立派な体格と甘いマスク、1957,1959,1961年、オールアメリカンボーイ即ちすべてのアメリカ人を代表するような男性No.1に推されていたロック・ハドソンが、その人気を得る直前に主演し、インディアンの族長のターザ、ヤングブルに扮した西部劇。
ハドソンは ウインチェスター銃‘73 でも銃に絡むインディアンの族長に扮していた。この頃はまさか後年、健康的で男らしい二枚目が、ホモセクシャルに絡むエイズで亡くなるとは、とても信じられなかった。監督がダグラス・サークとは驚いた。多分西部劇はこれ1本だけと思うが、今回が初見。同監督は、メロドラマの大家として知られ、ロック・ハドソンもこの作品を含め、「風と共に散る」や「翼に賭ける命」等同監督8作品に出演している。西部劇には、合計12本出演しているが、1950~1954年で9本、後は、1961.1969.1973年の3本のみ。
インディアン側から描いた最初の西部劇と言われる「折れた矢1950」の主役、平和主義を志向する族長コチーズが、死の床で、長男ターザと次男ナイーチェ
に、白人とは争わないよう遺言するところから始まる。そのコチーズの顔が、「折れた矢」で、コチーズに扮したジェフ・チャンドラーにそっくりだったが、最後の出演者の一覧を探したが、コチーズの名前は掲載されてなかったので、俳優名は判らずじまい。それにしても、この時代、インディアンを主役にした映画は珍しい。
対白人穏健派と抗争派に分かれ、兄弟が抗争を重ねるが、これに長老の娘ウーナも絡む。居留地における結婚、葬儀等々の風俗・儀式描写も珍しい。インディアンの主役は、白人俳優が色を塗っての出演で、勿論英語を喋るにしても、当時としては、画期的な映画ではなかろうか。居留地の管理を任される警備兵になったターザに対し、抗争派の弟一派に、ジェロニモが加わり、両者の争いは激化を辿る。それに加え、ターザに任せると約束した騎兵隊の将軍が裏切って、インディアンの争いに関与したことから、インディアン対騎兵隊の戦いが、再開することになった。この戦いなかなかの見ものとなって迫力ある最後を飾る。最後は騎兵隊も約束を破った非を認め、抗争派は一掃され、居留地に平和が戻る。
この映画、ユタ州にあるアーチーズ国立公園で撮影されたとのこと。アーチ、尖塔、バランス岩等の様々の景観が素晴らしく、映画の最後に「内務省国立公園局の協力での撮影が可能となった」との字幕が流れた。
(編集子)ウインチェスター銃73 では、置き忘れられた銃をみつけるインディアンのの端役で トニー・カーチス もでていませんでしたっけ? インディアン集落を訪れてそこで恐ろし気な経験をする描写では ”黄色いリボン” のシーンがよかった記憶があります。ロック・ハドソンといえば、ジェームズ・ディーン の出世作 ジャイアンツ を忘れるわけにはいきませんね。
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