昨日の新聞に トランプ暗殺計画、という記事があった。もとFBIの高官だった人物が砂浜に 8647 という文字を書いたのがそれだ、というまさに映画か漫画の世界のような話だ。解説によると、86、という数字は米国の俗語で殺人を示し、47、というのはトランプが47代大統領だからだ、というのだ。
英和辞書をあたってみると、確かに米国の俗語として、86という数字はそのままつかうこともあるようだ。辞書のヘッディングは eighty six で出てくるが、 金を払わなかったり暴れたりするので酒を出さない客、というのが原義で、好ましくない客を断る、さらに転じて排除する、追い出す、殺す、というように使われると書いてある。
いろいろな職業、現場にはそれぞれ特有の符丁が存在する。高校時代、まだテレビドラマといえばアメリカ製だった時代、人気プログラムのひとつに ハイウエイパトロール、というシリーズがあり、主人公のブロデリック・クロフォードが無線で本部とやり取りするシーンでよく出てきたのが 10-4 (ten-four) という略号で、これは ”了解” を示す用語だった。アマチュア無線の世界では電信(モールス符号)による通信に用いる一連の略号があって、英文字3字、それもすべてQで始まる三文字で構成され、Q符号、と呼ばれる。これはもともと電信通信業務で使われていたプロの世界の慣習がハムの間で使われるようになったものだ。たとえば QTH? という送信は通信相手の場所を尋ねるいみで、聞かれたほうは QTH TOKYO と答えるので、転じて、住所を意味するようになってきた。数字2桁、の略号もいくつかあって、一番一般的なのは 73 は さよなら、ごきげんよろしく、を示す。これの転用として、相手が女性と分かっているときは 88 と打つ、というようなことだ。試しに辞書で seventy three と引いてみたが記述はなかった。
このほか、ハムの世界での常用数字として、相手の信号の質や強さを表すのに3個の要素を取り、5あるいは9段階の数字をあてはめる慣習がある。質もよくよく聞き取れる問題のない、いい信号、は599という(電話の場合は59)形で表現される。どこかで見たよなあ、と思っていたら、高尾山の標高が599メートルで、高尾山口駅からケーブルカー乗り場へ行く道にこの数字が書かれていたのだった。ま、俺たちが通ってる山は文句のない、いい山なんだ、ということだろうか。
トランプから脱線した。それでは73。Ten-four ?