日本の旅 鵠沼・蓮池  (41 齋藤孝)

まるでチューリップみたいな花姿。
大きなツボミは夜明けに開いてくれる。幻想的な蓮池。徒歩2分の近場にある。

ピンク色した蓮の花が「蓮池」に群生している。
水面に浮いている大きな葉もあるが長い茎をピット伸ばしている。
重い花を水中の蓮根(れんこん)がシッカリと支えている。
お釈迦様は、右の手の平に一輪の蓮の花をのせて説法された。

「蓮池」にピンク色した蓮の花が浮かんでいた。大きな葉っぱの表面は輝いている。その名は「舞妃蓮」(まいひれん)と呼ばれる。華麗なお妃さまのお名前である。私は書き間違えて「舞悲恋」とした。これの方がロマンがありそうだ。

蓮池は悲しいエピソードも伝えてくれる。

2005年7月7日午後に雷が鳴り夕立が湖面に激しく降り注いだ。 ピカと稲妻がヒカリ、天空から木々を抜けて池の水へ走り抜けた。松の木陰で雨宿りしていた二人の女性が落雷死された。 岡崎昌子さんと娘さんにとり蓮池散歩中の事故だった。先輩親子の御冥福を心から祈った。

(編集子)岡崎昌子。旧姓橋本からおはし、と高校時代はよばれていたのだろうが、KWVでは 箸、すなわち部での用語として使われた ”武器” ということから ブキ、というニックネームで親しまれていた。山に強く、快活な性格でだれからも好かれ、同期ではこれも事故死してしまった総務細田を支え、女子部員の中心にいた人である。落雷による事故死、などという結末は誰も考えてもみなかった悲劇だった。小生がワンデルングで同行した最後は、八甲田合宿再現、というテーマで当時を知るOB仲間たちで東北を旅したときだった。帰りのバスでたまたま隣席になり、彼女の隣に座った町井(旧姓舟橋)かをるとの長話を(うるせえ、早く寝ちまえ!)なんて思いながらうつらうつら聞いていたことを思い出す。クメキチこと久米吉之助令夫人の通称コブキは、彼女が岡崎を彷彿させるからであると承知している。合掌。