ここのところ女流作家、朝井まかてに入れ込んで、「白光」(イコン画家、山下りんの伝記小説)、「類」、「福袋」(短編小説集)と続けざまに読んだ。この「類」と言うのは、森鴎外の子供たち、オットー、マリー、アンヌ、フリッツ(夭折)、ルイの末っ子、類のお話し。
鴎外の先妻の子であった於莬は、長男らしく医者になったが、この類は、何も職を持たず、相続した鴎外の印税を食いつぶした高等遊民。しかし、世の中よくしたもんで、奥さんは極めて出来た人で、自分の嫁入り道具を質に入れるなど典型的な糟糠の妻。それが亡くなったら、直ぐに後妻を娶る。この辺から、ボンクラな小生、主人公に感情移入するのが苦しくなった。結局、類は「鴎外の子供たち」(小生、読む気は全くありません)って本を書いて、兄弟のことを赤裸々に描いてしまい、それまで極めて仲が良かった杏奴からは終生、絶交状態。
どうも於莬と鴎外の後妻とは仲が良くなかったらしい。と言うより、後妻の志げが於莬を嫌っいたのが事の真相のようだ。でも、於莬は長男らしく、最後まで一家の面倒を見たようだ。
森鴎外は、林太郎が外人には発音しにくいことから、子供にオットー以下の名前を付けたそうだが、そこまで外人に阿る必要は果たしてあったのだろうか。例えば、RobertはBobだから、林太郎はRin/Linでも良かったんじゃないか。この辺はいささか納得できない。
そこで思い出してみれば、鴎外の作品は「山椒大夫」、「高瀬舟」しか読んでいない。そこで一念発起、「青年」を読み始めた。余り面白くない。と言うより、5歳も年長の鴎外が漱石の「三四郎」の向こうを張るなんて大人気ないとしか思えない。どうも鴎外は糞味噌だ。でも、巷では、日本を代表する大作家のようだ。
(金藤)森鷗外の作品、といっても私は現代国語で、近代日本文学の作家と代表作として 森鷗外 舞姫 高瀬舟 徳冨蘆花 不如帰 泉 鏡花 高野聖 二葉亭四迷 浮雲 などと作家の名前と作品名だけ覚えただけで、本は読んでおりません。
一つは夏目漱石が修善寺で血を吐き深刻な事態におちいった、いわ
二つ目は明治期の軍隊、特に陸軍で脚気が蔓延しこれが原因で亡く
ある分野で卓越した業績を上げるとその人はすべての面で模範の人