2013年(英)、BS 5/9放送作品の録画を観ました。ジュディ·ディンチ主演の実話です。今も6万人以上のアイルランド人母親が養子に出された我が子を探 し続けていて、バチカンでも異例の上映会が催されたようです。
アイルランド人女性、フィロミナ(ジュディ·ディンチ) は10代未婚で妊娠、女子修道院に入れられます。強引な方法で命懸けの出産の後は働きづめで、 子供とは週に1時間会えるだけ。 その後息子は養子に出されてしまいます。
既に主婦となったフィロミナは、 娘に紹介された元エリート記者マーティン(スティーブ· クーガン)と50年間思い続けている息子探しを始めます。
修道院は何も語らず、息子達は米国人に1, 000ポンドで売られていた事を近くの居酒屋で聞きます。アメリカで彼女の息子は、 レーガンやブッシュ大統領の法律顧問となり出世しましたが、 ゲイであり、エイズにかかり亡くなったことを知ります。
フィロミナは息子のゲイの友人を訪ね、 息子は養父の反対をおしきり、《アメリカではなく、 アイルランドの出生地に埋めて欲しい》と望んだことを知り
忘れずにいてくれた事を喜び、涙します。フィロミナと記者は、 最初に問い合わせたアイルランドの修道院に戻り、 息子の墓にやっと出会います。
修道院はずっと事実を隠していたのです。 彼女は怒りからではなく、赦しの気持ちから、 人々にも知って欲しいと、記者に記事にすることを許可します。
重い内容ですが、フィロミナの、 息子のゲイの友人が戻って来た車を見て《マツダの赤い車!》 と言ったりする等、そのちょっと無邪気な性格に救われ、 英国で色々受賞もしている見ごたえのある作品でした。