20世紀の洋画界で多くの名作を残して巨匠と呼ばれた監督は数人に上る。ウイリアム・ワイラー監督(「我が生涯の最良の日」「探偵物語」「ローマの休日」「大いなる西部」「ベン・ハー」他)、ジョージ・スティーブンス監督(「陽のあたる場所」「シェーン」「ジャイアンツ」他)、ジョン・フォード監督(「駅馬車」「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」「荒野の決闘」「アパッチ砦」「三人の名付親」「黄色いリボン」「リオグランデの砦」「静かなる男」「長い灰色の線」「捜索者」「騎兵隊」「リバティ・バランスを射った男」他)、アルフレッド・ヒッチコック監督(「見知らぬ乗客」「私は告白する」「ダイヤルMを廻せ!」「裏窓」「泥棒成金」「ハリーの災難」「知りすぎていた男」「めまい」「北北西に進路を取れ」
「サイコ」「鳥」他)、エリア・カザン監督(「欲望という名の電車」「波止場」「エデンの東」他)など。又、ヨーロッパを基盤にしたデビット・リーン監督(「旅情」「戦場にかける橋」「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」他)、キャロル・リード監督(「邪魔者は殺せ」「落ちた偶像」「第三の男」他)など、英語を母国語とする映画に限っても、以上のような巨匠が思い浮かぶ。
しかし、ジャンルを問わずに作る作品が悉く秀作・名作か、少なくとも話題作であったのはビリー・ワイルダー監督が筆頭で、巨匠の中の匠(たくみ)という言葉は似合わないにしても、私はスクリーン上で一番楽しませて貰った気がするし、今でも好きな監督だと思っている。
(1945年) 失われた週末 (1948年) 皇帝円舞曲
(1950年) サンセット大通り (1953年) 第十七捕虜収容所
(1954年) 麗しのサブリナ (1955年) 七年目の浮気
(1956年) 翼よ!あれが巴里の灯だ (1957年) 昼下がりの情事
(1958年) 情婦 (1959年) お熱いのがお好き
(1960年) アパートの鍵貸します (1963年) あなただけ今晩は
(1966年) 恋人よ帰れ!我が胸に (1970年)シャーロックホームズの冒険
他に、脚本家として「ニノチカ」(1939年) 「ヒット・パレード」(1948年)など
ビリー・ワイルダー監督(1906年~2002年、95歳没)
ユダヤ系の両親のもと、オーストリア=ハンガリー帝国領の生まれでドイツの映画会社ウーファで修業をし、ナチスの迫害を恐れて1938年にアメリカに移住したという複雑な人生を歩んだが、映画で描く世界は真面目な人生の生き方であったり、時に奇想天外なお茶目な画面が印象に残る映画監督であった。
(編集子)小生第一のお気に入りはこれだけど。