一冊の本      (大学クラスメート 飯田武昭)

読書家、それも速読派の多読家の多いエーガ愛好会の皆さんですが、私は(往年の野球評論家の小西得郎節で表現すると)何と申しましょうか、遅読派とでも言いましょうか、最近度々出かける京都へ行く往復の電車の中や東京へ行く新幹線の車中などが主な読書時間なのでなかなか進みません。皆さんからは400mトラックで2周回遅れくらいをもたもた速足で歩いている状態です。

今、読んでいる本が「台湾の歴史と文化」(大東和重著)と「新版 日本国紀(下巻)」(何んとエーガ愛好会で約1年前に菅原さんが読後感を書いて話題になった百田尚樹著)です。又、保屋野さんが一押しの高峰秀子のエッセイ及び齋藤明美の関連著書を最近、沢山読み終えた段階です。それ以前は小田さんなどから推薦された向田邦子の著作を読んでいました。

先日、東京へ出かけた初日に会った幼稚園友達から1冊の本を前もって読んでおけと言われていて、読み終えてから会いました。本の題名は「アメリカから遠く離れて」(河出書房新書、2020年11月初版発行)という対談形式のもので、定価が2400円(税別)と少々高い本です。映画やジャズ音楽のオールドファンには懐かしい名前や地名がバンバン出てくるのと、日本映画に関する私の時代より、更にもう少し古い、戦前の映画についての思い出話なども出て来るのでその辺に興味のある方には面白いかと思って紹介しておきます。勿論、ジョン・フォード監督なども出てきます。但し、網羅的に映画やジャズを語っている訳ではなく、自分たちの専門家的な思い出話で茶飲み話であると思ってください。