制作が2015年とは、西部劇としては最新作。
冒頭女性の悲鳴から始まる。あとで判ったが、主人公の母親が、二人の子供のうちの一人、どうやら出来の良い方が川に溺れて死んでしまったことの悲しみの悲鳴とのことだ。この場面はいらなかったように思えるが、原題Forsakenが見捨てられたの意味なので必要だったのか?良く判らないが、悲鳴の後、ティロップと共に、生き残った方が、従軍後ガンマンだったが10年振りに山道の景観の中を馬と共に故郷ワイオミングへ舞い戻ってきた場面になる。西部劇冒頭よく使われる場面だが、いつ見ても詩情感溢れる気分になると共に、自然と西部劇の中に入っていくことが出来る。
実家の母親は既に他界、父親サミュエル・クレイトン(ドナルド・サザーランド)がおり、息子はジョン・ヘンリー・クレイトン(キーファー・サザーランド)で、実の親子共演。息子ジョンは、戦争に従軍後流れ着いた街で悪党たちと銃撃戦になった折、流れ弾で子供を死なせたこと等から銃を持たない覚悟。神父をしている父サミュエルとは過去の経緯から中々折り合いがつかず、かっての恋人メアリー(デビー・ムーア)はトム・ワトソン(グレッグ・エリス)に嫁ぎ子供まで。街は悪徳不動産屋ジェームス・マッカーディ(ブライアン・コックス)がならず者を雇って、住民に立ち退きを迫る等その横暴は激しさを増していた。
拳銃稼業から足を洗った息子ジョンの心の葛藤が克明に描かれる。父親との相
容れない関係とその修復が押しつけがましくなく描かれ、実の親子であることが尚更興味深く見られる。相手への対応に常に配慮を欠かさない態度を貫いているにも拘わらず、元恋人の夫の嫌がらせな発言やら、悪人たちの横暴がもういい加減にしてもらいたい暗い雰囲気が悶々と続くが、父親が瀕死の怪我を負わされるに及び、ヒューマンドラマから最後の10分が爆発的ガンさばきでの憂さ晴らしに突入。次々と子分達を殺し、最後にマッカディも倒す。狙われる身になると悟り、父に開墾した土地を託し、ジョンは旅立つ。後にメアリーが亡くなった墓標に、彼女がジョンに託した赤いリボンかけられていたことが余韻に残る。
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