昭和27年、まだ “戦後” であった時代,戦災のため天現寺の幼稚舎に間借りしていた普通部に入学した我々は翌年、日吉に新設された新校舎に移転、29年にめでたく卒業した。高校、大学へ進み社会に出た我々も 昭和・平成・令和と三つの時代を経験する、”ゴールド年齢層” に加わることになった。
それぞれ、精いっぱい生き、与えられた任務を終えてきた時代を振り返るとき、この普通部での3年間こそ、僕らのバックボーンをはぐくみ、慶応ボーイとして胸を張れる素地を作ったものだったと感じる。皆、80歳を数えたこの年、卒業65年を祝って京橋のレストラン モルチェに集まった。卒業時の5クラス合計は268人、残念ながら鬼籍にはいったもの88名、結果として66名が参加した。幹事として終始奮闘してくれた船津於菟彦、岡野嘉久両君にはあらためて感謝を申し述べたい。
今回の案内状にも書いたが、”中村草田男は
”降る雪や 明治は遠く なりにけり”
と吟じた。3つの時代を生きて、いま令和にはなったが、俺たちの日吉はいまだ遠からず、俺たちのすぐそばにいる。そういう思いを共有した3時間だった。