昨今論じられている。

 
移民について西欧主要国をみると、ドイツはトルコ・東欧/バルカン諸国からの移民を受け入れ、今や彼らの労働力無くして経済が成り立たないほどの重要な位置をしめ役割を果たしている。ECに於けるもう一つの雄フランスをみると、世界各地の旧植民地国家、特に北アフリカ・イスラム教諸国からの移民が目立ち、フランス経済に貢献している。移民の経済面に於ける貢献と役割は疑う余地はないが、負の面も正しく理解されねばならない。2021年現在ドイツの人口は8324万人で、その内27.2%(2230万人)が外国人または移民系だ。この内53%(1180万人)がドイツ国籍を持っている。残りの47%
(1050万人)が外国籍である。出生率を見ると、生来のドイツ人は1.52だが、これら移民系の人々は2.26と高い。
フランス仏総人口の10.3%が移民=2021年統計によると、移民(外国で生まれた外国人で、フランスに居住する者。 帰化の有無は問わない)は2021年に700万人程度となり(うち36%はフランス国籍を取得)、全人口の10.3%を占めた。
 
2022年6月末時点の日本の在留外国人数は296万1,969人(出入国在留管理庁)である。さらに人口推計では、外国人は2022年以降毎年16万3791人増加する前提である。その場合、2070年の外国人の人口は、約1,082万人となる計算だ。これはその時点の推計人口全体の12.4%に相当する。2022年の外国人比率は2.4%である。その比率が約50年後の2070年には12.4%まで上昇する、つまり外国人の比率が現在の50人に1人強から10人に1人強にまで高まるのである。現在のフランス並みとなる。それは日本社会にとってはまさに劇的な変化と言えるだろう。
 
長期的に将来を俯瞰する時、無視できなくなった移民人口は、居住する国に於いて国籍を有するに至るが、民族・出自・宗教・文化・習慣・価値観は自ずと居住する国の国民とは異なり、社会の分断の原因の一つとなりうる。移民は多分に労働集約的な低賃金労働に従事することから、相対的に貧しく貧富の差に起因する社会の分断をもたらす原因にもなり得る。そして、貧富の差、異民族の混在がもたらす社会の不安定化、移民に対する国民の反感と過激化する右翼の運動、治安面や犯罪増加リスク増大など経済的メリットとは裏腹に社会の安定と安寧に対するコスト(犠牲)を強いられるのは避けられない。現在でも移民社会がもたらす負の面が社会の不安と不穏という形で、ドイツやフランスで散見されている。移民国家アメリカでは今世紀後半にはWASPに代表される白人人口が総人口の半分を割り込み、ヒスパニック系人口が最大になるとも予想され、移民の高い出産率と相まって一旦移入して定住すると国籍も獲得することから、問題は継続且つ深刻化する可能性は高い。
僕は移民による経済的メリットや国家運営の選択肢には反対する。勿論、白黒が鮮明につく簡単な問題ではなく、広範囲なグレイの諸問題に正しく対処する必要はある。
単一同民族(homogeneous)国家として、現在、皆が当たり前と捉えている社会の安定・安心と安全、居心地良い社会を維持継続することが肝要だと思う。謂わば、国家運営のハードの面より、文化・生活面のソフト重視の考え方でもある。
(船津)日本は移民を受け入れて上手く調和して労働力になるのは時間を要すると思いますし、移民を結局受け入れないのでは。じゃどうする。困ったもんだぁ。英語教育のMethodが進んでいるのは米国でいち早く米国語が使える人にしたいため教え方も進んでいます。日本は日本語を誰がどう教えるかも未だよくわからないし、教育方法も定まっていない。色々問題在りですね。
(菅原)一言。あらゆる点で、日本が日本でなくなる日が来ないことを切望します。
(編集子)最近の移民(不法移民)について、米国内の議論は様々だろう。黒人が 今住んでいる自分たちの問題を差し置いて不法移民に職を与えるのか、と猛反発している、と聞く。現在アメリカで問題化しているのはヒスパニック人口の急増で、中南米からの不法移民はそれに拍車をかけ、差別化を感じている黒人層の問題をさらに難しくするだろう。片や日本でも、最近は外国人労働者による犯罪が明らかに急増している。単なる数字の上での議論だけで移民に頼ることしか手段はないのか?
(河瀬)“Xenophobia” は移民を良しとしない国の定義で、「外国人を歓迎しない国」とは異なりますね。

日本やインドは人口過剰国ですので当然でしょう。
米国もこれ以上移民が増えれば次第にXenophobiaになるでしょう。バイデン発言を気にする必要はありません。