8月10日(日)に知床半島の羅臼岳に岩尾別コースを使って会社員時代の山仲間3人で登りました。大きく報道された熊に襲われた犠牲者が出た4日前、同じコースです。
事前の準備として前日に地元の知床財団が運営する知床自然センターで熊避けスプレーをレンタルしました!ちなみにレンタル料金は一日1100円でした。レンタルの際には使い方のレクチャーを受け、現在の知床での熊の問題提起した短編映画を見ました。
また、登山口の木下小屋に宿泊し小屋の主から情報を聞きましたが「ここの熊は大人しくて人を襲ったことは一度もない。」とのことで、あまり危機感を抱くような内容ではありませんでした。この日は天候もよく無事に頂上付近の大きな岩場が続く難所を何とかこなして登頂を終え、下りを半ば過ぎたあたりの登山道で休憩してやや安堵感に浸っていた時でした。10人ほどのパーティーが下から登山道を登って来て、悲壮な表情で「さっきから親子熊に追いかけられている。あなた達も早く逃げて!」と言われ慌ててザックを背負って登山道を登り返し始めました。
すでに羅臼岳に登頂したあとなので体力的にも余力がなく、登山道で親熊にすぐ追いつかれました。我々のパーティーが最後尾だったので熊との距離はかなり近くなり緊張感が高まりました。仲間が熊避けスプレーを取り出しで発射の準備を始めたときに幸運にも熊の方で脇道に逸れてくれました!写真はそのときに仲間が撮ったものです。
熊が去ったあと、先に逃げ登ってきた10人のパーティーの先導をして我々がトップで熊が戻らないことを祈りながら大急ぎで下山しました!親子熊に追われたときに最後を歩いていた仲間は親熊の顔が大きく迫り、これで俺の人生も終わったと思ったそうです。
羅臼岳での熊の被害はすでにマスコミで報道されている通り、8月14日に26歳の東京の男性がわれわれと同じコースでトレランの最中に熊に襲われ命を落とす事故になりました。我々が遭遇した熊と同一の個体だったようで犠牲者が出たため当日地元のハンターにより駆除されましたが、この熊は「岩尾別の母」と呼ばれるこの地域では有名な母熊だったようです。今から思うと熊に追いつかれたときに大声またを出さずにいたのが幸いしたのかと思います!?
今年は熊による被害が多発していますが、熊による事故は熊の食糧難などにより人間と熊の距離が環境的に近くなりすぎたための悲劇かと思われます。今後、毎年この問題は発生する可能性が高いので人の安全を最優先することを前提に、人間と自然とがどのように共生できるのか模索していくことがこれからの大きな課題だと思います。
(編集子)現役3年の秋、恒例の涸沢BCと前後して、表銀ルートを歩くプランがあり、参加していたオヤエが燕直下の稜線でなんと熊に遭遇するというハプニングがあった。同行していた当時2年生の後藤文雄が、(俺が石拾って、こら!って怒鳴ったら逃げてった)と自慢したものだった。誰にでも好かれた好漢通称バタヤ、今この話を知ったら何と言っただろうか。五十嵐兄、ご無事で何より。

タダ乗りではないにせよ、米国の提供する安全保障の「最大受益者













