久し振りに映画を見た。それは、2001年のアカデミー賞作品賞を獲得した、英国のリドリー・スコットが監督した「グラディエーター」だ。
話しの筋は、以下の如く、極めて単純そのものだ。リチャード・ハリス演ずる古代ローマの皇帝アウレリウスは、ゲルマン族を打破するなどの功績でラッセル・クロウ演ずる将軍マキシマスに次の皇帝の座を譲ろうと考えていた。これを知ったホアキン・フェニックス演ずる野心家の王子コモドゥスは父を絞殺して王座を奪い、マキシマスに死刑を宣告。マキシマスは故郷(どうやら当時のスペインらしい)へ逃れるが、コモドゥスの手下に妻子を殺されてしまう。絶望の中、奴隷に身を落としたマキシマスは、やがて剣闘士(グラディエーター)として名を上げ、闘技場で死闘を繰り返しながらコモドゥスへの復讐を誓い、最後は見事にコモドゥスを刺殺し、自らも息絶える(小生、未だに何が原因でマキシマスが死んだのか良く分からない)。
従って、一言で言ってしまえば活劇なのだ。そして、製作費は103億円も掛かっているらしいが、金を掛けたからと言って面白い映画が作れるとは限らない。また、物量で圧倒しようってんだろうが、そうは問屋が卸さない。
小生、へそ曲がりなもんで、寡黙な主役を演じたラッセル・クロウ(これでアカデミー賞男子主演賞を獲得)よりも、その敵役を演じたホアキン・フェニックスが大変気に入った、確かに少々クサイ演技もあるにせよ。最初から最後まで憎たらしさが横溢していたのは見事だった。
しかし、リドリー・スコットにせよ、ラッセル・クロウにせよ、はたまたホアキン・フェニックスにせよ、小生にとって、これが初めての出会いだ。つまり、小生の映画鑑賞は、1950/60年代が中心であり、近頃の映画は殆ど見ていないことになる。
ローマ時代を描いている映画として、例えば、 リチャード・バートンの「聖衣」(1953年)、
チャールトン・ヘストンの「ベンハー」(1959年)、カーク・ダグラスの「スパルタカス」(1960年)などがある。確か、「聖衣」は、横広がりになっているシネマスコープの第一作だったのではないだろうか。これらもみんな1950/60年代の映画だ。
アカデミー賞の作品賞と言っても、最近、小生が見た例で言えば、2018年の「シェイプ・オブ・ウォーター」がある。こんな駄作、愚作にアカデミー賞が授与されるなんてアカデミー賞の質が益々劣化して行く。この「グラディエーター」もご多分に漏れずその範疇を逸脱することはない。これで、小生、愈々、アカデミー賞なんて信用できなくなって来た。この興行の成功に味を占めて、「グラディエーター2」が作られたらしいが、この二番煎じであるならば、見る必要はないだろう。
最後に全くの蛇足だが、製作国は米国となっている。しかし、監督のスコットは英国、男子主演のクロウはニュージーランド、男子助演のフェニックスはプエルトリコ、女子助演(コモドゥスの姉役)のコニー・ニールセンはデンマークと言った具合に、主なところは米国以外の俳優によって占められている。
(編集子)率直に言って、スガチュー、よく見る気になったな! という感じである。小生、文中にある ”聖衣”、シネマスコープ第一号、を普通部の2年生の時だったと思うが、全学年の課外授業に映画見学、というのがあって、確か日比谷映画で見た。話がよくわからないまま、なんだか薄気味悪い映画だなあ、と思ったものだが、その後、今度は ”クオヴァディス” でこの種のスペクタクルがすっかり嫌いになった。よせばよかったのだが(これは大学になっての話)とどめに題名も忘れてしまったがカルタゴの戦いをどろどろしく描いたやつを、空き時間に5,6人で見に行って、辟易してしまい、以後、スガチューがあげている作品をふくめ、”ギリシャローマ時代プラスキリスト教がらみスペクタクル” は一切見ていない。なんせ、しつこいんだ、どれも。やっぱり万物、死んだら神になる、という我が国伝来の単純な信仰のほうががよろしいようで。
