映画はパリの死刑執行人を代々務めるサンソン家の4代目当主として、 ルイ16世、マリー・アントワネット、ロベスピエールなど、 王族貴族から庶民まで3000人余を手にかけた男、 実在の死刑執行人シャルル=アンリ・サンソン(1739− 1806)の苦悩を描いたものです。
権力者から道具として使われ、 庶民からも蔑すまれ差別を受けた悲運の生涯。
処刑人は世襲制で、国王から直々に任命される正義の番人。 生活レベルは貴族並み、国王の代理として正義の仕事をしている事を心の支えに職務を果た していたのに、フランス革命という歴史の転換期、 国王ルイ16世までも死刑執行することになってしまいます。
言語由来辞典によりますと、
『ギロチンは、フランス革命の頃、
(ジョゼフ・ギヨタン)の名に由来する。
彼の名前から、この処刑台は「Guillotine( ギヨチーヌ)」と呼ばれ、ドイツ語読みで「ギロチン」となった。 その後もフランスでは、 死刑執行にギロチンが使用され死刑制度が廃止される1981年9 月まで使われていた。
とあります。
フランス革命という激動の時代、サンソン家の4代目当主アンリ・ サンソンは考案されたギロチンを使うことにより多くの罪人の死刑 執行をすることになりました。処刑人の家に生まれ (サンソン家は医者の家系でもある)、 自分の代で死刑執行人を辞める事は許されず、時代に翻弄され、 それでも法に従い厳格に仕事をこなしていったアンリ・サンソン、 死刑執行人でありながら実際には死刑廃止を訴え続けていたという 。死刑執行を記録したアンリ・サンソンの日記が発見され、 サンソン家に関する本が出版されています。
映画「大人は判ってくれない」を鑑賞後、主役の少年 アントワーヌが崇拝していたバルザック(1799ー1850) に関するWikipediaの記載を読んでいましたら、 フランスの文豪バルザックはヴィクトル・ ユーゴーやアレクサンドル・ デュマの親友でもあったとありましたが、サンソン家とも懇意だっ たようです。