エーガ愛好会 (285)ガンズ・アンド・キラーズ (34 小泉幾多郎)

新聞TV案内10月9日(水)BS12欄に、「ガンズ・アンド・キラーズ」ハードリベンジアクション!と表示があり、調べるとニコラス・ケイジ主演、しかも2023年制作なので、まさか西部劇とは思わなかった。1964年生まれというから60歳になろうとして、初めての西部劇出演とのこと。こんな最新作がTV放映されるとは驚き。現在でも西部劇が制作されているだけでも驚き。最近の映画を観ていないせいか、監督ブレッド・ドノフーとか、ニコラス・ケイジ以外のキャストもスタッフも知らない人ばかり。

開巻すると現在は妻ルース(クリーク・ヌッペ)と娘ブルック(ライアン・キエ
ラ・アームストロング)と共に雑貨店を営みながら平穏な暮らしをしているコルトン・ブリッグス(ニコラス・ケイジ)が、20年前の1878年モンタナ州で、賞金稼ぎをしていたのか、悪名高き盗賊ウオルター・マカリスターの絞首刑に立ち会い、そのマカリスターの弟たちの襲撃を受け、その銃撃戦で、幼いジェームズ・マカリスター(ノア・ル・グロス)の眼の前でその父親まで殺してしまったのだった。

20年後穏やかな暮らしをしているブリッグス一家へそのジェームズ・マカリスターをリーダーとする四人組がやって来る。コルトンとその娘は学校へ送ることで留守中に、妻ルースは殺されてしまう。帰宅したコルトンは、先に知った保安官ジャレット(ニック・サーシー)から報告を受け、自重するよう促されるが、家に火をつけ、復讐に立ち向かう決心をする。此処から親コルトンと12歳の娘ブルックとの成長の物語と復讐劇が始まる。

コルトンは娘に自分の過去を語り、娘は過去と自分自身の強さに氣付き始める。娘は銃の扱いまでも伝授を受ける等して保安官や盗賊達との対立は二人の絆をよ
り深くする。最終対決では、ジェームズと彼の手下たちが、ブルックを人質に取り、コルトンを罠にかけるが、コルトンは冷静に狙撃の腕前を発揮して手下達を次々に倒して行く。娘の命を優先したコルトンは自らの命を捧げる覚悟を見せ、コルトンはジェームズに撃たれてしまうが、倒した喜びに浸るスキを突きブルックの銃が父の仇を討つ。ブルックは父の亡骸に寄り添い、新たな旅立ちを示唆するのだった。

最新の西部劇としての特色は何かあるか。冒頭の銃撃戦、最後の決戦等西部劇らしさは不動。復讐と赦しを求めるテーマ、親子関係たる家族の絆、自分と過去の向き合い。法と秩序の概念追及といったことが内在されてところが強調されていることが新感覚と感じた。ぶち壊せば、冒頭に妻一人を狙っての虐殺、仇がコルトン・ブリッグスと判っているのなら、何故本人がいる時に襲わなかったのか?本人を殺害してしまえば、復讐はなく、この映画は成り立たなかった。

**********************************************************************************

ニコラス・ケイジ のことです

カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。オーガスト・コッポライタリア系で大学教授兼作家、母ジョイ・フォーゲルザングはドイツ系のバレエ・ダンサー。兄(マーク・コッポラクリストファー・コッポラ)がおり、クリストファーは映画監督をしている。父方の祖父は作曲家のカーマイン・コッポラ、祖母は女優のイタリア・ペニーニ。叔父に映画監督のフランシス・フォード・コッポラ、叔母に女優のタリア・シャイア、いとこにソフィア・コッポラロマン・コッポラがいる。

ビバリーヒルズ高校中退。日本語学校に通っていた経験があるため、日本語がある程度話せる。映画でもしばしば披露する他、来日時には日本語で挨拶することもある。