エーガ愛好会 (355) サスカチワンの狼火    (34 小泉幾多郎)


風光明媚なカナダ西部のサスカチワン州(マニドバとアルバータ州に東西で接し、南は米国のモンタナ北ダコタ両州に接している)にロケーションして製作したカナダの北西騎馬警官隊を扱った1954年制作のラオール・ウオルシュ監督、アラン・ラッド主演作品「サスカチワンの狼火 Saskachewan」。この騎馬警官隊で有名なのは、ハリウッドの生きた歴史と言われた巨匠セシル・B・デミル監督ゲーリー・クーパー主演「北西騎馬警官隊North West Mounted Police1940」。両者共プログラムが見付かり、これには、1952.1.13於横浜国際劇場と記載。この「サスカチワン狼火」のプログラムには日付の記載はないが、戦後の1954年制作だから、その年には公開されていたようで、両者共、高校生時代に観ていたことになる。

西部劇乍ら、カナダが背景で、カナダの警官隊が主役とは珍しいが、ゲーリー・クーパーは、テキサスレインジャーで犯人を追ってカナダへ。アラン・ラッドは騎馬警官隊員だが、敵役の先住民がカナダ在住の先住民クリー族ではなく、米国からやって来た直前にカスター将軍の部隊を全滅させたスー族と工夫は凝らしている。

北西騎馬警官隊警部オローク(アラン・ラッド)は、両親を殺された際.カナダ先住民クリー族酋長の息子ケジュウ(ジェイ・シルヴァー・ヒールズ)の義兄弟として育てられ、そのケジュウと辺境の巡察を終え、砦へ戻る途中。越境してきたスー族に襲われたグレース・マーキィー(シェリー・ウインタース)と同行することになる。オローク不在中、新任の隊長ベントン(ロバート・ダグラス)が赴任し、事あるごとに、オロークと対立することになる。味方になるクリー族から銃を取り上げる等から、クリー族とスー族との合議の成立から一時守備隊は危機に陥ったが、その危機を乗り越え、守備隊とクリー族の合同によるスー族背後からの攻撃により、スー族は米国へ逃げ去ることになった。グレースは殺人の疑いが課せられていたが、それも解消し、オロークと共にモンタナに旅立つことになった。

冒頭からサスカチワンの岸壁から渓谷に至る風光明媚な差がアクションの連続の中に楽しめた。豪快なタッチで知られるラオール・ウオルシュによる先住民との戦いが、脚本・撮影・音楽との三位一体で楽しめたと言えるのではなかろうか。

(編集子)放映があるのは知っていたが、見過ごしてしまった。実をいうとこれも古典?だが ”モホークの太鼓” とごっちゃにしていた気がする。小泉先輩も言及しておられるが、カナダに場を移したセーブゲキ、というのはあまりお目にかかれない。クーパ^―の北西騎馬警官隊、のほか、カナダ平原、というのを見た記憶があるが。

(HPOB 小田)アラン・ラッドの「シェーン」の翌年の主演作ということで「サスカチワンの狼火」初めて観ました。アラン・ラッドはゲーリー・クーパーのオーラにはかないませんが、少しおっとりした誠実さを感じます。騎馬警官隊の赤の制服は鮮やかで敵に見つかりやすいのでは…と心配になりましたが、綺麗なカナダやモンタナの山や湖の背景に映えますね。

(狼火…昔中国で狼の糞を薪に混ぜ火をつけると、その煙は風に強く、まっすぐに上がることから“のろし“の字に使われているそうです)。
小泉さん、飯田さんは高校時代に御覧になられたとか…、きちんと記録と記憶に残されているのに驚きました