龍の天井画を見てきました    (44 安田耕太郎)

 

先日、NHKの番組「日曜美術館」で徳川家の菩提寺上野寛永寺・根本中堂天井画「叡嶽双龍」が紹介された。天井画「龍」を観るのが好きで、早速上野に出かけて実物を見て来た。

龍は仏教を守護する異教 8種の神・八部衆の一神に数えられ、法の雨(仏教の教え)を降らせると言われている。この龍に修行の場を見守ってくれるようにとの願いから、古今東西多くの寺院の法堂天井に描かれてきた。また、龍神は水をつかさどることから、寺院を火災から守るとも伝えられている。

見た事がある龍の天井画を紹介する。寛永寺:のものは創建400年を記念して日本画家手塚雄二(東京芸大名誉教授)によって縦6m、横12mの巨大な双龍図が描かれ、2025年9月12日、点晴開眼式が行われ、その後一般公開された。

鎌倉建長寺:
鎌倉出身の画家・小泉淳作は幼稚舎>>大学まで慶應で、中途退学して東京芸大で学び卒業。俳優だった小泉博は実弟。法堂の「雲龍図」2000年完成、320cm x 410cm。

京都建仁寺:
小泉淳作筆  「双龍図」紙本墨書 縦11.4m 横15.7m

法堂の天井いっぱいに阿吽の口をした2匹の龍が描かれる。阿は口を開き、吽は口を閉じて阿形の龍は手に玉をつかむ。仏法守護として、また水の神として仏法の教えの雨(法雨)を降らせるたとえから、禅宗の法堂に描かれることが多い。建仁寺法堂

は古くより龍は描かれず素木(しらき)とされてきたが、1年10ヶ月の歳月を経て、建仁寺創建800年を記念して平成14年(2002)4月に小泉淳作画伯の筆により完成した。北海道の廃校になった小学校の体育館で描く過程がNHK特別番組で紹介され番組を観て感心しきりであった。
信州小布施・岩松院:
龍図ではないが葛飾北斎が89歳の時描いた有名な天井画「八方睨み鳳凰図」は一見の価値がある。

 

(42 保屋野)私が見たのは、建仁寺、妙心寺、相国寺、岩松院ですが、今年10月に同期の旅行で新潟中越に行った際西福寺の石川雲蝶の天井画も見学して感動しました。来年は寛永寺にも行きたいですね。

なお、ネットで調べたら、天井画で重文なのは、妙心寺法堂、相国寺法堂、大徳寺法堂とあり国宝はないようです。ちなみに、岩松院の葛飾北斎天井画は「小布施町宝」止まりです。