だから言ったじゃないの!  (普通部OB 篠原幸人)

巷ではコレステロールを下げるとか、身体にいいと売られている紅麹(べにこうじ)を含むサプリメントが沢山の人に入院が必要なほど重症な、或いは機能不全でなくなるほどの腎機能障害を起こしたと大問題になっていますね。

K製薬のサプリメントばかりでなく、その紅麹を用いた他社の食品や日本酒なども自主回収を始めたとか。どうやら犯人は紅麹そのものではなく、その中に含まれていた別の不純物らしいのですが、いずれにしても身体にいいと思って高価なものを購入したのに逆に病気になってしまうなんて。

皆さんの中にも、訳も分からず、身体に良いといううたい文句につられて、あるいは勝手に想像して、サプリメントを常用されている方もおられるでしょう。しかしこの「徒然」では以前から繰り返し、毎日の食事が普通に食べられていれば、余計なサプリメントなんて必要ないよと言い続けてきましたよね。

前回のNo51でもそのことを申し上げましたが、過度のビタミンやミネラルその他の栄養素は、通常の食事で十分間に合うはずで、余計に摂取しても、その分は肝臓で代謝され(壊され)、腎臓から尿となって排泄されるだけなのです。言い方を変えれば、余分に摂取された物質は、肝臓や腎臓に余計な負担をかけるだけなのです。テレビで良く宣伝している有名なビタミン剤を飲まれたことのある方も、服用すると尿の色が変わったり、特別な匂いがすることに気づいたことがあるでしょう。身体をビタミンがただ通過しただけだからです。

余った部分がすべてきれいに出てしまえば問題は少ないのですが、肝臓や腎臓、あるいはその他の臓器にたまってしまって、機能障害や労働荷重を引き起こすこともあるのです。皆さん、どうしてもサプリメントを摂りたいにならば、その物質の構成成分を調べて、かかりつけの先生とよく相談するようにしてください。