コロナ蔓延に対する自衛策-個人で注意すべきこと

KWV  OB おなじみの船曳ドクターから頂いているコロナ情報に加えて、普通部時代の同期生、篠原幸人君から、より個人に近い貴重なアドバイスを頂戴した。同氏のご同意をいただいて、メールの一部を転載する。新型コロナの可能性がある方は安易に手元の常備薬に手を出すなという警告として伝えてほしい、と同君は付け加えている。

なお、添付の写真はやはり同期生、慶応高校時代の新聞会で ハイスクールニューズ の仲間、船津於菟彦君が ”老眼鏡や虫眼鏡” 世代向けに特に作ってくれたものである。編集子と同時期に同高に在学した人ならば彼の名カメラワークはたびたび目にしてきたはずだが、時を経てまた彼のご厄介になろうか。

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皆さん、このコロナ禍が始まって約1年、毎日、体温は測っていますね。してない人は反省してください! しかし、朝37.5℃以上の発熱が一回でもあったり、のどが痛かったりひどく乾いたり、咳やくしゃみ、頭痛がすこしあったりで、コロナでは”ない“と思うけれど、風邪かな心配だなと思ったことはありませんか? そんな時にどうしていました? 放置した? かかりつけの医師を受診した? 家にある常備薬を飲んだ? かかりつけの先生も来て欲しくないから「もう少し様子を見て、熱が続くようならPCRのできる病院に行ってください」といわれたかな?

 どれが正解とも結果を見なければ言えないわけですが、一番してほしくないのはその場凌ぎで、自己判断で手元にある常備薬を勝手に飲んでしまう事です。

「サイトカインストーム」という医学用語をご存じですか? 新型コロナウイルスが体内に入ると、感染した細胞からサイトカインとよばれるたんぱく質が放出されます。これは人体の防御反応のひとつでそれ自体は良いことなのですが、この放出が過剰に起こると免疫機構が働きすぎとかえって健康な細胞まで攻撃してしまうのです。これがサイトカインストームで、新型コロナでは肺の組織に穴があいたり、血栓が血管内にできやすくなるのです。

 WHOなどからアセチルサリチル酸やイブプロフェンなどを含む解熱薬・風邪薬・頭痛薬はこのサイトカインストームを起こしやすくするという警告が出ています。無論まだ結論が出たものではありませんし、単なる風邪や頭痛だったならば何を服用しても問題はありません。

しかし実は一部の風邪薬や頭痛薬はこのサイトカインストームを起こしやすくするのです。このエッセイの読者は、できればこの点を注意して、簡単に常備薬を飲んだりしないでください。また、かかりつけの先生から「コロナかもしれないけれどこの薬を飲んで少し様子を見てください(この「様子を見てください」という言葉には私は不信感があります。 よく分からない時に医者はよくこの言葉を使います。但し無意識に私も使っていますが)と言われたら、この薬はどんな内容かを訊いてください? 実地医家の先生の中には新しい学説には無頓着(勉強不足というべきか?) な方も“偶に”いらっしゃいます。もっとも先述したようにまだこの学説は完全に定着したものではありませんが、薬屋さんで改めて頭痛薬や風邪薬を買うときの参考にもしてください。薬の箱には「多分購買者はこんなところまで読まないよね」という感じで読めないほどの小さな字で薬の成分などが書いてありますね。老眼鏡や虫眼鏡で良くチェックしてください。

 服用を回避すべき風邪薬・頭痛薬;

 アセチルサリチル酸、イブプロフェンを含む薬:例えばバッファリン、ロキソニン、バイアスピリン、イブクイック、ノーシン,ナロンエース、PLなど。

 服用しても恐らく大丈夫な風邪薬;

 アセトアミノフェンを含む薬:新コンタック、パブロンなど

 一部の実地医家の先生や薬局の方には一笑に付されるかもしれませんし、これはまだ定説とは言えません。しかしどちらかといえば、サイトカインストームになりやすい状況は避けてください。新型コロナでなく、単なる風邪だったら過剰な反応だったと後で大笑いすればいいのです。今日は肩の凝る話でしたね。

それにしても、今日は寒い。