“それぞれタウンウオーク”(1)  日吉キャンパスの現況   (42 下村祥介)

「高尾の天狗」、調布で飲めるとは奇遇(?)ですね。ご夫妻ともどもお元気の様子で勇気づけられます。

先日、天気はあまり良くなかったのですが、気晴らしに日吉のキャンパスを散歩してきました。日吉駅からキャンパスに向かって真正面に見える銀杏並木は例年より半月ほど早く緑にあふれ、すがすがしい気分になれました。

残念ながら教室のあるエリア一帯は柵で仕切られ、ゲートには守衛さんがいて検温チェック。OBと言えども中に入れず、少しがっかりでした。まあ、不要不急の散歩だから仕方ありませんが・・・。通常なら多数の男女学生で賑わっているキャンパスもオンライン授業のためか学生の姿はほとんど見られず、咲いているつつじの花も少し寂しげでした。

エーガ愛好会 (60) パリは燃えているか   (44 安田耕太郎)

パリは燃えているか」は、1944年連合軍のパリ進撃で敗色濃厚となったドイツ軍パリ占領司令部へアドルフ・ヒトラーが電話で発した言葉として知られている。それと同じ題名の映画のみならず、同じ題名だが映画主題曲とは異なる楽曲も聴いて見た。オーケストラ演奏の序曲が流れたあと、冒頭にヒトラーが登場し、パリ占領のドイツ軍司令官として任命した赴任前の部下に、撤退する時はパリを焦土にせよという命令を下す。そこでタイトルが出て、重厚なテーマ曲とともに風前の灯となったパリの風景とパリ・シャンゼリゼ大通りを凱旋行進するドイツ兵の姿が映し出される。素晴らしいオープニングだ。映画の主題は、「パリ爆破計画はいかに回避されたか?」と言ってもよい。

ポーランドへ侵攻して第二次世界大戦の口火を切ったナチスドイツは、1年を経た1940年夏にはパリに達し、以後4年間に亘り占領統治する。パリがドイツに占領されるのは歴史上2回目。最初は普仏戦争で敗れ、プロシアに占領された(1871年)。映画「史上最大の作戦」で描かれた1944年6月の連合軍のノルマンディー上陸作戦とそれに続くベルリンへの進攻(途中のオランダにおける激戦を描いた映画が「遠すぎた橋」)、更にはロシア・スターリングラードで敗北したドイツは一気に敗戦への坂を転げ落ちて行く。一方ドイツ占領下のパリでは、地下組織として潜伏するレジスタンスたちが、ドイツ軍の士気が低下している隙に活動を活発化し、連合軍の到着を待ちながら総決起の準備を進めていた。

約80年前の歴史的事実を描いた映画という点では「史上最大の作戦」「遠すぎた橋」と同様、ストーリー展開に特別の目新しさはないが、フランスにとってはフランス革命にも匹敵するであろう歴史的出来事を忠実に淡々と積み上げていく。従って、総じて、登場人物を掘りさげるとか、人間ドラマを深く描くわけでもない。豪華スターを集めた作品なので、“スターの顔見せ”風の傾向は否めなく、出演者が豪華な割には彼らすべての魅力が充分に活かされているわけでもない。この類の映画では致し方ないのであろう。だが、全体として違和感はなく、実写フィルムも加え、どちらかと云えばドキュメンタリー風であるし、まるで記録映像のようにも鑑賞できた。

連合軍側による劇的な “パリ解放” に至る歴史的事実を、戦後大統領となったドゴールの一派(幕僚役アラン・ドロンが活躍)、自由フランス軍、レジスタンス、連合軍、市民、ドイツ軍のそれぞれの様子と行動、及び彼等相互の絡みを交えて描いている。監督は「禁じられた遊び」「居酒屋」「太陽がいっぱい」の巨匠ルネ・クレマン。「ゴッドファーザー」の演出監督として知られる、若きフランシス・コッポラが脚本を担当した。音楽は前年1965年の「ドクトル・ジバゴ」、1962年の「アラビアのロレンス」の主題曲を作曲した鬼才モーリス・ジャールが担当。戦争映画には似つかわしくないワルツの音楽を採用したのは粋で憎い! 因みに、1966年に公開された洋画は、「ネバダ・スミス」「動く標的」「男と女」「引き裂かれたカーテン」「ミクロの決死圏」「天地創造」「続・夕陽のガンマン」「野生のエルザ」などがあった。

米・仏合作のパリを舞台にしたルネ・クレマン監督作品でもあり、フランス人豪華キャストの顔ぶれが凄い。二人のスター俳優「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンと「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモントの珍しい共演アラン・ドロンは17歳の時にインドシナ(ヴェトナム)戦線に志願して従軍(20歳まで)したことがあり、こういった戦争映画は得意なはずだ。「恐怖の報酬」「さよならをもう一度」のイヴ・モンタンは、「嘆きのテレーズ」「悪魔のような女」の妻シモーヌ・シニョレと夫婦共演。「ガス燈」のシャルル・ボワイエは往年の二枚目の面影は消えたが渋い演技は健在、「足ながおじさん」のレスリー・キャロンはバレリーナ出身だけあって立ち姿が綺麗で、容姿も素敵だ。アメリカからは、パットン将軍役を演じた、「スパルタカス」「OK牧場の決斗」のカーク・ダグラス、「市民ケーン」「第三の男」のオーソン・ウェルズ、「ミッドウェイ」のグレン・フォード、「サイコ」のアンソニー・パーキンス、「ウエスト・サイド物語」のジョージ・チャキリステレビシリーズ「アンタッチャブル」のエリオット・ネス役ロバート・スタックなど(挙げた「鉤括弧内」の映画は既観の代表作品)。

主役級の役割を果たす、ドイツ軍パリ占領司令官役の西ドイツ俳優ゲルト・フル―ベ は 、「007ゴールドフィンガー」のゴールド・フィンガー役で、その存在感は際立っていた。ふてぶてしさの中に人間味が滲み出ている。中立国スウェ―デンの領事役オーソン・ウェルズの貫禄ある演技も光った。全編に登場するオールスターキャストを見ているだけでも楽しめる映画だが、惜しむらくは撮影時には出演者それぞれの母国語(仏語・独語・英語)でセリフを言っていたが、アメリカ公開版の際に全て英語に吹き替えられたそうであろ。日本で観れるのはアメリカ公開版なので、アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモントが英語で話しているのはやや興覚めではあった。

ドイツ軍はヒトラーの命令通り、エッフェル塔などの文化遺産や主要な橋やインフラ設備などパリ市内の至る所に爆弾をしかけていた。パリ郊外に迫る連合軍の進撃を阻止するための “パリ焦土化計画”と、これを食い止めようとするレジスタンスたちの熾烈な攻防戦だ。これに連合軍の侵攻の過程が刻々と挿入され、クライマックスはパリの大市街戦へとなだれ込む。ドイツ占領軍司令官は中立国のスウェ―デン領事(オーソン・ウェルズの勧めに応じて、レジスタンスと休戦協定を結び、連合軍の侵攻までパリ破壊を引き延ばす時間稼ぎをする。彼がパリの破壊を遂行しなかったのは、単なる博愛精神だけでなく、すでに敗北を悟り、戦争犯罪人として裁かれ歴史に悪名を刻まれる屈辱を避ける狙いもあったのかも知れない。彼にはヒトラーは狂っているとしか思えず、人類の財産と云うべきパリの破壊を回避した。部下が「美しい町ですね」と語りかけ、司令官は「我々は軍人としてここにいて、観光客ではないのだ」と応えるシーンが印象的だ。この司令官の勇気ある決断が、全人類の世界遺産花の都パリを救ったかと思うと感慨深い。狂気が支配する戦争において、それを抑える理性が存在した事実は知っておくべきであろう。


ドゴール将軍と群衆がシャンゼリゼ通りを凱旋パレード(実際の映像)

連合軍のパリ入城に熱狂するパリ市民、国歌「ラ・マルセイエーズ」を大合唱する群衆、ナチスの鉤十字ハーケンクロイツの旗を引きちぎる群衆、4年半ぶりに鳴り響くノートルダム寺院の鐘の音、罵倒されながら群衆の中を逮捕され連行されるドイツ占領軍司令官・・・、映画の最後の大団円は歴史の事実を強烈に描いている。そして、司令官が逮捕され誰もいなくなった司令部の受話器からはヒトラーの「パリは燃えているか?」と問い合わせ続ける声が響いていた。

エンドロールで、これらの生々しいパリ解放の場面から、現代(1960年代)のパリへとシフトしていき、上空から街並みを俯瞰してカメラが捉え、モノクロの映像がカラーに切り換わる幕引きは、本当にパリという美しい世界遺産の街が戦禍を免れて良かったなという余韻に浸ることが出来た秀作であった。余談だが、映画がモノクロになったのは、黒と赤のナチスの旗ハーケンクロイツを映画撮影で市内に掲げることを当局から断固拒否され、仕方なく旗を灰色と黒に替えて撮影したのでモノクロ映像になったという。結果として実写フィルムとも違和感なくマッチして第二次世界大戦当時の雰囲気が醸し出されていると思う。

続いて楽曲について。欠かさず観たテレビ番組にNHKスペシャル「映像の世紀」(The 20th century in moving images) がある。印象的なテーマ曲は「パリは燃えているか」。映画と同じ題名であるが、モーリス・ジャールではなく、加古隆の作曲による異なる楽曲である。彼は東京芸術大学作曲科卒業後、パリ国立高等音楽院に学んだ作曲家・ピアニストである。1995年にNHKスペシャル『映像の世紀』の音楽を担当し、テーマ曲の「パリは燃えているか」は大きな反響を呼び、加古の代表曲となる。パリに永年留学した加古は、この曲をヒトラーのパリ壊滅命令を無視し、街を救ったドイツ軍司令官のエピソードにヒントを得て作曲した。戦争に翻弄された20世紀と人間の運命への思いを込めているという。

ワクチン接種は積極的に!  (34 船曳孝彦)

入院中でしたので、有力な情報は入っておりませんが、コロナの現況について一言発信しておきます。

前報で危惧していた通り、第4波となってきています。あの時点での緊急事態宣言解除がとんでもない失敗です。大阪では爆発的蔓延に(まさにパンデミックに)発展しそうな気配です。東京周辺もおっつけ大阪を追うことになるでしょう。各種の変異型ビールスが主役となり、強い感染力を持っていますので、蔓延防止策が採られようが、緊急事態宣言が出されようが、関係なく我々自ら最大限の注意をしなければなりません。怖ろしいことになりそうです。

「俺は(私は)未症状感染者かもしれない」「友達と言えども感染者かもしれない」と覚悟して行動することです。3密は避け(人込みに加わることは絶対避けてください)、アルコール会食は自粛し、マスク会食(現実には無理でしょうと思っています)などより、外出時には頻繁にマスクを替える方が、より効果的であろうと思います。

遅れに遅れていますが、ワクチン接種が、医療従事者の大部分をすっ飛ばして、高齢者への接種が始まりました。皆さんにもし順番が来たら、副反応だ、アナフィラキシーショックだのと言ってないで、是非お受け下さい。私の目から見て怖い副反応が頻繁に起きているとは思えません。世界の先進国中最下位に近いワクチン民度の低い日本人に、医学的に判定できない程度の副反応を大袈裟に取り上げているマスコミに踊らされて世の中騒ぎ過ぎです。心配しないでください。ちゃんと安全に接種できたと確認するよう手配されています。私も自分が入院などにならなければ、ボランティアで接種のお手伝いをしようかと思っていましたが、消えてしまいました。

山を愛してきた皆さん。それでもこの自粛、自粛の世に圧し潰されてしまわないよう、賢く生きてください。ヒトのせいにせず、賢く自分で判断してください。私は山歩き自体には何の危険性もなく、山道となればマスクも不要と思っています。ゴルフ場もそれに準ずるでしょう。キャディさんに迷惑の掛からないようお気遣いしてもらうのも大切です。きれいな空気を胸いっぱいに吸い、精神的にもおおらかさを回復したいな、と思っています。しかしこの時期、4人位の少人数で行動しませんと、世間もうるさいですから、人数にはお気を付けください。打ち上げはやはり自粛でしょうな。KWV三田会会員から一人も感染者を出さないようにしましょう。

高尾の天狗 !

”月に一回、せめて高尾山くらい行かねえか” と36年同期仲間で半ば冗談半分ではじめた ”月いち高尾” もすでに10年を超えるロングライフプログラムになった。言い出しっぺのいわばファンディングメンバーは参加者が拡大したこともあり、10年を機会に幹事役を堀川・奥沢コンビに託した。彼らの献身的な幹事役のおかげでこの企画は KWVOB会有志 のひとつの絆として定着した感がある。

このワンデルングの当初から、その日の打ち上げとして定着したのがJR高尾駅南口にある中華料理店 天狗 である。実は36年同期が幹事役を仰せつかった秋のワンデルングで使った居酒屋が感じがよかったのでそこを予定して行ったところ、なんとその店は閉店していてその隣にあった、はっきり言えばあまりさえないこの店に仕方なしになだれ込んだ、というのがきっかけだ。店も別に綺麗げということもなく、台湾生まれのオーナー夫妻はぶっきらぼうだが料理はうまいし居心地も悪くないのでいまや 月いちW不可欠のエレメントになっている。

一昨晩、夫婦で家のそばにある、10年来の行きつけである釜めし屋に行ったところ、新しく取り寄せた日本酒の大きな広告に対面して、文字通りの出会いに大きに喜んだ。あまりまだ街中の店では見ないが、これからは仲間うちの必需品になりそうな気がする、やや甘口、である。小生には耳新しい醸造元で、最近はこのギョーカイもでいりが多くなってきたが、ぜひ長続きしてほしいものだ。

(36 高橋良子)

ジャイさま
私のおすすめ。「高尾山」 やや辛口。あきる野市牛沼 中村八郎右衛門。

 

錦糸公園の夜桜      (普通部OB 船津於菟彦)

新型コロナウィルス蔓延旋風は収束は見えず、医療関係者のご努力で日本の死者は世界でも少なく、蔓延も何とか抑えられています。
医療関係者に励ましと御礼で東京はブルーの色で示しています。ここ錦糸公園のサクラのライトアップも今年はブルーです。

エーガ愛好会 (59)  ネバダ・スミス

(久米)「ネバダスミス」の感想が西部劇ファンの小泉さんからまだでてきませんがきっと書いてくださると楽しみにしております。

監督、ヘンリーハサゥエイ(勇気ある追跡も同監督の作品でした)そして、私のお気に入りのスティーブ・マックウィーンがニヒルに格好よく主人公を演じていました。この映画は随分前に見ていたのですが見直してみると印象が随分変わってきました。カール・マルディンの悪役も珍しい、そしてラフ・バローネの神父役はもっと珍しいと思いました。マックウィーン演ずるマックスが拳銃さばき、読み書きなどを習得したりしていきながら両親の復讐を遂げるまでにはキリスト教の教えを諭す神父に出会ったりしながら成長していく姿をマックウィーンならではのニヒルでスマートな身のこなしで最後までハラハラドキドキとした映画でした。昔見たからもう見直さなくてもいいかなと思ってはいけないと感じさせてくれた映画でもありました。

(小泉)三人の男に白人の父とカイオワ族の母を虐殺された息子を演じる若きスティーブ・マックイーンが、自宅を焼き、ロードに出る復讐劇。復讐するには世間知らずで、実力も教養も足りない若者が、軽い身をこなし格好良く荒野や渓流を進み旅をしながら成長して行く様子が何とも気分よく観ることが出来た。

そのマックイーンを育てる立場の人、復讐される悪人たちが、脇役ながら風格ある演技者たちが演じているので、だらつかない作品だった。前者では、銃商人で、ガンさばきのイロハと処世術を教えるブライアン・キース、復讐と許しある尊い生き方を教える牧師ラフ・バローネ。後者では、第一の仇酒場のカード配りマーティン・ランド―、沼地の刑務所に服役中の第二の仇アーサー・ケネディ、第三の仇である駅馬車強盗の頭カール・マルデンと役者が揃う。女優陣も、美しく心優しい美女の面々が、顔を揃える。第一の仇の妻役ジョアンナ・ムーア、カイオワ族の娘ジャネット・マーゴリン、第二の仇共々監獄からの脱出に協力するスザンヌ・プレシェット。しかし女性蔑視的描き方が気になった。この美女たちとの行きずり関係はある程度致し方ないとして、監獄での描写で、女性が団体で、囚人の宿舎に入り込んでいく場面や、逃走に協力させたプレシェットが毒蛇
に噛まれ瀕死の状態を知りながら捨て去っていくマックイーンの冷たさ。もう少し描き方に工夫があっても良かったのでは?

(久米)小泉さんの女性蔑視の件につきましては同感です。昔の西部劇を観ていますとインディアンに対する姿勢も今となってはとても受け入れ難い描き方が多くあるように感じます。
スティーブ・マックウイーンの映画では女性蔑視の最たる映画、それでも私は
大好きですが「ゲッタウエイ」ではないでしょうか。妻に対して物凄い勢いで張りビンタを繰り返します。ワーこれは今では受け入れられない映画だなと感じます。女を自分の目的を達成する為の道具にしているとしか思えない男をマックウイーンが演じています。それでも妻は彼のことが好きでついて行くのです。そして私も彼が好きで映画を見てしまいます。

「ゲッタウエイ」はアレック・ボールドウインでリメイクされましたが迫力が雲泥の差でした。ちなみに映画でスティーブマックウインに殴られ続けていた女優さんはこの共演の後、マックウイーンと結婚しているのですから笑い話にもなりません。

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この映画、億万長者ハワード・ヒューズをモデルにしたハロルド・ロビンスの小説を映画化した「大いなる野望1964」のいわばスピンオフ作品とされる。”大いなる野望(The Carpetbaggers)は、エドワード・ドミトリクが監督した1964年のアメリカ合衆国の映画で、ハワード・ヒューズを大まかなモデルとした、ハロルド・ロビンズのベストセラー小説『大いなる野望』に基づいて制作された。ジョナス・コード・ジュニア役でジョージ・ペパードが主演し、アラン・ラッドが西部のガンスリンガーで、後に俳優になったネバダ・スミスとして出演した。アラン・ラッドはこの映画が最後の出演作となった。この映画は1960年代のセクシャル革命としての画期的な作品となった。小説で度々描写されていたように、映画にも男女間の包含や当てこすり、そしてサディズムが含まれていて、当時の他の映画よりも進歩的であった(ウイキペディア)

(編集子)本編とは離れるが、上記 大いなる野望 のジョージ・ペパードはお気に入りの一人である。。いろんなテレビシリーズもあるが、ジャック・ヒギンズの名作 狐たちの夜 が何といっても良かった。最近テレビで放映の トブルク戦線 ではロック・ハドソンよりも印象的だった。役柄として能力にあふれているがトップには立たない、その在り方をいつも客観的というか冷笑的に見ている、というようなものが多かったように思っている。

 

ヘイトクライム記事について   (HPOB 五十嵐恵美)

Giさんから、「ブログ、目を通していただいて、コメントやカリフォルニアでの事情など、お知らせいただければ幸甚です」とのメールをいただいた.最近、米国各地で起きている様々な人種に関係する事件の一つにジョージア州にあるマッサージ・パーラー3カ所で、8人が殺害された事件がある.その死者の6名はアジア系女性(うち4名は韓国人女性)だったそうだ.この報道は日本でもされたらしく、従妹から「そちらは大丈夫?」と心配する電話をもらった.サンフランシスコおよびロサンゼルス都市部の状況は当地シリコン・バレーと違う.このブロッグではシリコン・バレーの様子を中心に「米国における偏見」に関して思いついたことを書いた.

8名が殺害されたGeorgea州マッサージ・パーラーの一店舗

 

人種差別はアメリカの歴史

https://en.wikipedia.org/wiki/Racism_in_the_United_States

米国における人種差別は今にして始まったことではない.それも有色、黄色人種に対してとは限らず、対ユダヤ人、カトリック教信者、そして9/11以降は中近東諸国からの移民、イスラム教信者への偏見、またペッキング・オーダーごとく、対アイルランド人、ポーランド人、イタリア人、ドイツ人、プエルトリコ人、韓国人、等々を含む新しい移民への人種差別も存在する.

シリコン・バレーの様子

当地シリコン・バレーの状況はと言うと、余りこれに関したニュースは聞こえてこない.シリコン・バレーの生産業はすでに斜陽で、工場はほとんど多郡、他州に移転してしまい、工場労働者数は激減、また黒人が少ない.黒人の人口が多いオークランド市、サンフランシスコ市(中華街が大きく中国系の高齢者の数も多い)でのヘイト・クライムは増加、それに対応する地域の活動家も多いという.KPIX、 CBC系の地元テレビ局、によるオークランド市での人種差別反対のデモ中継は中国人のデモ参加者のインタービューも交えてその様子を伝えている.https://youtu.be/qk0w-Vg8W1I

シリコン・バレーでハイテクに従事する人たちの人種は多様で、米国人以外のヨーロッパ出身の白人も含め、中国人、インド人、イラン人と外国人の割合は高い.米国外で生まれたシリコン・バレー住民は約38%.知的有職者の多くがエンジニア、技術系で、彼らは一般的に「社会的思考」型ではなく、学歴レベルは高く、平均年収は約$150,000(2020)、仕事優先の「自分本位」タイプで、他人のことはあまり構わない集団である.外国人が多いこともあり、シリコン・バレーでは今回のような都市部で多数見られる「アジア人に対する偏見、暴力」はあまり聞かれない特殊な地域である.

Population Share by Race/Ethnicity

シリコン・バレー住民の人種別割合(2019)

https://siliconvalleyindicators.org/data/people/talent-flows-diversity/racial-and-ethnic-composition/population-share-by-race-ethnicity/

 アジア人(35.3%)、白人(32.7%)、ヒスパニック系(24.7%)、黒人(2.3%)、その他(4.9%)

コロナ禍の中、パロアルト市の「銀座」ユニバーシティー通りにテーブルを並べたレストラン

メンロパーク市「目抜き通り」入車禁止のサンタ・クルーズ通りのレストラン夜景

 ベイ・エリアの低所得者と超低所得者の実態

2020年9月21日付けで「Who Is Low-Income and Very Low Income in the Bay Area? ベイ・エリアの低所得者と超低所得者の実態」と題して、収入の差を人種別に解説した記事がある(https://bayareaequityatlas.org/node/60841).ベイ・エリアはサンフランシスコ、オークランド、シリコン・バレーを含む、人口約700万人のサンフランシスコ湾の湾岸地域を指す.現在のベイ・エリアの差別問題は「Equity、資産」の差から発生していると示唆している記事で「所得を対象とした政策は(特に黒人とヒスパニックに対する)住宅における人種平等を促進し(彼らは賃貸家屋に住んでいる場合が多いため)、人種を意識した差別禁止政策も必要だ」と結んでいる.ベイ・エリアの差別は一般的に、知的専門職を持たない低所得の黒人とヒスパニックの生活に影響する差別であり、それに対して特に政策はなく、貧富の格差は増す傾向にある.

国民、国家の安全に関して

日本に目を向けると、大分以前に「日本人は水と安全(Security)はただ(Free)だと思っている」と言った作家がいた.近年、中国(人)が北海道の水権を土地と共に買い続け、最近は基地周辺の土地を買い始めたと聞いている.それに関して某政党が「私権制限との批判を招きかねない」として慎重姿勢を強め、政府は国会成立を目指すが、既に閣議決定は見送られ、提出そのものが不透明になりつつあるという状況を知り(JIJI.COM)驚いた.

コロナ禍の長期化に伴い現在米国で起こっている「暴力」「差別」「ヘイト」の多くは恐らく職を失った(あるいは職に就けない)人々のフラストレーションに起因している部分もあると思う.結論を急いでいるわけではないが、最近の諸々の人種に関する事件、反人種差別の活動は、現在アメリカがひとつの大きな時代の変化のスタート地点に立っている現象のようにも見える.全米がシリコン・バレー化するとは思えないが、少なくともシリコン・バレーは世代を先取りしているひとつの社会モデル、パラダイムであるということは確かである.コロナ禍を機に、欧米では明らかに中国けん制が始まり、国民の「健康」「身の安全」をも含んだ、多様な意味での “Security” に重きを置いた舵取りが始まった動きが見える.

 

オーディオ装置の話  (普通部OB 船津於菟彦ー44 安田耕太郎)

(船津)安田君のオーディオ論について

五味康祐はギョーカイでは有名なオーディオ評論の巨人でした。僕も彼の著書を愛読しました。泰斗ぶりは半端ない達人でした。剣豪小説家らしく、製品や演奏を首斬り山田浅右衛門の如く、小気味良くぶった斬っていました。タンノイ、ワーフデール共にイギリスの名門スピーカー。

Westminster Royal GR

タンノイは僕が勤めた会社が一時期子会社として傘下に所有していて、五味も愛用していました。工場はスコットランド・エジンバラ近くにあって現役時代訪問したことがあります。クラシック音楽向き、特に弦楽器が素晴らしいスピーカーです。

ジャイと同じで「今日のピアノよかったねーぇ」と言われても生返事「絶対音感」なんて言う物からほど遠いのですが、音よりも「メカ」大好き。オーディオの雑誌は結構高いのですが毎号買っていました。やーぁジャズを聴くならJBL、クラッシックならタンノイとか。カッコに釣られてデンマーク製のバンクアンドオルフェッセンのスピーカーとかイヤフォンを買いましが今も手元にあります。

五味康祐がでかいタンノイでクラッシックを聴いて色々な批評を書いていましたが、オーディオの装置は際限ないぐらいお金かが掛かりますよ!ケーブル一本でもこんなのがこんな値段というグワイ。電源も別に撮るとか!安田君の会社のPRにのせられて、巨万の費用を費やした人数知れずでしょうね。

(安田)

オーディオ狂と云われている人たちも「絶対音感」など持ち合わせているのは極僅か、或いは殆どいないかもしれない。絶対音感を持ち合わせている人は、大多数が幼少の頃から音楽を聴き、楽器を弾いていた人たちであろう。そういう人たちは楽器を演奏する悦びが、オーディオで音楽を聴くより遥かに大きいはずだ。オーディオマニアの大多数はオーディオ機器キチである確率が高い。自らの装置で聴く音楽を、ああでもない~こうでもない~、とよく云っている。昔は可処分所得をオーディオに費やす人が沢山いて、その業界で飯を食べていた僕らにとっては神様のような人たちであった。その傾向は随分昔に廃れてしまい、日本のオーディオメーカーも殆どが廃業か身売りに追い込まれてしまった。

一世を風靡した日本のオーディオメーカーも消え去るか、外資に買収された。アカイ、サンスイ、トリオ(ケンウッド)、パイオニア、ナカミチ、オンキョウ、デノン、マランツ、ティアック、ラックスなどだ。大手家電メーカーも昔(70年代以降)は傘下にオーディオブランドを有して市場を賑わせまたが、ほとんどが消滅した。オプト二カ(シャープ)、ローディー(日立)、テクニクス(松下)、オーレックス(東芝)、ダイヤトーン(三菱)、オット―(三洋)などである。ソニーもオーディオの分野では昔日の勢いは全くない。

僕の務めた会社はハーマンさんとカードンさんが70年前に創立した会社で会社名も製品ブランドもハーマンカードン(Harman Kardon)といった。アンプ製造が経営基盤だった。HPの(ヒューレット・パッカード)二人の共同創業者と異なり両雄並び立たずでハーマンさんが会社を所有して会社名をハーマンインターナショナルに変更。この親会社の傘下に次から次にJBL、タンノイ、オルトフォン、マーク・レビンソン、インフィニティ、スチューダー、AKGなど10数社の子会社を所有するオーディオに特化した業界世界最大の企業に変貌。勿論ハーマン・カードンも存続。70年代後半、カーター大統領時代にハーマンさんは商務長官に抜擢され、会社は他のコングロマリットに売却され、創業者を失った会社は不安定であった。新しい親会社の傘下にはスーツケース・かばんの「サムソナイト社」もあり、僕はハーマンとサムソナイトのアジア担当として、全く異なる業界製品を一人二役で取り扱うなどした時期も。コロラド州デンバーにあるサムソナイト工場でスーツケース・鞄製造の10日間研修を受けたこともあった。

カーターの次にレーガンが大統領に就任すると、民主党員のハーマンさんはビジネスの世界に戻り、売却していた会社を買い戻し、暫くしてNYの株式市場に上場。ハーマンさんの奥さんは下院議員を務め、夫婦そろって知られた人たちだった。10数年ほど前、ハーマンさんは他界したが、ワシントンD.C.でお別れの会があり、出席した。会場は彼の名前を冠したコンサート・ホールHarman Hall(カーネギーホールの類)で、数名の人が故人を偲んで挨拶したが、最初に登壇したのがクリントン元大統領でビックリした。グリーンスパン元FRB議長、オルブライト元国務長官、ワシントンポスト紙社主などそうそうたる顔ぶれであった。途中のインターバルではヨーヨー・マのチェロ演奏といった具合でセレブのお別れ会を経験した。

NY株式一部市場に上場されていた会社と言えどもカリスマ創業CEOが他界したとなれば、経営陣にオーディオ業界と無関係なビジネススクールMBAを持ったいわゆる「プロ」の経営者が乗り込んで来て、財務諸表重視と株主優先策の全く面白くない会社になった。オーディオが一世を風靡した60年代~80年代と打って変わって、従来のオーディオ製品だけでは食っていけない時代となり、会社も多角化を余儀なくされ、業界は弱肉強食、そして変化に適応できない会社は消えていった。。8年前に退職したが、良い時期に足を洗ったと思っている。

Project Everest DD66000
日本国内定価:660万円(税込ペア)

ワンダーフォーゲル部出身で山好きが昂じて、JBL製高級スピーカー開発に当たり、僕の主導で最高級製品に「エベレスト」と、2番手の製品には「K2」と命名した。それぞれ1本、定価3百万円、2百万円する。現在でも世界中で販売されている。JBL製品には昔「オリンパス」(Olympus ギリシャにある信仰の山)という高級スピーカーもあった。

確かにオーディオ製品は高額だ、世間の常識に照らせば異常だ。アンプでも一般家庭用の電気は電圧も90~100Vで安定していないので、電源ノイズの除去や電圧の高度の安定化を計るため高級アンプには電気を整流するトランスを内蔵している製品が多くある。百万円、2~3百万円の製品もザラだ。ケーブルも蛇のような太さで何十万~百万円超えの製品まである。繁栄が長続きする業種ではない。今はそれらのメーカーは細々と粗利益率を高くして稼いで食いつないでいる。ハーマン社は車載、業務用(映画館など)、民生用、家庭用と多岐市場に進出して成功した数少ない会社の一つとなった。今ではハーマン社の最大の顧客はトヨタ自動車。トヨタ・レ

No32L プリアンプ
国内定価: 320万円

クサス車載オーディオ(ブランド付き)を一手に引き受けており、顧客リストにはベンツ、BMWも続く。自動車会社の付加価値高騰戦略と合致したwin winの結果である。

オーディオの音源もアナログレコード盤、テープからCD,そして今ではデジタルへと便利・廉価になった。趣味性が薄れてきたのは確かである。ヘッドフォン、イヤフォンも台頭、Bluetoothでワイヤレスで音楽を聴くマルチメディア全盛の時代になってなって来ました。オーディオ製品が「Commodity化」(日用品化)されてきたと時代になったのである。

(編集子)ここに紹介されたのが世界トップクラスの ピン ならば、小生ここ10年飽きずに使っている自作品は材料費(多分)3万5千円の キリ である。申し訳ないがスピーカーはその後廃業してしまった国内企業製。スイッチを入れて真空管が温まるまで待つ、その感覚が何とも言えないのだが ー 現代人には受け入れられないだろうなあ。

 

米国におけるヘイトクライムの実情 (普通部OB 田村耕一郎)

米国では、最近、「アジア系市民」への「ヘイトクライム(増悪犯罪)」が深刻な問題となっています。米国の中西部、「インディアナ州」にお住いのMIさん(商社マンOB)から、その実態と背景をご報告いただきました。一部をご紹介します。

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ここに来て、アメリカではアジア人に対する差別問題がクローズアップされています。今日(3月31日)も、ニューヨークで、アジア人女性が暴行されているニュースが流れました。

私の住む町ではその様な事件が起こったこともなく、全く意識さえもしないのですが、都市部では増加傾向にあります。そして、アジア人に対する暴行事件の多くが、白人だけでなく黒人の人たちによって行われていることです。差別される者が、他の者をまた差別するという構図になっていることを悲しく思います。

3月16日にアトランタの韓国人が経営するマッサージパーラーで起こったシューティング事件は、一種の ASIAN HATE 及び HATE CRIMEと思われることから、シカゴ総領事館から3月17日付で在米日本人に、「アジア系市民に対する嫌がらせ等に関する注意喚起」という通達がありました。この通達は全米の領事館から出ています(原文添付)。

3月23日には、米国と中国の政府間会談がアンカレッジで行われましたが、その会談は米中の対立を浮き彫りにしました。米中の対立が今後先鋭化して行くと、中国人に対する HATE CRIME が増加するかも知れません。一方、白人や黒人の人たちには、アジア系の人種を識別できないことで、日本人も巻き添えを食う危
険性が増すことになります。

インディアナ州の南部に住む私の友人の息子さんが通っている学校で既にASIAN HATE の事件が起きました。もう二週間前のことですが、中国人の女の子が、他の生徒から「アジア人、アジア人」と揶揄されたのです。その場に先生は居られなかったのですが、その友人の息子さんや他の数人から事件の報告を受けて、学校側はその中国人の女の子に何があったかを聞いたのですが、彼女は何も無かったとしか答えませんでした。しかし、学校は他の生徒からの情報をもとに対応を検討する会議を持ったとのことです。トランプ大統領の四年間で、BLM運動が起こるほどに黒人への差別が表面化しましたが、黄色人種に対する差別も多かれ少なかれ存在したことはなんの不思議もありません。

今後中国が大国となりアメリカと互角又は凌ぐような力を持つようになれば、その昔(19世紀後半から20世紀前半)起こった「黄禍論」が(当時は日本に対してでしたが)、今度は中国に対して再燃することが容易に考えられます
人種差別は、主に教育レベルの低いそして低所得者層の白人の人たちが中心となっています。学校における子供たちの差別もまた、彼らの親たちの差別をそのまま反映していると言えます。レベルの低い白人の人たちは、経済力も能力も何も無いがゆえに、ただ白人ということにすがって他人種を差別することで優越感を持とうとするのです。白人の間にも階級社会が形成されていて、教養の無い底辺の人たちに、「立ち上がれ」と呼びかけたのがトランプ大統領です。トランプ大統領は、Anti-ducation さえも訴えかけました。

そうした差別を感じる「白人」は「黒人を」、そしてアジア人を差別し、「差別を受けた黒人」が、また差別の矛先を「アジア人」に向けています。こう言った差別の連鎖がこれ以上深刻化しないて収まってくれることを願ってやみません。

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From: 在シカゴ日本国総領事館 <chicago@mailmz.emb-japan.go.jp>
Sent: Wednesday, March 17, 2021 6:55 PM
To: inoue-m@msn.com <inoue-m@msn.com>
Subject: アジア系市民に対する嫌がらせ等に関する注意喚起

全米において、アジア系市民に対するヘイトクライムやハラスメントが発生しており、在留邦人の方が当事者となるケースも確認されています。今後も根拠のない情報に基づいた個人的偏見によるヘイトクライムやハラスメントがアジア系市民に向けられる可能性があることから、未然に危険を回避し、ご自身の安全を守る行動を取るよう、十分注意してください。

1 2月25日、シアトル市ダウンタウンのインターナショナル・ディストリクトにおいて、アジア系市民に対する悪質な傷害事件が発生しました。また、2月28日には在留邦人がニューヨーク市マンハッタンの Lower East Side の路上を歩行中、走行中の車両から男性にタバコの空き箱を投げられ、「ニーハオ、ニーハオマー」と声をかけられて嫌がらせを受けたとの事案が発生しました。

2 ヘイトクライム等を注視している関係団体からは、シカゴ市内においても、アジア系住民に対する以下のヘイトクライム等の被害発生が報告されています。
○ 散歩中に正面から歩いてきた見知らぬ男から、すれ違いざまに腕を蹴られた。男は、何か言葉を発しながら立ち去っていった。
○ 買い物中、マスクをしていない見知らぬ男性が近づき、話しかけてきたことから、距離を取るように促したところ、侮辱的な言葉を浴びせられた。
○ 地下鉄に乗車していた際、目の前にいた見知らぬ男性から「国へ帰れ」「コロナウイルスで私たちを殺してくれてありがとう」といった言葉を浴びせられた。
○ 歩道にいたところ、車内から「自分達の国へ帰れ」と大声で叫ばれた。

3 ヘイトクライム・過激主義等を注視している関係団体によると、シカゴを含む全米の16都市を対象に行った調査において、アジア系市民が被害者となるヘイトクライムは2019年が49件だったのに対して、2020年は122件に激増しており、今年に入ってからも増加傾向にあることから、十分注意が必要です。

4 上記ヘイトクライム等の被害に遭わないためには、周囲の状況に応じ、以下の対策を取ることが有効な予防策となり得ます。
○ フード、帽子やマスク等で顔を隠し、一見してアジア系市民であることを周囲に悟られないようにする。
○ 複数名の者が理由もなく近づいてきたら、目線を合わせないようにしてその場から立ち去る。
○ 見知らぬ者から注意を引くような言動をされても、無視をして相手にしない。
○ 意味がわかる言葉で話しかけられても、理解ができないふりをする。
○ 車両から声かけや嫌がらせを受けた場合は、車両と反対方向に立ち去る。
○ 身の危険を感じたら、大声で周囲に助けを求める。

5 在留邦人の皆さまにおかれましては、一般的な防犯対策と同様に、観光客が立ち寄らない犯罪発生率の高い地区を訪れたり、深夜の一人歩き等危険を招きやすい行動は可能な限り避けていただき、なるべく複数名で行動してください。また、不審な場所や人物を感じた場合には、速やかにその場から離れる、相手を刺激しない等してご自身の安全を守る行動を優先するように心掛けてください。
万が一ヘイトクライム等の被害に遭った場合には、警察(911番)に通報して頂くとともに、当館にもご連絡を頂きますようお願いいたします。 (以下略)

”中央通り縦走” 記録

緊急時代宣言が解除されてから、毎日テレビでは各地の人出がどうだ、という報道がひきを切らない。しかし宣言解除の一つの意味は外部での接触を認めることにあるのだから、限度はあるにせよ、ネガティブ一辺倒の報道には違和感がある。一体、街中にはどんな ”不要不急でない“ 人が歩いているのか、実感してみたくなった。

たまたま、コロナ鬱防止と称して毎日3時間は時間を割いている真空管ラジオいじりのほうで部品が足りなくなり、久しぶりに秋葉原へ行かなければならなくなったので、トレーニングを兼ねて、秋葉原から銀座まで、いわば 中央通り縦走 をやろうと思い立った。山靴をはくわけにはいかず、150周年の時買ったウオーキングシューズを着用。

つつじが丘から都営地下鉄直行便で神保町まででて、まずは人出を眺めてみた。平日の午前中だから、商店街そのものの人出はまだない時間だとは承知だったが、やはり従来の神田繁華街のイメージからは寂しい感じがした。久しぶりなので、以前幾度か通った名代の喫茶店“さぼうる” の前を通り古本屋街へぬける。“さぼうる” の手前に “さぼうる2” というのが出現しているのにびっくりすると同時に、残念ながら老舗もプライドを捨てて儲けに走ったか、といやな気 になった。大体、名店といわれたところが拡張に走って結局失敗し時には廃業に追い込まれたという例は数多くある。喫茶店でいえば六本木の ”クローバー“ がその好例だ。そうでないことを祈るだけだが、本店というかオリジナルの店のたたずまいは変わっていなかった。ただこちらもまだ開店前の時間で人通りはないのが当たり前か。古本屋も同様だが、いずれも営業は変わらずにしているようだったし、スキーファンにおなじみのスポーツ用具店のあたりも同様だ った。小川町、淡路町、それから須田町に出て中央通りになるわけだが、須田町近くのそばの名店には時間前だというのに行列ができていた。老舗の実力だろうか。

中央通りを左折、万世橋から秋葉原、”電気街“ と言われる端っこにラジオ少年だったころからある ”ラジオデパート“ という、個人店主が主に軒を連ねるエレキファン向けのスーパーマーケットに入る。以前神田から来る途中にはもうひとつ ”ラジオガーデン“ というのがあったのだが今日はシャッターが下りたままで活気がなかった。もしかするとやめてしまうのだろうか。わざわざはんだ鏝を振りまわす自作ファンの数は激減しているし、無理もないのかと残念至極ではあるが。今回の禁足中、通販の強みががぜん表面化したが、これらのアマチュア向け専門店もいずれはその波に巻き込まれるのだろうか。

ここで約1時間、いくつかの店を回って用事をすませ、秋葉原駅についたのが11 時。此処から忠実に(というほど大げさではないのだが、ガイドブック風に書けば)中央通りを歩く。神田駅もひところに比べれば清潔になったが大きなガードの下にはなにやら得体のよくわからない小店舗がならんでいる。建物は新しくなったが、神田界隈の雰囲気は変わっていないようだ。このあたりでちょうど正午になったので,昼食を取りに出てきたのだろうが人が増えてきた。

日本橋から京橋へ、歩きなれたコースと思っていたが、外資系大ホテルも出てきて、向かい側のCOREDOというのは正直、どうも好きになれない雰囲気だが、このあたりがこれから中心地になってゆくのかもしれない。京橋で一本通りを変え、ガス灯通りへはいった。高校時代、田中新弥とか浅海昭とか小川拡なんていう連中と銀座のはしっこをうろついていたころ、昼飯といえば六丁目にあった スイス とか フライパン など、高校生の小遣いでもはいれる店に行ったものだった。その スイス 場所を変えてすでに40年だそうだが、変わらない雰囲気で営業しているのがこのガス灯通りなのだ。ひさしぶりで(多分)あの頃と同じ味のハンバーグステーキを食べた。計画ではこのあと、吾妻通りのトリコロールでエクレアを食べることにしていたが、ここで飲んだプレモルが効いてきてゆるんでしまい、4丁目交差点でそのまま地下鉄に乗った。これも予定では仙川でおりてなじみのジムでサウナに入るつもりだったが、いい気持ちで居眠りして気が付いたら仙川でドアが閉まるところだった。ドアツードアで 12,240歩、まあ月いち高尾でいえばらくらくコースくらいのウオーキングだった。4丁目交差点付近の人出はご覧のとおり。