先日、母校の慶應普通部に「労作展」を見に行ってきました。久しぶりの日吉でしたが、駅から普通部校舎までの緩やかな登坂(最近は「普通部通り」と呼ぶんですね)がいやに急に感じられました。足腰が弱ってきているのかなぁ~。普通部生時代は「無遅刻無欠席」がかかっているので、重たい鞄を持って駅から始業時間に間に合うようにと毎朝のようにこの坂を走ったものでした。
「労作展」とは夏休みを使って生徒全員が自由勝手に行った学科外の活動成果を展示する会です。私たちの頃には昆虫採集だの、ある地域を徹底的に調査することだの、外国の昔話を翻訳するだの、簡単な絵や習字や工作を出すものなどが多かったと思います。あまりお金のかからないものばかりでした。いわば、中学生っぽい作品ばかりでした。今は、絵にしても工作にして超大作ばかり。最近の中学生はすごい。圧倒されて帰ってきました。
一番下の孫が普通部3年生になるので、今年が最後かと見にいったわけですが、普通部校舎も我々の頃からは大きく様変わりし、新校舎が立ち並び、放課後「泥ぶつけごっこ」をやった運動場や、野球グランドなどは全く変わっていました。
昔の記憶 特にエピソード(出来事)記憶は何時まで経っても衰えないものですね。それに対して短期記憶は 私自身も 年とともに可なり衰退しているように感じます。仕事に差しさわりはまだないと勝手に自己診断していますが。
我々を含めてお年寄りは昔のことは良く覚えているのに、昨日の夕食のおかずを全部は想いだせないのは、長期記憶と短期記憶はそのメカニズムが全く違うからなのです。この話を詳しくし出すとこの紙面では全く足りなくなるので省略しますが。
知っていて欲しいことの一つは、認知障害、とくにアルツハイマー病では初期から嗅覚障害が見られることがある事です。レーガン元アメリカ大統領も鼻からの生検でアルツハイマー病と診断されました。もっとも今はもっと簡単にその診断はつきますが。ところで今の大統領は大丈夫なんでしょうかね。
私の診察カバンには常にコーヒーの粉を入れた小さなビンが入れてあります。患者さんに目を閉じてもらい、鼻の近くにそれをもっとゆき、何の匂いかを答えてもらうためです。
皆さん、心配ならば自分で試してみては? 但し、蓄膿症(副鼻腔炎)のある方は、試さないほうが心配事は増えませんよ。
(編集子)労作展かあ。篠原の言う通り、懐かしい記憶は常に新しい。
俺の人生行路を決めた中学の3年間、大学で英語会のメンバーだった兄の親友、北村先生に徹底して英語をたたきこまれ、かたや数学の名物教諭だった吉村さんには理屈抜きで徹底して反抗し、予習復習なんか一切やらず、当然、試験といえば常連のラグビー仲間(悔しかったが長谷川だけは別だった)とそろって追試、追試の常連だった。吉村さんには、おめえ、第一級官(=級長)が3回も追試に出てくるたあ、いったい何なんだ?とあきれられたものだった。高校に行って、(工学部も悪くねえな)と思い出した頃、この反抗はなんだったのか、と反省したものだが。そのころの産物が労作展。1年時、蓮井敏隆と二人でやった(たしか”発電所の研究”なんてタイトルだった)のはダメだったが、2年、3年とは2年連続金賞で(ざまあみろ)なんて思ってた時代だ。
篠原理論を確認すべく、追試仲間のラグビー部のメンバーを思い出してみたが、意外とすらすら出てきた。