エーガ愛好会 (190) カルメン故郷に帰る  (大学クラスメート 飯田武昭)

高峰秀子の映画は「二十四の瞳」「浮雲」「カルメン故郷に帰る」「新・平家物語」「無法松の一生」などは見たことがあり、この機会に「カルメン故郷に帰る」を再見してみた感想です。この映画は戦後間もない昭和26年(1951年)松竹製作(木下恵介監督)の日本映画初のカラー映画ですが、日本の原風景の描き方や喜劇タッチを大いに取り入れた演出・演技は何とも快く爽快な作品だと思いました。

話は上州北軽井沢の村の娘が東京へ出てストリッパーになり、女友達を連れて故郷に凱旋した間の村の小学校でのエピソードでストーリーは展開するのですが、小さく噴煙を吐く浅間山が常に背景に見渡せる白樺林と山の麓や広い丘のショットが多く、キャメラを斜め下から撮る映像で、真っ青な青空と緑の草原に
馬の群れが長閑に闊歩している場面は、「サウンド・オブ・ミュージック」のオープニングの場面(オーストリアのザルツ・カンマーグート)を画面の大きさこそ違え、思い起こさせる清々しさを感じます。

高峰秀子は当時27歳ですが、このコミカルな役柄を伸び伸びと陽気に演じているのは、彼女の人となりを少しでも知った今では、驚くような才能を感じてしまいました。この映画で高峰が2~3曲歌を唄うのですが、その主題歌“カルメン故郷に帰る”は歌(高峰秀子)、作詞(木下恵介)、作詞(黛敏郎)というのも改めて驚きます。木下恵介監督とはこれが初めてで、その後「二十四の瞳」を含め7~8本の作品を残しています。

(保屋野)
なお、「カルメン故郷に帰る」の主題歌は「同名の歌」ともう一つ、KWVでも良く歌われた「そばの花咲く」(火の山のふもとの村よ・・・)があります。
この撮影中、軽井沢に滞在してた「梅原龍三郎」のモデルとなっていますが、この絵は、彼の数少ない貴重な「人物像」の一つです。

(編集子)日本初のカラーフィルムということで映画の存在は知っていたが見る機会を逸してしまった。ただ飯田兄が書いている主題歌のうちのひとつは小生の愛唱歌のひとつだが、タイトルを忘れてしまった―誰か教えてーと書こうと思っていたら、保屋野君からの同様のメールが届いた。哀調を帯びて、いいメロディである。一部しか思い出せないがどなたか補足していただけると嬉しいのだが。出だしは次の通りだった。正式?なタイトルも知りたいのだけど。

火の山の 麓の 村よ
なつかしの ふるさと
花に木に 梢の鳥に
光満てる わが里

  

(保屋野)ブログ拝見しました。「カルメン故郷に帰る」の挿入歌「そばの花咲く」(映画では「我が故郷」)は私も大好きな歌です。作曲、作詞は木下忠司(木下恵介の弟)です。彼は、水戸黄門や桃太郎侍も作曲しています。

火の山の 麓の村よ 懐かしの故郷 花に木に 梢の鳥に 光満てる わが里

からまつの林をぬけて 石清水湧くほとり 白樺は 白く気高く さ霧に濡れて立つよ

緑濃き 牧場の柵に たたずめる 若き日は 牛よ馬よ 真白き雲が 憧れのせて行くよ

子らも又 旅立ち行けど いつの日にか 帰り来る 火の山の 山の麓の そばの花咲く ふるさと

(編集子)ありがとう。僕らが2年のころ、学連の女子ワンからいろんな歌がは入ってきてビ-ハ”ーなんかが歌唱指導していたひとつです。スキー合宿では彼女の高い声の 雪の蒼さを通す窓 なんてのが思い出されます。