エーガ愛好会 (78)  母と暮らせば   (普通部OB 船津於菟彦)

75年前の8月6日はヒロシマ。9日はナガサキ。と原子爆弾が投下され、一瞬のうちに無差別に15万人以上の方が亡くなられた!詳しい数字は未だハッキリしないようです。その時から76年。平和に東京オリンピツクが開催されています。
1912年10月に大学の友人の仲間で旅行会を開催していて「瀬戸内の美と味を満喫する会」で広島・長崎を訪れた。長崎は本来小倉が爆撃予定地で第2候補であったのが小倉が雲で覆われ、長崎にやって来た!雲が覆っていたが雲が切れて町が直視でき、爆撃された。
そんな長崎の爆心地を訪ねると写真で見るのとは大違いで、その思いは矢張り大きかった。

8月9日は忘れぬ日です。核廃絶は世界から核爆弾を無くすべきです。その中気持ちを山田洋次監督は母と息子の会話と婚約相手であつた女生とが絡んで甘く悲しい物語に仕立て上げている。『母と暮せば』(ははとくらせば)は2015年12月12日に公開された日本映画。主演は吉永小百合と二宮和也。監督は山田洋次。
松竹創立120周年記念作品。第89回アカデミー賞・外国語映画賞部門 日本代表作品。

物語は1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。
その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。
そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。
母親・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役には黒木華という理想的なキャスティングで山田洋次監督が初めてつくる、やさしく泣けるファンタジー作品です。浩二がメンデルスゾーンが好きで、生前はその中でも「ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64」がこの映画の「軸」として流れる。

原爆で被爆死したはずの彼が亡霊となって現れる。
伸子は驚きながらも浩二との再会を喜び、その日から息子の子供の頃の話、生前の将来の夢や死んだ浩二の兄の思い出などを語り合う。浩二の生前の恋人・町子は今でも彼を想い続け伸子との交流を続けていたが、彼もまた彼女に未練が残っていた。伸子はそれぞれとの会話で浩二と町子のお互いの想いを知るが、若い彼女が死んだ息子を想って残りの人生を過ごすのを不憫に思い始める。
浩二の母であり、クリスチャン。助産院を営んでおり、妊婦の自宅に出向いて出産や産後ケアなどをしている。浩二が生きていた頃から体が弱く、血圧の薬を服薬している。浩二が幼い頃に夫を結核で亡くし、数年前に長男はビルマで戦死、唯一の家族であった次男・浩二までも原爆で亡くしてしまう。8月9日の長崎原爆で跡形もなく爆死した浩二のことが忘れられず法事をせずに陰膳を続け、3年後に亡霊となって現れた彼と再会する。

伸子は町子のことを思って他の男性との恋を考えるよう助言するが、町子はその申し出を拒む。一方同じく伸子から町子を諦めるよう説得された浩二は、数日間悩んだ末彼女から身を引く決心をする。
年の瀬が迫る頃一人の男性を連れた町子が久しぶりに伸子の家に訪れ、彼と婚約したことを告げる。申し訳無さそうに謝る町子に伸子は「これで良かったのよ」と抱きしめ、婚約者との幸せを願い送り出す。その夜伸子は浩二に町子の婚約のことを伝えた後床につくが、数日前から体調が悪かった彼女はそのまま息を引き取ってしまう。浩二と同じく霊となった伸子は、自らの葬儀が行われている教会へ行き、参列した町子の幸せを祈った後2人で天国へと旅立つ。

8月6日ヒロシマ・9日ナガサキは忘れては成らぬ日ですが「東京オリンピック」開催中世界にどう発信するか。是非「平和の祭典」であるならば大声で世界に核廃絶をこの機会に伝えて貰いたいものです。