アメリカ人の愛国心について  (37 宍倉勝)

この一年、米国大統領選選挙関連の報道がマスコミ界を席巻し、いわゆる”電波芸者・寄生虫“と称される、種々のバックグランドを持った評論家の飯のタネも終わりました。今は新大統領の政策・方針が報道の世界を賑わいはじめました。

大所高所の議論・判断もさることながら、小生が思うに、今米国民の大きな関心・懸念は、米国民の73%が嫌悪する、中国に対する方針ではないのでしょうか。世界戦略を展開している中国が、米国を凌駕し、世界の覇権の地位を奪うのではないかとの懸念です。

大統領選挙で国論が二分され、米国内での分裂が盛んに報道されています。私はこの様な米国の事態は表面的&一時的現象だと考えています。米国民の強い愛国心を考えると納得します。米国民は自己主張が強く、議論好きです。これは多民族国家で、自己を強く表現しなければ生きられず、社会に埋没してしまうからです。その点自己主張をほとんどしない日本の国民性とは大きく異なります。

数年前のある調査機関(機関の名称わ忘れました)の調査では、世界で愛国心の一番強いのは米国民であるとの調査結果がありました。強い愛国心を持つためには、自分が住んでいる国に誇りを持ち、自国を好きでなければなりません。

米国に住んでみると、いわゆる“Comfortable”&“Reasonable”な社会であることを強く身近に感じます。米国生活を経験した人はほぼ100%同感してくれると思います。ジャイさんのブログに滞米中の経験談がありましたが、米国籍(市民権、永住権)の取得を熱望し、感激する人々の様子を私も滞米中に体験をしました。

  • 国家的なスポーツ等の行事では勿論ですが、ローカルな行事でも、競技開始前には観衆一同起立、国歌斉唱、終了と同時に、ジェット機の編隊が爆音を発し上空を飛び、いやがうえにも盛り上がり、愛国心が高まります。
  • 移民局に行けば永住権を取るために、早朝から長い行列ができ、その日のうちに書類が受理されず窓口が時間切れとなると、整理券を受け取り翌日再度並びなおさねばなりません。同じことを2,3回繰り返しやっと書類が受理され審査がスタートします。移民局の外で、永住権の資格取得に成功した人たちが涙を流し、抱き合い喜んでいる光景を何度も目のあたりにしました。小生も永住権取得の過程で同じ経験をしました。シカゴの友人に最近の様子を聞きましたが、相変わらず移民局の行列は続いているとのことです。

時にはヤンチャ的でしたが、発言力があり有言実行のトランプが好きでした。バイデンが強い指導力を発揮し米国をリードすることを期待します。

(37 菅谷)オシシ兄、貴意を拝聴、私の感想を書きます。

①貴兄が愛する米国のために、過っての米国の良識を取り戻すために弾劾裁判を粛々と進め、トランプは政治の世界から退出して貰う。
②彼の4年間は米国の抱えている病を癒すことよりも傷口を拡げる結果となり、特に大統領選挙戦・前後の言動は呆れるばかりであった。
③トランプが荒らした土壌を耕し、再び緑を取り戻すバイデンの役割は生易しいものでない。辛抱強さと時間が必要だ。
④コロナ・パンデミックの様な、全て不確かなカオスの時代には独裁や強権を振りかざす為政者が、国のリーダーとして持て囃されがちだ。
⑤バイデンが使命を全う出来るか、今こそ民主主義を標榜する国々の結束が肝要だ。だが秋にはメルケルも去り、夫々の政権基盤にも不安が付き纏う。
⑥ましてや、番頭さんが分限の政治家を首相に選んでしまった我が国の国際社会における存在感はどうなるのか、不安を通り越してそら恐ろしい。