秋深まる北陸を尋ね、加賀百万石の街をそぞろ歩こうか、と思い立って金沢を訪れた。 静かな街を期待していたのだがなんか、違うのだ。街がなにしろ騒然としていて、晩秋の魚を楽しめるはずの名店も居酒屋も、どこへ行っても満席。1時間歩いてようやく見つけた小さな居酒屋で、板前に聞いてやっとわかった。なんど金沢マラソンの当日で、町中が沸き立っていた日なのだった。ホテルの部屋に入っていた地元紙、翌日の紙面。
まいったね。それでも翌日、ワイフの知人の紹介で尋ねた店は期待通り、加賀の秋にふさわしい、のどぐろとカニの一品と、店主おすすめ 加賀鳶 なる超辛口の熱燗がのどにしみわたった。昼間はいった蕎麦屋もまた、よし。
写真は名園兼六の一枚。まだ紅葉に早すぎたようだ。マラソンのうえ、ここもオーバーツーリズムだか何だか、中国人と多分ロシア人らしい客で沸騰していた。ま、お国の経済興隆のためには致し方ないか。



