大方の予想通り、一部解除と決まりました。世の中、解除ブームに乗って、一気に街に繰り出すような気配に心配しております。日本は無症状感染者が多いと思われますので、第2波の感染爆発を怖れます。友人の科学者からのメールが来ましたので、それも踏まえて書きます。
コロナ対策の厳しさはOxford大学で点数化して評価していますが、それによるとSweden,Singapoleに次いで下から3番目です。大甘と言えます。私は2,3月時点から、このPCR検査低施行率が続けば、ある日感染爆発が起こり、やがて集団免疫獲得が早く到来するのを意図的に待っているのではないかと勘繰っていました。Swedenが大きな犠牲を払いつつ、はっきりした集団免疫獲得政策として対処していることは、今回友人から学びました。
友人も最近の驚くべき四つのニュースと言っています。①コロナの報告がファックスでなされていたこと ②PCR検査が行政検査であったこと ③37.5℃以上4日間の基準は誤解であったとのこと ④感染者は10倍、20倍、30倍いるかもという専門家会議副議長の国会での発言です。
厚労省健康局結核感染課から各都道府県、保健所設置市、特別区あてに出された『ウィルス行政検査について』、および『新型コロナウィルス感染症に関する行政検査依頼』なるものを読みますと、37.5℃発熱かつ濃厚接触者、発熱かつ渡航歴、発熱かつ入院を擁する肺炎症状、医師が疑わしいと診断した患者に対し、季節インフルエンザ検査で陰性なものに対して検査を行うと明記され、地方衛生研究所において実施不可能な時は、公印付きの依頼書とともに直接国立感染症研究所に送付すると書かれ、輸送にあたっての責任者、容器なども厳重に規定されています。とにかく検査を絞り込むことに重点を置いた対応としか思えません。しかも発熱などを誤解ですという神経は許せません。
感染者数は現公表数よりはるかに多い(私の印象では一桁違い)のではないかと思っていますが、専門家会議副議長の立場の人が、しかも国会で10~30倍という発言には驚かされました。立場というものがあります。海外で驚きを持って報じられました。とにかくPCR検査数が他国と比べて2桁も違っては検討に値しないと相手にされなくとも致し方ありません。しかもそのデータの扱いが、FAXであったり、判定日だったり、保健所・地方衛生試験所以外の大学、研究所、病院で独自に検査した数値は加算されていないなど、どうしようもない体たらくとしか言えません。陽性者は感染法に基づき報告し統計されているでしょうが、陰性者は検査数に反映されるようになったのでしょうか。先日の報告ミスがあったという訂正発表は、実はこの陽性者を加えた変更ではなかったかと思います。
保健所の施設数(半減)、人員、予算全て削減しておいて、今回のコロナ対策を、全て保健所を通すような仕組みで対応させようとは、信じがたい政治です。公的病院の併合によるベッド数削減案(コロナ禍で一時延期)にせよ、国立大学の経費削減にしても、利益、経済効率を追求するのが新自由主義であり、これを国の政治基本としていることに諸弊害の根源があると思います。世界でも問題が多発し、新自由主義、これに基づくグローバリズムが崩壊してきているというのに、日本はまだ固持し続けていることに、切歯扼腕しています。
嘆かわしく、まさに日本沈没の危機に瀕しているように感じています。二流国どころか三流国、発展途上国(高度な医療レベルは持っているという自負はまだ捨てていませんので)でなく後退している後進国になってしまいます。
無症状感染者が多いことから、東京の緊急事態宣言解除の日はまだまだ先のことになると思います。
自分だけは大丈夫という信念みたいなもの(これを正常性バイアスというのだそうです)は全く根拠ありません。すべての人がコロナウィルスレセプターACEⅡを持っているのです。クワバラクワバラ
皆さん、くれぐれもご自愛のほどを祈念しております。