エーガ愛好会(311)  小さな映画館でみた佳作ふたつ  (UPOB 小田篤子)

✤「ファイアーブランド」
ヘンリー8世の(6番目)最後の妻の映画(英 ’23)
立川キノシネマは満員で、翌日からは終わりが夜11時頃だった為、吉祥寺のPARCO地下2Fの映画館《UPLINK》に翌日初めて行きました。
小さな映画室が5室、毎日25作品以上の作品を上映しているようです。
この映画は大きなTVのようなスクリーンと、ゆったりした座席が3列、計29席の部屋で上映されました。
キャサリン·パーの母は王の最初の王妃であったキャサリン·オブ·アラゴンの女官でした。パーは2度夫と死別後、トマス·シーモアと恋愛関係にありましたが、王の望みで結婚。前王妃達の遺児、メアリー、エリザベス、エドワードとも親しくし、信仰についての本も女性としては珍しく出版しています。
経験から、悪化していた王の足の看病もできる人でしたが、映画では、王が火刑にした新興宗教の友達を援助した罪で投獄され、王が臨終の際ふたりだけとなった時、殺めてしまいます。(本では、メアリとエリザベスを連れXmasの祝賀で出かけている間に亡くなり、死目には会えなかった…とあったように思うのですが、サスペンス的ストーリーだからでしょうか?
キャサリン·パーはその後は、トマス·シーモアと結婚。
以前、河瀬さんが写真を載せられ、私も偶然訪れたことのある、イギリス コッツウォルズのシュードリー城で暮らしました。
(映画の後、《スープストック》で『ゴッホの玉葱スープ』を頼んでみました。
オニオングラタンスープをシンプルにしたような感じでした)。
✤Netflix「6888郵便大隊」
主人公は黒人の若い女性。幼なじみの白人男性と結婚を約束しましたが、彼は戦死。自分も軍に志願、黒人女性にも好意的なルーズベルト婦人のお陰もあり、スコットランドへ有色人女性だけの郵便部隊として派遣されます。
しかし、着いた格納庫は散らかっており、ペンキ塗り、作業場、美容院、教会、レストラン作りから。
溜まっている10ヶ月分の 郵便物は、かび、ネズミ、不明瞭な宛先と様々。
“6ヶ月で処理せよ…“の命令に、厳しいが聡明な部隊の大尉は適材適所に皆を配置し、やり遂げます。
家族、兵士は届いた郵便物に喜び、兵士の士気もあがり、無理と思っていた白人兵士達は彼女らに敬礼と拍手をおくります。主人公も皆の協力で、亡くなった彼の手紙とお墓を見つけることができました。
敵との戦いより、有色人種女性部隊と白人幹部兵士達との戦いの実話映画です。
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第 6888 中央郵便大隊は、第二次世界大戦中に海外に派遣された最初で唯一の黒人だけの部隊でした。 彼らは、ヨーロッパ戦域に駐留する約 7 万人の軍人への郵便物を仕分けして配達するという困難な任務に直面しました。 彼らの行動が、他の何千人もの黒人 WAC とともに、連合軍の勝利にどのように貢献したかを学びます。