港区白金で考えるウクライナ戦争   (普通部OB  菅原勲)

ロシアのプーチン大統領は、最近、ウクライナとの戦争をどうやって決着をつけるか、日夜悩んでおり、なかなか寝付けない毎日を過ごしている。従って、その寝不足が祟って、やっと眠ることが出来た。そして、直ちに夢を見た。

先ず、ロマノフ王朝のニコライ二世が出て来た。「ヴォロージャ(ウラディーミルの愛称)、ロシアの国土は広い、そして、天然資源は極めて豊富だ。しかし、ロシアをロシアたらしめているのは、そんなことではなく、ましてやウクライナなんてチッポケナことでもない。それは、例えば、作家のトルストイ、劇作家のチェーホフ、作曲家のチャイコフスキ、画家のレーピンなどによって代表されるロシア文化そのものだ。従って、貴兄がやるべきことは、戦争なんかではなく、その真っ当な復活なのだ」。

次に、ドイツのヒットラー総統が出て来た。「プーチンさん。私が貴国にやったことをまさかお忘れではないだろうね。モスクワ占領はもう少しのところだったが、アメリカの武器貸与法のお陰で、残念ながら、見事に押し返されてしまった。そして、そのアメリカの武器貸与法が、今度は、貴兄が侵攻したウクライナに適用されている。このままで行くと、ロシアは本来の国境まで押し戻され、場合によっては、ベルリンが占領されたように、モスクワも占領されてしまうだろう。そうならないためには、直ちに、本来の国境線まで戻って、停戦ではなく終戦にすべきだ」。

次に、ソ連のブレジネフ書記長が出て来た。「ヴォロージャ、アフガニスタン侵攻を思い出してくれ。結局、あれがソ連崩壊の引き金となった。他国を占領することが、どんなに人、物、金のかかる大変なことなのか、致命傷とならないうちに手を引け。それが、ロシアが、この地上からの抹殺を逃れる唯一の方法だ」。

最後に、米国のリンカーン大統領が出て来た。「プーチンさん。直ちに劇場にお行きなさい」。

そこで、はっとして目が覚めた。