エーガ愛好会 スペシャル  (34 小泉幾多郎)

最近、TV放映の西部劇も再放映が多く、久しぶりに12月11日(木)BS1で「君がいた夏StealingHome1988」をみたら、偶々自分自身の想い出にも繋がってしまったのだった。

映画は再起を果たした野球選手ビリー・ワイアット(マーク・ハ―モン)が主人公で、半年前は、落ちぶれた失意の日を送っていた頃、母親から6歳年上の従姉ケイテイ(ジョディ・フォスター)の自殺を知らされた。ケイテイは、大人になる過程で、彼を励ましてくれた青春の思い出だったが、その人から遺灰を葬って欲しいと遺言を残されたのだ。ケイテイの親友たちとも相談しながら、かってケイティが空を飛んでみたいと漏らした海辺の展望台を訪ね、遺灰をまくことで青春の決着をつけるまでの物語で、遠い青春が何となく蘇ってくる映画。

 実はこの映画を観て、自分自身の遠い青春を思い出した。恋心という気持ちまでは持たなかった筈だが、添付の写真の主は母の兄の娘、従姉に親しくしてもらったことは確かだ。写真は従姉が、横浜の私立の女学校を卒業した日、1950年頃か?偶々遊びに行っていた中学3年?の僕と写真館で写真を撮って呉れたのだった。彼女の家は製パン業を営み、遊びに行くと美味なパンが食べられたこともあり、男2人女3人の従弟・従姉妹とも遊べたことから、よくお世話になったものだ。その長女である従姉が写真の主だが、卒業後は、赤坂の料亭へお嫁に行き、社会人になってからも、接待やら友人との会食やら、引き続きお世話になった思い出が急に湧き上がってきた。

残念乍ら彼女はもういない。

(編集子)誰でもがどっかに持っている、幼い恋慕の記憶が、わが小泉さんの名文でつづられるとなんだかほんのりというか、嬉しいもんだ。今の小泉さんの表情がしっかりと分かる写真だ。セーブゲキがないとこういう名文が生まれるんなら、しばらく、金曜西部劇はなくてもいいかな。

スガチュー、こーゆーの、いかが。幼稚舎は共学じゃなかったんだっけ。