漢詩ぶらぶらー白髪三千丈    (36 坂野純一)

3月にここ10年ほど高校の友人との文通の中でまとめた「漢詩ぶらぶら」という 中国詩の上古から唐代末までの漢詩を本にして見ました。
その後、長編詩、李白の「古風」の原詩、読みくだし、邦訳をパソコンに
打ち込んでいましたが、最近 葛飾北斎の挿絵を付けた「唐詩選」を見つけ
現在 入力中です。原詩、読みくだし、邦訳は終わったのですが、その後
識者の解説、自分の感想をつけるとなるといつ出来上がるか見当がつきません。
折角の機会ですから二首ほど紹介します。(原詩と読みくだしのみ

張九齢「照鏡見白髪」
宿昔青雲志      宿昔 青雲の志
蹉陀白髪年      蹉跎たり 白髪の年
誰知明鏡裏      誰か知らん 明鏡の裏
形影自相憐      形影自ずから相憐れまんとは


李白 「秋浦の歌」
白髪三千丈      白髪 三千丈
縁愁似箇 長     愁に緣りて 箇の似く長し
不知明鏡裏      知らず 明鏡の裏
何處得秋霜      何れの処にか 秋霜を得たる

どちらも五言絶句のかたちです。

なぜこんな句を選んだかといいますと
毎朝 洗顔時に鏡を見ると日毎に皺が増え、髪が少なくなって行くのが
なさけなく、歳をとったなということを実感するからです。 俺達、私達はそうではないと言われることも信じても居ます。