傘寿記念登山のはなし   (44 安田耕太郎)

先輩の保屋野伸さんから、齢80の傘寿を過ぎて記念に3000m峰に登りたいが一緒にどうかと、お誘いをうけた。南アルプス(赤石山脈)の女王と謳われる仙丈ヶ岳(標高3,033m)を選択した。3000m峰としては、立山・乗鞍岳に次いで登頂が易しいのではと意見が一致。同行者として、安田の同期吉田俊六君と山登りを始めるきっかけを作った叔父(安田)と一緒に登山をしたいと願っていた甥も誘い、平均年齢80超歳の老人3人と35歳の謂わば介添え役の4人とチームは決まった。甥は、昨夏日本海から太平洋まで全長415kmの道のりを北・中央・南アルプスを縦断する(累積標高差27,000m)
Trans Japan Alps Raceに初参加、完走した猛者である。介添え人としては持って来いだ。

KWV夏合宿終了から1週間後、長野県伊那市の仙丈ヶ岳山麓の戸台パーク(泊)より入山、2泊3日の山旅だった。初日・二日目は好天に恵まれ、南アの名峰が指呼の間に望め素晴らしい眺望を満喫。

最終日、馬の背からの仙丈登頂には前夜からの荒天で視界は悪く、稜線上は凄い烈風と都会の35℃酷暑が嘘のような寒さ、ガス以外何も見えない中頂上に達した。

山に好天と荒天は付き物、両方を体験できた上、傘寿過ぎの3000m峰登頂、甥と叔父の同行登山も実現して、貴重な記念すべき登山となった。

帰路、JR中央線側から、登山中反対側から眺めた鋸岳・甲斐駒ヶ岳+摩利支天、北岳(一部だけ見える)の勇姿を仰ぎ見て感慨もひとしおであった。

(保屋野)チビ太氏ご投稿の通り、80才で3000m峰(但し、ハイキングレベルの乗鞍と立山は除く)登頂という夢が叶いました。
仙丈岳は比較的優しい3000m峰ですが、北沢峠からの標高差は1000mあり、途中山小屋で1泊したものの、やはり82才目前の私には
中々ハードで、強風とガスの中、山頂に立てた喜びはひとしおでした。3日間のドライブ&登山、実に楽しく、思い出に残る山旅でした。

44年卒のチビ太は79才、吉田(ズン六)は80才(81才になったのかな)・・・同行してくれて、感謝感謝です。
そして何よりもチビ太の甥っ子(光輝さん)スーパーマンがガイドとして参加してくれたお陰で安心して登ることができました。
ちなみに、彼は9月にウエールズの大会に出場する予定で、初日の戸台パーク(仙流荘泊)では何と夕飯前に16kmのランニングをしてました。

最後に、この登山で私の65年に渡る登山人生は卒業します。山靴よサヨーナラ、トレッキングシューズよコンニチハでしょうか。
今後は高尾山等低山ハイクを中心に四季折々の自然を楽しみたいと思います。