ワクチン接種前-PCR検査の実情について   (普通部OB 篠原幸人)

(編集子)普通部時代の友人、篠原幸人ドクターから同期仲間に送られている随想メールの一部をご紹介する。医学専門家からみたワクチン接種の実情を参考に今後の健康管理を心掛けたい。ドクター、毎々のご感想ご指導、感謝。

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 前回、ワクチン接種の経験談を書きました。それを読んでやはりワクチンを受ける気になったという嬉しい便りも頂きました。但し、ワクチンは2回接種が原則ですし、初回接種後2週間ぐらいまでは効果を発揮できないと言われています。接種したからとその翌日から夜の街に行くなんてことはやめてください。active 高齢者とは今は誉め言葉ではないですよ。

私も喉のイガイガ、軽い咳などあり、5日目には何と37.0℃と軽い発熱。体温はコロナの診断標準には達してないが、患者さんに接する身だしね。私から他人にうつすわけには絶対にいかない。発熱は2日で下がったけれど、友人とあったのはワクチンを打つ前だし、念のため外来患者さんの予約を全て一週ずらし、自分のPCR検査を施行しました。

このPCR検査は最近は唾液を使ってやる施設が多いが、私が受けた東海大学東京病院ではより正確を期して鼻腔から検体を採取する。抗原検査とPCRの両方のために左右2回づつ、合計4回も綿棒をこれ以上奥までは突っ込めないだろうというほど鼻の奥深くまで挿入され、かき回された。抗原検査は1時間ぐらい待てば院内で結果が出る。イライラしながら待っていると「先生、陰性でした」との連絡。これで第1関門は通過。しかしこの抗原検査は良くて70%ぐらいの確率。本当のコロナ遺伝子検索であるPCRのためには、遺伝子を増やして調べるので丸1日かかる。帰宅して、眠れない?夜を過ごす。本当はグッスリ寝たが、翌朝の血圧は普段より20mmHgほど上がっていた。俺も気が小さいね。

陽性なら2週間休養できて嬉しいが、それでは外来患者さんや関係者に大変な迷惑がかかる。翌日15時まで待っても病院から連絡なし。16時半ごろやっと「先生、PCRも陰性です」との電話。正直、自分では大丈夫とは思っていたが、スケジュールを大幅に崩さなくていいと分かって本当にホッとした。

皆さんも一寸でもおかしいと思ったら、PCR検査を受けてください。検査は長くても2-3時間で済みます。心配して結果を待つのが苦痛だけどね。鼻腔で検査したくなかったら口腔内でとお願いすることも可能です。病院によっては、くしゃみされると困るからと、最初から唾液でやることもありますね。これでワクチンも、PCR検査も自己の経験談を話しました。コロナで入院するよりずっと楽だと思います。皆さんもそんな状況に陥ったら、恐れず挑戦してください。