今10月12日の昼前です。
つい先ほどまでテレビに釘付けで、Los Angeles Dodgers(以下「Dodgers」)がショナルリーグチャンピオンシップシリーズに進出するのを観戦していました。次の相手はNew York Mets(以下「Mets」)です。勝った方がWorld Series出場です。7戦4勝先取方式、日本時間の試合予定は10月/14,15,17,18,19,21,22です。大谷選手がいるDodgersに勝って欲しい思いと、長年のファンであるMetsに勝って欲しい思いが交錯していて、しばらくの間、落ち着かない気持ちの日々が続きます。
野球少年だった僕の夢は「大人になったらWorld Seriesを見に行く」ことでした。「英語でタンカを切れる人を求む」という求人広告を出したことがあるソニーの新卒募集に応募し、首尾よく採用されました。1961年4月入社式で覚えているのは、「これでアメリカに行く近道に立った」という思いです。当時の日本は外貨規制が厳しくて、個人の海外観光旅行は論外でした。
1967年夏にソニーアメリカに赴任し、当時としては長い7年間をニューヨークで過ごしました。New York Yankees球場に近いところに住みたかったけれど、職場に遠いので、Mets球場まで電車で10分の安アパートに住むことにしました。GiantsとDodgersがカルフォルニアに移ったためにYankeesだけの寂しくなったNew York市の反対側にMets球団が1962年に創設さていました。初年度勝率2割5分という超弱小球団で、その後も万年下位に低迷です。しかし、何度もShea Stadiumに通っているあいだにいつしかファンになり、”Let’s go Mets”に声を合わせるようになりました。創設8年目の1969年の前半もこれまで通りでした。ところが、夏場にトム・シーバー、クーズマン、ノーラン・ライアンを中心とする投手陣が強力になり、あれよあれよという間にトップに躍り出て、そのままリーグ優勝をしてしまいました。創立8年後の快挙で、”Miracle Mets”がファンの合言葉がになりました。
(注)「思いもしないことが起きた」というMiracleであり、「奇跡を起こした」というMiracleではありません。
ワールドシリーズではボルティモア・オリオールズを4勝1敗で破り、創立初のChampionになってしまいました。右翼手ロン・スオボダの超ダイビングキャッチに代表されるいくつものMiracle playがあり、”Miraclle Mets”が広く認識されるようになりました。いまでは日本のテレビでも、”Miraclle Mets”と呼ばれていますが、Miracle Metsの本当の意味を知っている者にとってはこそばゆい思いです。
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参考までに、MLBのリーグ編成とPlayoffシステムを要約しておきます。
MLBのリーグ編成:MLBには全部で30チーム(球団)があり、アメリカンリーグとナショナルリーグに15チームずつ所属している。各リーグは5球団ごとの3地域に分かれています。
Playoffの仕組(両リーグ同じ):次の4ステージがあります。
1.第一ステージ:WCS(ワイルドカードシリーズ)3戦2勝先取チームが次へ。
2.第二ステージ:DS(ディビジョンシリーズ) 5戦3勝先取チームが次へ。
3.第三ステージ:LCS(リーグチャンピオンシップシリーズ) 7戦4勝先取チームがWorld Seriesに出場する。
4.第四ステージWorld Series: 両リーグのPlayoff Championが試合をして、全30球団のPlayoff Championを決める。7戦4勝先取チームが優勝。