エーガ愛好会 (146) 懐かしの名画   (普通部OB 船津於菟彦)

小学生の頃から「科学少年」で子供の科学とか「科学朝日」を毎月取って眺めていました!鉄道模型も作り当時万世橋にあった「交通博物館」の工作室には日曜日というと弁当持参で籠もってて居ました。電動ドリルとか色々な工具が無料で貸してくれました。

先日BSTVで「地球の静止する日」をやって居ましたので何気なく観たら懐かしさが戻ってきました。
1952年3月に日本公開という事はその昔見ているのだと思います。1950年代はSF映画ブームとなったが、「空想科学映画」は子供向けのお伽話であり、異星人は敵対するモンスターとして描かれ、スペクタクルが優先されるジャンルの映画と思われていた。その風潮の中で、ストーリーを重視して高い知性と友好的な異星人像を提示し、人類と異星人のファースト・コンタクトとそれに対する人類の動向をシミュレーション風に展開させた、本格SF映画の先駆的な作品。
異星人「クラトゥ」とロボット「ゴ-ト」。UFOやロボットのゴートのデザインが、シンプルながら精錬されていて美しかった。
異星人が、30分だけ電気などをストップし、人類に警告するなど、静かながらメッセージ性の強い展開。
当時、冷戦時代で地球で核攻撃などされると宇宙は迷惑だと警告にやって来たという想定は、今のウクライナ侵攻のロシアへの警告のようにも見える。
この映画と同じ様な「空気の無くなる日」(1949年製作の映画)映画は、文部省選定作品となる。映画は、1950年に発足した映画配給会社「共同映画」の配給網にのり、学校や公民館での移動巡回映画会などで上映されたとあるので多分小学校の巡回映画で講堂で観た記憶が甦った。
ハレーすい星が接近して来て、その引力で地球の空気が吸い取られてしまう。小学校の用務員のおじさんが、息を切らして職員室に駆け込んできた。
そんなバカげた話と相手にもしなかった校長が役場に出かけ、折り返し息を切らして帰って来た。空気がなくなる。
新聞にも記事が出る。(だが村人に新聞購読者はいない)
空気がなくなるのは5分間らしい。そのあと、空気はまた地上に満ちてくる。
校庭に生徒を集め、さっそく始めた訓練は、洗面器や水槽に水をはって顔をつけ、できるだけ息を止める訓練だ。気分が悪くなる子も出てくる。5分間も息を止めるのは、やはり不可能であった。
空気がなくなることを子たちが親に話し、村中は徐々に大騒ぎになって行く。が、対処しようがない。その日は刻々と迫る。
だが庄屋のあるじは、ある行動に出た。それは、もと小作であった男からの入れ知恵であった。自転車やバイクのタイヤチューブ内の空気を吸えば、5分間は凌げる。あるじは自転車屋のチューブをすべて買い占め、さっそく家族を集めチューブの口をくわえて呼吸の訓練を始めた。
そして、その日が来た。集まって南無妙法蓮華経を唱える人々。盛装し静かに時を迎える人々。柱時計を見上げる人々、そしてタイヤのチューブをくわえている人々。

さて、このあと、どうなりますやら。結局何事もなく過ぎ去って行き、晴れ渡った青空を子供たちがいつものように駆けている・・・というシーンで終わった。
何となくわくわくしてみたことが甦ってきて、今回の「地球の静止する日」を再見してSF映画も面白いなぁと!しかし、今から観ると皆時代がかったエーガですね!