今年5月スイスで前例のない規模の氷河崩壊が起きた。グリンデルヴァルドの南西30〜40km、ユングフラウ峰の南西方向、レーチェンタール渓谷で発生した。
氷河崩壊による地滑りで露出した山肌。ブラッテン村が埋まった谷底には土砂や水がたまっている=スイス・バレー州で2025年8月9日、高橋由衣撮影アルプス山脈の名峰がそびえるスイス南部バレー州。レッチェンタール渓谷とその周辺一帯は、世界自然遺産に登録される風光明媚(めいび)な土地だ。アルプス最大のアレッチ氷河(約78・5平方キロ)に代表される山岳氷河群を抱え、自然の雄大さから「魔法の谷」とも形容される。
その美しい谷に張り付くように歴史ある家々が軒を連ねていたブラッテン村(標高約1540メートル)を5月、悲劇が襲った。谷の上流にある氷河の一つが崩壊し、水と氷混じりの真っ黒な土石流が人口約300人の村をのみ込んだのだ。
州当局などによると、5月28日午後、村から標高にして1200メートル以上の差がある上流のバーチ氷河で大規模な地滑りが発生。周囲の岩石や土砂を巻き込み、平均時速200キロで一気に流れ下った。解けた氷河と土砂の総重量は推定約2000万トンに及んだという。 村があった谷底には、深さ最大数十メートル、長さ2キロにわたって氷や土砂が堆積(たいせき)し、村の9割が消えた。
氷河崩壊の一因として考えられるのが地球温暖化だ。アルプスでは気温上昇に敏感な山岳氷河の後退が多数確認されている。スイスの永久凍土監視ネットワーク「PERMOS」の観測点では、2015~24年のわずか10年間で、深さ10メートルの永久凍土の温度が最大1・1度上昇。氷の融解を招いている。
現在ブラジルで第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30 )が開催されているが、トランプは温暖化を認めておらずアメリカの関与は消極的で政府代表は不参加。民主党の加州知事が個人資格で参加。世界の足並みは揃っていない。現在生活している70億人が皆いなくなる100年後の地球は果たしてどうなっているのか?
(42 下村) 我々同期のがにまたメンバーも、フランスの氷河メールドグラスの大幅な溶解・減少により大変難儀をしたことがあります。
60年ほど前に現地に行ったことがある河瀬さんをリーダに、2013年にホヤノさんを含む仲間10数名でフランスアルプスにトレッキングに行きました。
ケーブルカーをモンタンベールで下り、氷河へ向かおうとしたところ何とその氷河は大幅に溶けて体積が減少、遥か下の方まで後退していたのです。岩壁に取りつけられている鉄梯子を氷河面まで50~60mも下りたのですが、がにまたの奥様連中も何名か同行していてとても怖い思いをしたものです。
河瀬さん曰く、昔はケーブルを降りたら氷河まで水平に歩いて行けたんだがなぁ・・・と。