(編集子)今朝お知らせした ”アラスカ魂” 売り込みの件。ジョニー・ホートンの主題歌についてはおしらせどおり、軽快な、 聴いていて愉快なものであることは間違いないのですが、ストーリーは実はグレゴリー・ペック主演の ”世界を彼の腕に (World in his arms)とごっちゃにしていました。こちらはロシアが誤解から宝庫アラスカをアメリカに叩き売った史実を絡めた、面白い作品です。いやーお恥ずかしい(恥ずかしいので写真もちいさい)。
(安田)日本で公開された直後に映画館で観ました。65年前の昔です。同時期にジョン・ウエイン主演の「アラモ」(1960年公開)も観ましたが、どっちが先だったか覚えていません。アラモは歴史にも知られたそのストーリーをおおよそ覚えていますが、「アラスカ魂」は主題曲の印象が強烈で忘れ難いのだが、ストーリーは殆ど覚えていません。マッチョのウエインらしからぬコメディ調だったのは微かに覚えています。再々見して、小泉さんの名解説の内、特に次の部分がこの映画の本質を突いていると思います。
≪冒頭のジョニー・ホートンによる主題歌North to Alaskaのメロディは懐かしく、歌詞が物語を説明して呉れている。監督はヘンリー・ハサウエイ、この監督の西部劇何本観ただろう。冒険活劇やさまざまのジャンルの映画、どれをとってもつまらない映画は皆無。監督作品の多さは職人監督と悪口を言われたこともあるが、職人こそが、映画の面白さを提供して呉れる。その点では「カサブランカ」を作ったマイケル・カーティスと双璧と言える≫
ところで、この映画のジョン・ウエイン、キャプシーヌ、シュチュワート・グレンジャーに続く、第4の主演者はワンちゃんだと思います。犬種が分からないのですが、西部劇には時々出てくるテリア系の犬と思いますが、何せ、主役のセリフや動きに反応して可愛らしい限りです。
(飯田)映画のタイトルを間違えたと言われますが、この ”世界を彼の腕に (World in his arms)“こそ、隠れた2流映画の名作ではないかと私はジャイ大兄の記憶力に脱帽します。この映画は私の記憶の限りにおいてテレビでは放映されたことは近年無い筈です。それを覚えておられる記憶力、この種の驚きこれまでも時々あるのですが脱帽です。この映画を自分は観たか観てないのか記憶の外にある映画です。
グレゴリー・ペックが「頭上の敵機」や「キリマンジェロの雪」の後、「ローマの休日」の前に撮った映画の筈です。
(小川)今録画見てる、これはこれで面白いよ!
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(小泉) ジョン・ウエインが、英国の美男スチュアート・グレンジャーと仏国の美女キャプシーヌと共演した珍しくもコミカルな西部劇。5年前放映されたときに書いた感想ですが、其の侭送らせていただきます。
ゴールドラッシュ華やかな頃のアラスカ。シアトルから来たジョン・ウエインはスチュアート・グレンジャーとフェビアンの兄弟と一山あて、ウエインは一旦シアトルへ帰り、グレンジャーを裏切ったフィアンセの身代わりバーで知り合ったキャプシーヌを連れて帰る。ここからキャプシーヌをめぐるウエインとグレンジャーの鞘当てやら、金鉱をめぐる詐欺師アーニー・コバックスとの争い等を呑気なテンポでコミカルに描く。冒頭のジョニー・ホートンによる主題歌North to Alaskaのメロディは懐かしく、歌詞が物語を説明して呉れている。ジョン・ウエインとしては、コミカルな役を熱演している。ジョン・フォードの「静かなる男1952」、フォードの作風を受け継いだと言われるA・V・マクラグレンの「マクリントック1963」でコミカルな味を出してはいたが、これは全出演作の中で、異色の地位を占めるのではないか。ウエインがグレンジャーのために連れてきたキャプシーヌを愛し始めてきた場面、グレンジャーとキャプシーヌが小屋の中、ウエインは気が気でないが、入るわけにもいかず、地団駄踏む場面は、ウエインらしからぬコメディアンと化したのだった。西部劇としては珍しく、銃で人を殺す場面にお目にかからず、何かあると喧嘩!喧嘩を始めると、周りの野次馬まで触発、喧嘩もコメディとして不可欠な要素なのだ。その喧嘩の場面場面、倒れ方から、倒れることによって壊れるものものには種々の工夫が凝らされていた。
アラスカを舞台とした西部劇「スポイラース1942」の姉妹編でもあり、前年作られた「リオ・ブラボー1959」も意識していたかも。監督はヘンリー・ハサウエイ、この監督の西部劇何本観ただろう。冒険活劇やさまざまのジャンルの映画、どれをとってもつまらない映画は皆無。監督作品の多さは職人監督と悪口を言われたこともあるが、職人こそが、映画の面白さを提供して呉れる。その点では「カサブランカ」を作ったマイケル・カーティスと双璧と言える。
ジョニー・ホートン(英語: John LaGale Horton、1925年4月30日-1960年11月5日)は、アメリカのカントリーミュージック、ホンキートンク、ロカビリーの歌手・ミュージシャンであった。
(編集子)”世界を彼の腕に” DVDはアマゾンにありました! これを買ってればこんな間違いはしなかったのに。遅まきながらちと高いけど買います。