老化進行防止―ドクターの独り言ですけど  (普通部OB  篠原幸人)

どうも最近、何かをやろうと思っても、なかなか始められません。初めても長続きしません。例えば、今、自分の部屋には読みたい文献のコピーが“所狭し(この言葉は源氏物語や宇津保物語、枕草子にも出てくる由緒ある言葉だけれど、今回は全く関係なし)”と散乱しているし、部屋自体も今は散らかり放題です。一念発起して片づけを初めても直ぐ嫌になり、途中でやめてしまいます。また明日やればいいかと、まさに“あすなろ物語”ではなく“あすやろ物語”と自分で揶揄している状態がずーと続いています。この“根気のなさ”もいわゆる老年期の症状なのかもしれません。皆さんはどうですか?

今年は、寝る前に毎日、最新の自分の専門に関係ある最新英文論文を1文献だけでも読んで睡眠薬替わりにしよう一念発起しましたが、ついアジアカップのサッカーを見ちゃったりして。

でも一つ、初めてから半年以上続いていることがあります。最近、テニスコートに行っても同年配の方々はほぼ引退か病気休養中。相手にも困っていましたが、東京ローンテニスクラブでアメリカ人のテニスコーチと知り合い(念のために言っておきますが、男性です)、週に1回はこのコーチと30分程打つことを始めました。バックハンドストロークを従来の片手打ちから、両手打ちに遅まきながら変えたので、その修正も含め、また久しぶりに英会話を忘れない為にも、丁度いいお相手です。無論、コーチ代はしっかり取られますが。

但し、相手はレッスンプロ。ほぼミスはしないから、15分も続けて打ったら、こちらは息も絶え絶え。途中でミスしてホッと一息つこうにも、相手はボールの入っている籠から手品のように次々に球を出してくる。フラフラになりながら30分が終了。サディスティックな趣味と言わないでください。前後で血圧値も殆ど変わりませんよ。

これはほんの一例ですが、皆さんも何か多少きつい何かを始めませんか。最初は義務みたいな感じでもいいと思いますよ。このような85歳からの手習いも老化防止にはいいかも。老化はもう始まっているから、正しくは老化進行防止かな。