足立ポイントー先輩の思い出    (41 久米行子)

10数年前になりますが、確かKWV三田会の夏合宿の前だったと思います。

港北ニュータウンには素晴らしい遊歩道が巡らされていて、今年もモミジが今を最後と美しい紅葉を見せております。

その遊歩道にトレーニングには丁度よい、登りがちょっときついコースがあって、一番上にトイレがあります。その日も夫婦二人で朝早くこのきつ目のコースを歩いてその脇を通り過ぎようとするとそこから出てきた男性が「オイッ!」と言うのです。こんな所でホームレスのおじさんに云いがかりをつけられてもいやだと二人して急ぎ足で通り過ぎようとすると、もっと大声で「オーイッ」と確かに我々に向かって怒鳴っていると思われるので知らんぷりをして歩き続けますと、今度は「くめっー」とはっきりと名前を呼ぶではありませんか。仕方なく後ろを振り向いて見ますとなんと34年卒の足立さんでした。よくよくお尋ねすると「今度の合宿に備えてトレーニングをしているんだよ」とのこと、我々も「誰に声をかけられているのか全く気づきませんでした。誠にすみませんでした。と平謝り。まさかホームレスと間違えましたなどとはお首にも出しませんでした。

しかし、別れた後、思わず、二人で顔を合わせて大笑いしたことを覚えております。それ以来そのトイレ付近を「足立ポイント」と名付けております。

足立さんとは住いが近いということもあって、我が家にお招きしたり、お宅にお邪魔して奥様のフラダンスを拝見したりして親しくお付き合いをさせて頂いておりましたし、時には駅前の居酒屋で待ち合わせてお酒を飲んだりしたものです。大変お酒がお好きで(特に日本酒)「酒場放浪記」の居酒屋を全国、訪ねて歩きたいなどと仰っていました。

(編集子)34年卒 足立政彦さん 2019年12月ご逝去