認知症予防についてのあれこれ

編集子の数多い友人の中でも博識博学の士のひとり舩津於菟彦は、彼が数十年にわたって書き続けている仲間内の語録のコピーを小生にも送ってくれている。その最近号でかれは認知症の恐怖について語り、その原因である脳の機能から説き起こしてその予防についてまとめている。あまりに長文なので本稿では紹介しないが、その方法についてのべたところで、非常に重要なポイントとして、社交性の維持、ということ、つまり気の置けない仲間との交流、をあげているが、このエッセイに関して、仲間内のドクターのコメントを紹介している。

(認知症にならないための予防法、素晴らしいですね。本職の私も脱帽の文です。特に、「光輝高齢者は好奇心を先ず失わないこと。そして大事なのは仲間。人と話すと嫌なこともありますが、それを乗り越えて対話することが脳への刺激になるのかと思います。 これはとても大切な結論です。
ただし、「光輝高齢者」とありますのは「後期高齢者」の誤字でしょうか?それとも「認知症にならずに輝く高齢者」の意味でしょうか?          ギャグを理解していない  Dr.X )

自分も高齢者の仲間入りをした、と意識した時点から船津は 後期 という語感をきらい、光輝 という当て字を使っているのだが、いずれにせよ、その背景はとわず、多くの友人を持っている我々は誠に幸運だとつくづく感じることが最近とみに多くなってきた。自分にとっては、”社中” と言う福沢諭吉伝来のイズムをいただく学校のOBであること、社会人になって35年間働いた職場がいずれも人間性、という事を大事にする社風の会社であったこと、この二つの幸運に恵まれて数多くの友人を得たし、その多くとは今尚、何らかのつながりを失わないでいられる。このような環境で老後を養える人間がこの日本の中にどれだけいるだろうか。

もちろん、身体能力の劣化に伴って、物理的に友人に会う機会が減少していくのはやむを得ない必然である。しかし、このIT文化の時代、時空を超えて、とは言えないがすくなくとも 空 の部分は、たとえばコロナ以来普及したテレビ会議方式やらメールのやりとりやら、それを補う手段はある。何度か書いたが、気難しいことで有名だった故平井新教授にほめていただいた自分の卒論のテーマであった、社会の在り方として忌避しながら容認しなければならない、と容認した、 大衆社会 の不安は現実になった。そういう基礎認識があるので、昨今のなんでもデジタル、の風潮に迎合することだけは避けようとする意識はもちつづけたいと思い、自分限りのレベルでの抵抗はしているのだが、その恩恵まで無視するほどの頑固者ではない。

船津よ、おれの認知症予防は以下の通り。

朝起きてからの散歩またはジムでのサイクリングマシン30分、1日2杯、チーズを肴にワイン(最近好みのシャルドネから赤、いまはシラーズ)を飲むこと、最低1時間、ミステリを英文で読むこと、大体半日、中学時代から断続的にだがやってきた真空管アンプやラジオつくりに費やすこと、それと貴兄並びにDr.Xのアドバイス通り、社交性の維持、のため、とにかく毎日、ブログの編集を続けること、最低月1回はワンゲル仲間との軽い山歩きと2次会で若い仲間とおだをあげること。

Dr.Xの御診断も仰ぎたいものだけど。