エーガ愛好会 (80)  くだらないエーガって楽しいぜ  (普通部OB 菅原勲)

昼飯後、余程のことがない限り(例えば、「緋牡丹博徒」)、爆睡してNHKは見ておりません(金藤さん、ご免なさい)。ですから、以下の映画は、夕食後、CATVで見たものばかりです。

一つ目は、「96時間」(2008年)。元CIAの工作員である、リーアム・ニーソンが、誘拐された娘を96時間以内、即ち、4日以内に取り戻す話しです。ニーソンが強い、強い、また、強い。悪い奴に雇われた良い奴(?)を次から次に殺しまくり、娘を助け出します。あの「シンドラーのリスト」のシンドラーってこんなことまでやる奴だったのか。

二つ目は、「夢のチョコレート工場」の続編「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)。工場長のジョニー・デップが、例によって、我儘勝手な子供を、彼らを甘やかしていた親ともども、色々な仕掛けのある工場に招待し、懲らしめるお話しです。秀逸なのは、噛むと食事のコースが味わえるガムです。ひときわ我儘な女の子が、スープ、主菜、と来て、デザートはブルーベリー。ところが、それを味わった途端、女の子は、ブルーベリーとなって、ゴミ捨て場に落ち込みます。

三つ目は、「ミッション・インポッシブル」の第6作、「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」(2018年)。至極、複雑な話しですが、要は、トム・クルーズが、原爆のよる爆破を1秒前に阻止するお話しです。ここでも、クルーズは不死身。最後は、カシミールにある絶壁で格闘し、滑り落ちて、垂直な壁にしがみつき、五輪のスポーツ・クライミングの金メダリストにも真似の出来ない離れ業を演じて世界を救う。なお、「96時間」も「ミッション・・・」も主な舞台は、皆様のお好きなパリです。ニーソンは走って走って、また、走って、セーヌ河を行くボートに乗り移ったり(ここで娘を取り戻します)、クルーズもパリの町を駆け抜けます。何故か、小生の中では、両方がゴッチャになっています。

見る人が見れば、クダラナイ、バカバカしい、碌でもない映画です。でも、だからこそ無条件で面白い。世に言う傑作、名作ばかりが映画だとは思いません。大いに楽しみました。

(編集子)スガチュー、いいこと言うね。こういう小生もCATVの3つか4つのチャネルを駆け回って ”くだらない” と卑下することは不要と思うが、まあ名作傑作というにははばかられるカツゲキものを愛好している。

何度か触れたが、”時代劇専門チャネル” に復活した、いわば二大江戸町奉行すなわち ”遠山の金さん”(松方弘樹ほか)および ”大岡越前”(加藤剛)をほぼ欠かさず見ている。”金さん” は目下放映時間がニューズ番組とぶつかるので、少し頻度は落ちたが、”大岡” は午後5時放映、と理想的なので、ジントニックとつまみの沢庵3キレをもってテレビの前に座るのがここ半年くらいの日課である。ほかにもこれまた無敵荒唐無稽ヒーローの典型、スティーブン・セガールのシリーズとか、時々出てくる準(?)正当もののトム・クルーズ、最近売り出し中のジェイムズ・バトラーのものなんかである。いくつかのチャネルではなつかしいセーブゲキも時々出てくる。昨日なんとなく合わせたチャネルで リオグランデの砦 をやっていたので、キャストで今まで知らなかったのを確認したり、サンズオブパイオニアーズのコーラスに集中したり、再発見がいろいろあって楽しかった。

”大岡”シリーズはいやはや大部なもので、発足当時の加藤剛と第12部(!)あたりの加藤とは別人といえるくらい変わっている。シリーズキャラクタも入れ替わるけれども高橋元太郎と松山英太郎だけは出ずっぱりで、昔をしのぶには結構な時間である。”金さん” はストーリーの必然的展開として 最後に奉行がもろ肌脱ぎ ”この桜吹雪、知らねえたあ言わせねえ。てめえらま、だシラ切ろうってのか!” と言わなければならないので、落ちは絶対に勧善懲悪の断罪なのだが、”大岡” のほうは例えば有名な 三方一損損 のような人情ものもあったりするし、その白洲では推理小説でよくつかわれるトリックが解明されたりと、変化に富む。ただ最初の15分程見ればほぼストーリーの組み立てはばれてしまい、小生はこれをパターンAからパターンCと分類していて、最後にやっぱしそうだろ、越前!と納得するのが楽しい。

ま、船津のつぶやきではないが…….もっとも奴はカツゲキなんかみないだろうが…….エーガっていいなあ。