ロシアとウクライナのことです   (42 河瀬斌)

私は2008年ごろから2年毎に「日露友好脳神経外科カンファレンス」に参加しロシアにも何度か行っていました。そのご縁でクリミア紛争直前の2013年に平和な時代のウクライナを訪れました。その時はウクライナ人がロシア人の代わりにオデッサでこの会を主宰したのですその時はロシアとウクライナ両国はまだ兄弟関係だったのです。その頃の本当は温かいロシアの国民性をはじめ、穏やかで兄弟のような両国関係を知っているだけに、現在の戦争は本当に残念でなりません。
その時の会長一家との写真です。ウクライナは過去にトルコ領だった時代もありますので、歓待してくれた会長の顔はトルコ系、奥様はロシア系?人種が混在している国なのです。それが現在のウクライナの戦争の下地になったのでしょうか?
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キエフ(今はキーウ)は金色の塔を頂くロシア正教教会がドニエプル川に沿って並ぶ美しい街です。

この教会があるため、ロシアはキーウ中心部を破壊したくないと思っているのでしょうか?この町がそうならないことを願います。
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友好カンファレンスを行った黒海沿岸のオデッサには海を望むウクライナ独立の塔がありました。しかし今、この街の一部はミサイルで破壊されていると聞きますので、今この塔がまだあるかどうかは不明です。おそらくここもロシア領になってしまう恐れもあります。
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この写真を撮ったわずか9ヶ月後の2014年にクリミア半島がロシアに強引に併合されました。ソ連崩壊後はウクライナの核保有を認めない代わり、ロシアはそのウクライナ領を認めていました。しかしプーチンを支持する東部のロシア系住民とロシアの金持ち(オリガルヒ)の欲望によって強引な占領がなされたと聞きます。 それをきっかけにそれまで兄弟国であった両国の関係は冷え切り、ウクライナは「国を防衛するためにロシアに負けない」と、以後8年間に軍需産業を育て、東部のロシア人住宅街に度々砲撃を加えるようになってしまいました。そしてついに2022年にはロシアの侵攻を誘発することになったのです。
確かにウクライナは東部のロシア系と西部の民族の違いの歴史がその戦争の伏在原因でしょう。しかし豊かで温暖な保養地を奪って金持ちの欲望を満たすため」の国際法を自ら破ったクリミア半島の強引な併合がそのきっかけになったのではないでしょうか?チェコ、グルジアなどでその国際法を無視した併合のやり方を私は見てきましたので。
狭く豊かではないけれど自由な国の一住民として単純に思う。世界一広大で豊かで美しい伝統文化を持つロシアが異民族との融和を図らず、世界から兄弟国から嫌われても、どうして更なる領土拡張と富を必要とするのでしょうか?
(編集子)平井さんからの情報をはじめ、今まで知らなかったいろんなことがわかってきて、ウクライナ―ロシア―トランプ という一連のことどもについて、仲間内でも活発な議論が展開している現在だが、小生には確たる議論ができる自信がない。しかし河瀬兄のこの最後の4行には完全に同意する。
 狭くて資源がないのに人口は多い。代表的なのは我が国だ。変な言い方だが、河瀬兄の論法でいえば、こういう国が資源を求めてやむを得ず戦争という手段に訴える(歴史的事実でいえば太平洋戦争はその典型だ)のならまだわかるが、何から何まで持っている大国がなぜ他国を領有しようとするのか、まったくわからない。
理屈はともかく、両國とも兵士には祖国防衛という意識(信じるかどうかは別だが、あくまで理論上の話だ)を持つことはできるかもしれない。しかし無残というか哀れなのは駆り出された北朝鮮の若者たちだ。このことにはただ怒りが先に立つ。そのためにも停戦は一日も早く実現されなければならないと改めて感じる。