”置き配とタブレット” 追論4  (在パリ 平井愛子)


面白い対話ですね。私のフランスの友人達が日本へ行って異口同音にいう事は、日本は道路も公共のトイレもチリ一つ落ちていないで清潔で信じられないほど綺麗だ ということです。犬の糞は大分良くなりましたが、場所によって違います。パリの歩道の所々に実は犬の用足しはここでするようにという印があるのです。その場所は時間によって自動的に噴出する水が道の下に通る下水道にゴミや何かを押し流すようになってはいるのです。でも私がパリに来た頃は、パリは上を向いて歩けないところだとつくづく思いました。もう20年か15年ぐらい前になりますが、犬の糞を飼い主は自分で処理するようポスタ-が張り出されてキャンペ-ンが一時よくされていました。そのポスタ-には車椅子の人が車に手をかけたその車輪に糞が付着しているという写真が印刷されていました。これが効を奏してか、今は随分綺麗になりました。実際犬を連れて散歩をしている人がちゃんとプラスチックの袋で取っているのを私も目撃していますので、随分変わりました。でも所によります。パリの中心や6区7区あたりは綺麗ですが、周辺地域はまだまだです。コロナで一時駅も道路もメトロの中も本当にきれいに掃除され、消毒液で電車のドアや皆が摑まる柱を拭いていたりしていましたが、また元の木阿弥という感じになってきました。清潔感や衛生心理が違うのですよ、日本とは。

でもオリンピックに向けてパリの美化運動は進んでいるようですから、期待はしたいと思います。

(編集子)平井愛子さんは、在パリ30年以上のキャリアウーマン。現在はフランス政府公認ガイド。安田君の元会社同僚の従姉妹で、音楽・美術・歴史・文化、人間の生き様などに関心深く、1年前からフランス便りYouTubeを配信継続中。