エーガ愛好会 (235) マーベリックの黄金  (34 小泉幾多郎)

「マーベリックの黄金」は1971年制作、ユル・ブリンナー主演、テキサスを舞台に、黄金をめぐって、無法者たちが強奪合戦を演じる西部劇。原名Catlow は、主演ブリンナーの役名。「マーベリック」というと米国1957年制作ジェームス・ガーナー主演で、5年間TV放映され暴力よりも口達者な西部男による軽妙なドラマ作りが受け、日本でも1961年に放映され、楽しませてもらった記憶がある。1994年には、リチャード・ドナー監督、メル・ギブソン主演で映画としてリメイクされた。つい最近の2022年には、トム・クルーズの出世作、「トップ・ガン」の続編「トップガンマーヴェリック」で史上最高の腕前を持った伝説のパイロットのマーヴェリックを演じ大ヒットした。

Marverickとは、独自路線を往く一匹狼、異端者、無所属という意味を持つらしい。焼き印のない放牧牛を示したりもするとのこと。この映画では、持ち主
不明の黄金をめぐっての無法者たちの盗り合いということから、題名としたようだ。

ストーリーは、牛泥棒キャットロー(ユル・ブリンナー)を南北戦争当時の友人でもある保安官カワン(リチャード・クレンナ)と牧場主たちが選んだガンマン、ミラー(レナード・ニモイ)が追いかける話。キャットローが焼き印のない牛を盗んでも罪でないと勝手なことをほざくことも題名に由来するのだろう。そのキャットローがメキシコで持ち主不明の200万ドルの黄金を奪取する計画をたて、奪取して砂漠へ逃げ込むが、追手やインディアンの追撃に遭ったりして、卍巴えの大混戦。カワンがメキシコ将軍の甥をインディアンから助けたり、諸々の事件があり、メキシコ軍の駐屯地に落ち着き、町を挙げての大舞踏会が開催される。その間、ローと情婦ロジータ(ダリア・ラヴィ)、カワンと将軍の娘クリスティーナ(ジョー・アンブフルーク)との関係が発展したり、黄金をめぐる争奪戦も最後は、ミラーの追撃を受けたカワンが傷つきキャットローがカワンの銃でミラーを倒し、カワンのバッジを胸に付け「囚人は俺が届けるよ」とカワンをクリスティーナに託して去って行き、終幕。主人公であるキャットロー自体が、牛泥棒を演じるブリンナーは善悪付けずらいところへ、追いかけるカワンが元友人であり、牧場主が依頼したミラーも本来は悪人ではないとなると善悪がすっきりしない。

この人は ”ランボー” のほうが馴染みがあるようだ

まああまりそんなこと気にせずに、三つ巴の争いにインディアンとの戦いを楽しめばよいのかも知れない。主人公ブリンナーも役柄を楽しみながら演じており、いつもと違うユーモラスな演技を見せていた。それにしてもマーベリックの黄金は、どうなったのだろう。カワンは黄金は南軍のものだったから米軍に返還すると言っていたが、愛人クリスティーナとメキシコに残るとするとキャットローがちゃっかり掠め取ったかも?

 

例によってグーグル解説のお出ましを願おう。今回の解説はどうもわかりにくいが、いわく:

マーベリック(maverique)は英語の「maverick(一匹狼、独自路線を行く)」とフランス語の接尾辞「-ique」を組み合わせて作られたジェンダーを表現する名称で、男性でも女性でも中性でもない「独立した性別」を指します。性自認が男性・女性どちらにも当てはまらない「ノンバイナリー」に含まれ、「マーベリック」は男性・女性と同じでそれ自体が独立した性別です。