エーガ愛好会 (265) 地平線から来た男  (34 小泉幾多郎)

先日飯田さんから喜劇物にお目にかかれないとの嘆き節が聞かれたが、それを若干とも補う西部劇が放映されたのでご紹介。

バート・ケネディ監督、ジェームス・ガーナー主演「地平線に立つ男 Latigo 1971」、同メンバーで5月10日「夕陽に立つ保安官 Support Your Local Sheriff! 1969」も放映予定。過去の喜劇調とは、やや異なったギャグや楽屋落ちで面白さを狙っているので、過去の作品等を知らないと笑えないかもしれない。主演のジェームス・ガーナーは、1957年にTV放映された「マーヴェリック」からアクション、コメディ両面で器用なところを見せてきたが、今回もタフなカウボーイから逸脱した風変わりなペテン師的役柄を器用にこなしている。「マーヴェリック」でルーレットを見ると有り金を発作的に全部を賭けてしまうパロディもある。

渓谷を走る蒸気機関車が鉱山の町パーガトリーに着くとラティゴ・スミス(ジェームス・ガーナー)は酔った勢いで婚約したゴールディ姐御(マリー・ウイン
ザー)から逃げるように下車する。其処は顔役のバートン(ハリー・モーガン)一派ともう一方の顔役エームズ大佐(ジョン・デナー)一派という鉱山主同志の争いが渦を巻くという「用心棒」とそのリメイク「荒野の用心棒」をパロディ化しコメディとして描いている。

ラティゴは、吞兵衛のジャグ・メイ(ジャック・イーラム)を有名なガンマン、スイフティ(チャック・コナーズ)に仕立てて両勢力に売り込んだりして、両勢力を混乱させる。この混乱の中、バートンの娘ペイシェンス(スザンヌ・プレシェット)とラティゴの仲が進展していくが、ペイシェンス(忍耐)の名前が逆に

American actress Suzanne Pleshette (1937 – 2008), circa 1965.

短気でアバズレな性格。またバートンとエームズの妹アビゲイル(エレン・コーピー)との老いらくの恋が進展し鉱山問題解決。最後近く本当の名うてのガンマンたるスイフティ(チャック・コナーズ)が登場するが、帽子を脱ぐと禿げ上がっている。ユル・ブリンナーを意識していることは、バート・ケネディは「続荒野の七人」を監督していることから明白。最後展望車のジャグ・メイ曰く ”これからイタリアへ行きマカロニウエスタンの大スターになる”。

 

(飯田)私も「地平線から来た男」を初見でみました。ご紹介頂いた「地平線に立つ男」「夕陽に立つ保安官」などは観てませんが、今回の映画は面白くみられました。「恋愛専科」のスザンヌ・プレシェットがどんな役柄で出るのかも興味を持ってみましたが、おなご肌の役柄を見事にこなしていたように思います。

ところで、ガンマンスイフティ役のチャック・コナーズですが、テレビドラマ「ライフルマン」を良く見ていた家内が直ぐにチャック・コナーズを言い当てたのですが、映画の冒頭並びにエンヂングのキャスティングにチャック・コナーズの名前が見当たらないので、ウイッキペディアを見たら、やっぱり無いのが不思議でした。

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そのウイキペディア解説:『地平線から来た男』(Support Your Local Gunfighter、もしくはLatigo)は、1971年に公開されたアメリカ合衆国映画。映画『用心棒』とそのリメイク『荒野の用心棒』をパロディ化し、コメディとして描いた作品。監督はバート・ケネディ。出演はジェームズ・ガーナーなど。多くのスタッフやキャストが共通する映画『夕陽に立つ保安官』の姉妹編と呼べる作品である