国立新美術館で「マチス-自由なフォルム」展が開催されていますので連休も終わり空いている時を狙って拝見に参りました。素晴らしいの一言です。
20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティス(1869-1954)。自然に忠実な色彩から解放された大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現します。後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組みます。
本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点超を紹介するものです。なかでも切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されるほか、大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。
本展ではさらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで展示しています。以前我が友の友人のパリ在住の観光ガイドをされている方からYouTubeを送って下さり、一度は訪ねたい美術館であり礼拝堂でした。今回そっくり東京に移動して展示されていました。実物大の部屋が造られ、昼から夜の移り変わりのステンドグラスの床に映る様まで造られているのは驚きでした。あたかもその場に居るようでした。マチスの初期からフォービズムそしてデッサンまで変容していく画家の様が良く分かり、素晴らしいです。
マティスの初期の作風は写実的なものを志していたが、次第にポール・セザンヌ、ポール・シニャック、フィンセント・ファン・ゴッホ 、ポール・ゴーギャンら後期印象派の影響を受け、自由な色彩による絵画表現を追究するようになる。『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』(1905年)、『ダンスI』(1909年)など、大胆な色彩を特徴とする作品を次々と発表し、モーリス・ド・ヴラマンク、アンドレ・ドランらと共に野獣派と呼ばれるようになりました。しかし、フォーヴィスムとしての活動は1905年からの3年ほどで、それ以降は比較的静謐 な作品を描くようになりました。
晩年、南仏ヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の内装デザイン、上祭服のデザインを担当。この礼拝堂はマティス芸術の集大成とされ、切り紙絵をモチーフにしたステンドグラスや、白タイルに黒の単純かつ大胆な線で描かれた聖母子像などは、20世紀キリスト教美術の代表作と目されています。このドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂はかっての自分の看護師だった女性が修道女に成って居たことから 無償で内部の装飾・礼拝の礼拝段・僧侶の礼服まで総てデザインした最高傑作。現地に行った様な設えですね!
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