題名からはマカロニウエスタンかと思い、監督は全く知らない人だが、シルヴィオ・ナリッツアーノというカナダ出身のイタリア人というが、アアメリカ映画だった。
主演がウイリアム・ワイラー監督の「コレクタ―1965」で、孤独な女性への倒錯
者を演じた英俳優テレンス・スタンプということからも、異色な西部劇ということが観る前から想像されるのだった。原題名ブルー の青は、主人公のあだ名スペイン語アスールの英語読み。青い目をした若きメキシコの盗賊に扮する異色の自分探しの西部劇。
幼き頃両親を失ったスタンプはメキシコ盗賊団の頭目リカルド・モンタルバンに育てられ、その後継者にまでと信頼されるが、ある国境近くの村を襲った際に、頭目の息子が、医者の娘を犯そうとすることから射殺する羽目に。その医者の父娘に助けられたことから、育ての親が頭目の盗賊団とスタンプは開拓者たちを率いて戦うことになる。娘を助けたことから、どっちに行っても、お前は違う人間だと行き場のない身の上なってしまうのだった。冷たさと暖かさとこのような目で見られている感情移入。医者の父をカール・マルデン、娘を英国女優ジョアンナ・ペティットが扮する。
題名の青を基調とした風景描写が美しい。空の青き色が際立つ。盗賊の一群が馬を駆って疾走するシーンを俯瞰や後景から写すカメラワークが素晴らしい。音楽もメキシコ風の沈鬱なギターの音色がマッチしている。最後、国境の川を挟んで、メキシコ盗賊団と開拓者の仲間たちが戦い、スタンプの統率で盗賊団を撃退、頭目もスタンプにより倒される。頭目の願いでメキシコ領での死を望まれ、運んでいるうちに、一発の銃弾で倒れる。濁流の中娘ジョアンナに抱かれながら亡くなる。川の中撃たれて散った主人公と群がってくる人々を俯瞰したショットが引かれていく。何処にも属さないはぐれ者の悲劇として描いている。
(編集子)しまった、みればよかった!
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