(船津)土日曜日亀戸天神菊祭り・七五三満開 何となく撮りました。菊の香りをゆく秋と共に感じて戴ければ——
11月 月いち高尾報告 (39 堀川義夫)
コロナの自粛解除となったとは言え、まだまだ予断を許しませんが、2021年6月23日以来の月いち高尾を開催しました。
参加者は22名で気持ちの良い秋晴れのなか紅葉の最盛期には少し早かったですが、皆さん、久しぶりのトレッキングを各自の体力に合わせて楽しむことが出来ました。水曜日にも係わらず結構な人出で、特に頂上付近は小学生、中学生の遠足でごった返していました。我々は、3コースに分かれて細田小屋に集結、久しぶりに値上げをして400円になったなめこ汁を味わいました。下山は体調に合わせて再編成し、稲荷山コース、ゆうびん道から日影沢林道、ケーブル利用コースに分かれて下山し、参加者の内、15名がてんぐ飯店で打ち上げを楽しみました。
参加者(敬称略)
- 大垂水峠⇒城山⇒細田小屋コース 岡沢(L) 矢部、多田、西澤昌、武鑓、保屋野、下村、安田、斎藤邦、羽田野 10名
- 大垂水峠⇒城山⇒細田小屋コース 伊川(L) 小泉、菅谷、蔦谷、相川 5名
- ケーブル利用⇒細田小屋コース 堀川(L) 吉牟田、高橋良、中司、平松、町井、猪俣恭 7名 合計22名
(51 羽田野) 昨日の「月いち高尾」に初めて参加させていただきました。
好天に恵まれる中、紅葉と素晴らしい富士山を眺め、気持ちのいい風に吹かれ、久しぶりに山行のすばらしさを堪能いたしました。本当にありがとうございました。諸先輩方の健脚に本当に驚きました。皆様、塾生時代、そしてその後も鍛錬してこられたのだな、と思いました。私も皆様を目標に頑張ります。 私は京王線沿線に住んでおりますので、高尾山は地の利もよく、馴染みがあり(ただし麓までですが)、高尾山の素晴らしい会に参加させていただきとても嬉しかったです。今後ともどぞよろしくお願い申し上げます。
(34 小泉) 昨久しぶりの月いち高尾お世話様でした。日頃の不摂生がたたり、
帰りの一杯楽しかったことでしょう。体調を考え失礼しました。写
(51 斎藤)今日の「月いち高尾」では大変お世話になりました。私が撮影した写真をお送りします。今後ともよろしくお願いします。
ヨーロッパ圏でのコロナ感染状況 (普通部OB 田村耕一郎)
世界保健機関(WHO)は、ロシアや中央アジアなど 旧ソ連諸国を含む欧州管内53カ国で10月最終週の新規感染者数、死者数がともに世界の約5割を占め、再び感染の震源地」になったと警戒を強める。 ワクチン接種が進んでも悪化に転じた国もあり、 ドイツは希望者全員に3回目の「ブースター接種」をする方針を決めた。 WHO欧州地域事務局によると、10月最終週は管内の新規感染者
も1回でも接種した人は5日現在で人口の39・4%にとどまって
100万人あたりの1日の新規感染者数は エストニアやスロベニアでは1千人を上回る。日本の人口に換算すれば12万人を超える事態だ。約700人のオーストリアでは、ウィーン市が
ただ、接種完了が約67%の ドイツも感染拡大のペースが加速している。5日発表の1日の新規感染者数は3万7120人と2日連
寒くなり、換気の悪い室内での時間が増えたことも一因とみられる
2回接種後に「ブレークスルー感染」しても重症化を抑えられる可
また、WHOは 感染防止策を緩めた国も少なくないとして、マスク着用や屋内空間での換気といった対策の徹底も呼びかけている
感染症対策に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授(渡航医学)は「
エーガ愛好会(97) クリフハンガー (44 安田耕太郎)
ロッキー山脈に不時着した武装強盗団と山岳救助隊の戦いを描いたアクション・サスペンス映画。撮影はイタリア・ドロミテ山塊で行われ、雄大な山岳景観と演出を凝らしたスリルのオンパレードだった。
ただし、いくら何でもあり得ない設定や話の展開は現実離れしていて、飽くまで娯楽映画だと割り切って観れば山好きには気楽にドロミテ風景を(映画ではロッキー山脈の設定だが)を楽しめる。
ロッキー山脈で救助隊員をしているクライマーのゲイル(シルベスター・スタローン)はある日、険しい高い岩峰で遭難した同僚で親友と彼の恋人の救出に向かうが、彼の目の前で恋人の救出に失敗して滑落させ死なせてしまう。親友は恋人の死はゲイルの責任だと思い込み、彼も自責に駆られ恋人とも別れ、山を下りる。やがて一年が経ち、国際犯罪組織の一味が財務省の航空輸送機を乗っ取り、紙幣の強奪を狙ったが、手違いで紙幣の入ったスーツケースを雪のロッキー山脈に落とす。犯罪組織のボスは悪だくみを案じ、山岳救助隊に救援信号を発信する。財務省の捜査官たちは犯罪組織の犯行だと突き止める。救助に向かったゲイルと恋人を失った同僚の親友は墜落した輸送機を山中で発見するが、犯罪一味は救助隊員を脅し、現金入りスーツケースを探させようとする。一年振りに山に戻ったゲイルは、孤立無援の中で犯人一味と対決し行動を起こす。ここらあたりは、「ロッキー」「ランボー」シリーズで十八番のスターローンの八面六臂の活躍となる。監督は「ダイハード2」などアクション映画を得意とするレニー・ハーリンならではの独壇場の演出。
ただし、スリル満点で盛り上げる場面満載であるが、現実離れした演出がどうしても嘘っぽい。飛行機が不時着して前半分が崖から飛び出しているのに、後のシーンでは飛行機から乗員が平地になっている場所で、前のドアから出てくる。ヘリコプターの燃料が麓に降りれるか少なく心配してるが、主人公を戦うために何度も旋回して燃料を使っていて燃料枯渇など全く眼中にない。頑丈な現金で入りスーツケースが石で叩いて直ぐに壊れるか?雪山でも誰も白い息を吐いてない、寒そうではない。水中から銃を撃って相手を倒す。分かっていながら勧善懲悪のお決まりのエンディングは、めでたし・めでたしで犯人を逮捕、ゲイルは一旦は別れた恋人とよりを戻し、現金も無事回収となる。一度観れば充分である。ただ、4000mの高峰での撮影もあったらしい。スタントマンは一級のクライマーだったに違いない。
ついでに、山岳映画と言えば、邦画では「氷壁」(槍ヶ岳北鎌尾根)、「点の記」(剣岳)、「八甲田山」「黒い画集」(鹿島鑓ヶ岳)、「岳」などがあるが、洋画のドキュメンタリー映画、「メルー/Meru」2015年と「フリー・ソロ/Free Solo」2018年が面白かった。“虚”を描く映画と違い“実”の迫力には参った。共にPrime Videoで見れるはず。「フリー・ソロ」はヨセミテ「エル・キャピタン」と呼ばれる900mの大岩壁をほぼ垂直に素手で登るクライマーを描く実話。
(参考)
(保屋野)NHKBSで毎週日曜日に放映されている「山女日記」(湊かなえ原作、6回シリーズ)を観ていますが、白馬、雨飾、安達太良、八ケ岳と実際登っているので、余計楽しめます。来週は鹿島槍ですか・・・NHKは,グレートトラバースはもちろんですが、先週も、ドロミテ(トレ・チーメ)トレッキングや中国横断山脈(大雪山脈)のミニヤコンカを放映してました。ミニヤコンカは日本人の大量遭難で有名な山ですが、本当に美しい山容です。
さて、「クリフハンガー」は昔、劇場で観ましたが、貴兄と全く同じ感想です。昨年放映された「フリー・ソロ」は見応えありました。山の映画は、やはりドキュメントの方が迫力ありますね。山の歴史や事件を題材とした、小説(氷壁、八甲田山、点の記等)を映画化した作品は、いずれも面白かったですが事前に本を読んでいると、小説の面白さには適わない気もします。
(菅原)何故、こんなにオソロシイ山に登るのか。奇麗よりも何よりも、見ただけでゾットする。小生、近くの御殿山で充分満足してます。
(船津)「同感!!!!」
でもそこに山があるからでしょう。高いところ好きな人—–
でも綺麗ですね!挑戦して登り切ったときの気持ちはやった人以外
(編集子)この映画は、はなから “縦になったランボー” だと思っていて、山岳映画、という気持ちはわかなかった。チビ太兄解説の エルカピタン は在米中何度かその下を通って自然の偉大さを感じはしたものの、”山登り”というイメージにつながった記憶はない(あまりにもぶっきらぼーな、ただ、そこにある、というだけの存在だった)。先日本欄で紹介(自然エネルギーについての投稿)した山岳部OBの山川を案内してHP本社に行ったことがあり(当時, 彼のところはわが弱小コンピュータ部門最大の顧客だった)、そのついでにカピタンを眺められる対面のハイキングコースを歩いたくらいが関わり合いである。ついでに白状すると、小生、どういうものか海外まで行って山へ登ったりスキーしたりするということに興味をもったことがない(ただ一度こころみたエベレストトレッキングもその信念?のとおりのぶざまな敗退だったし)。
細かいことだが、チビ太解説で 氷壁(槍ヶ岳北鎌尾根)とあるのは映画の撮影場所か何かを指すのか? 氷壁自体の場は穂高滝谷、なのだが。もっともこの映画にでてきた登山の部分はまことにおそまつで、雪山へはいるというのに主人公がハイキングみたいなザックででてきて幻滅を感じたものだった。保屋野兄が言うとおり、やはり、本は本。この本をきっかけに2年くらいのあいだ井上靖しか読まなかった時期もあったのを懐かしく思い出した。
紅葉の100名山を目指すも??? (39 堀川義夫)
今回は友達とどうでもいいと思っていた100名山の私にとっては、91,92座目である雨飾山と高妻山を紅葉を楽しみながら登ろうと妙高高原駅にやってきました。が、甘かった!!
正午に妙高高原駅に降り立ちレンタカーを借りて出発したが20分と走らない内に雪混じりの霙が激しく降って来てあれよ、あれよと言う間に周辺の木々はどんどん白くなり、道路はシャーベット状態でノーマルタイヤでの走行では怖くて乗っていられない、と言うことで雨飾山登山の為に行こうとした小谷温泉へ行くのは変更せざるを得ないことに・・・今年一番の寒波襲来で大気が不安定。11月下旬の寒さとか・・・
結局、明日宿泊予定の戸隠キャンプ場に向かい、持参の料理で夕食。寒い!ビールも旨くない! 今晩も雪だとか・・・
夕食は煮魚、手羽先の燻製、ホタテの昆布〆、カツオのたたき、わかめの酢の物と豪華です。最近私の定番メニューとなっている昆布〆。日持ちが良い!
10月21日(木)
朝起きると戸隠は雲の合間から真っ白に雪化粧していた。気をとりなおして、飯縄山へ向かう。標高1500mを過ぎる頃から雪景色に変わり、明日登る予定の高妻山は真っ白 今回は秋山装備しか念頭になかったので雨飾山も高妻山も登攀は無理であきらめざるを得ません。しかし、飯縄山や黒姫山は雪も少なく登れそうなので、今日はまず飯縄山に行くことにしました。雲は多いですが、晴れ間もあり新雪を楽しみながら登れそうです。標高1500m付近から雪が現れ、登るにつれ雪も多くなってきました。晴れ間に北アルプスも遠望でき目的の山に行けずモヤモヤしていましたがちょっと慰めになりました。
飯縄山を下山して温泉に浸かり、戸隠そばを食べ、鏡池という戸隠連山の景勝地を見学してキャンプ場に戻り夕食までのんびり過ごしました。夕食はすき焼きだ〜。焼酎が旨い !
10月22日(金)
今日は、朝食も取らず暗いうちから黒姫山に向かうことにしました。満月が綺麗です。そして、ここも1500m付近から雪化粧となり、早朝の為、カリカリに凍っています。そして1800m付近からの登山道はほぼ全面雪、飯縄山より雪は多かったです。帰路は途中からコースを変えて古池経由で下山。途中の森は紅葉も綺麗なところがあり、それなりに楽しむことが出来ました。
キャンプ場に戻りテントを撤収して妙高高原に戻り車を返して、私のお気に入りの宿、赤倉ユアーズインにチェックインしました。2度目の利用ですが、食事の内容、温泉あり等々考えると9300円でコスパは最高です。ぜひ、この方面へ行かれる際はご利用下さい。おすすめです。
10月23日(土)
朝食後、駅に送ってもらい、帰宅の途につきました。2時には自宅に帰着できました。
エーガ愛好会(96) 燃えよ剣
テレビ番組で 新撰組血風録 を見たほうが早かったのか、燃えよ剣 を読んだのが先だったのか、今では判然としないのだが、この本が当時、サラリーマン生活に飽きてきてぼんやりとしていた編集子の毎日にとって、うまく表現できないのだがある種のカタルシスとなったのは確かだったと思う。その後しばらくは司馬遼太郎を読みふける期間が続き、日本史に興味を持たなかった自分に近代史の一面を知る機会をもたらしてくれた。そういう意味でも、この 燃えよ剣 はどうしても見なくてはならなかった作品だった。
幕末に日本に滞在していたフランス武官のブリュネとの対談、という形のイントロは意外だったが、映画そのものは司馬が創造した七里研之介という人物の取り扱いと、もう一人、作者の創造であるお雪との別れ方を除けば、土方のセリフまで含めてほぼ100パーセント、原作に忠実な映画化である。
その意味では満足なのだが、土方像となるとどうしてもずいぶん以前の話だが、テレビ朝日の放送番組 ”新選組血風録” での栗塚旭との対比をしてしまう。結果を言えば、今度の作品で岡田土方が徹底してバラガキ気質を貫いたのに対し、栗塚土方は原作にはなかった(と思うのだ)、陰影というか現実をシニカルにとらえた演技があった。また本作がカラー作品であり、明らかに海外での公開を意識した作りであったためか、池田屋事件の描写がそうであるように鮮血が飛び散った描写などがオーバー気味で、かたやテレビはモノクロであった以外に抑えた演出だったと感じる。土方の最後はセリフまで原作通りなのだが、最後の行動描写がなんだか西部劇の焼き直しのようで不満が残った。物足りなかった。この場面は別のテレビ番組(名前は定かでないが、たしか 土方歳三最後の日、というような単発番組だった)でのシーンが圧倒的だった記憶がある。
司馬原作では、七里研之介というキャラクタは徹底して悪役で、いわば添え物なのだが、この作品ではつなぎ役として最後まで登場する。これは土方との間に剣を通じて生じた一種の連帯感みたいなものを感じさせようとした結果(英語のサブタイトルが真の武士、という表現になっていることからの勝手な解釈)だと思うのだが、見る人によって評価は違うとしても小生には余計な配慮だったように思える。一方、原作にはない松平容保や一橋慶喜の懊悩の描写は全体のストーリー把握という意味ではよくできていると感じた。
肝心の新撰組そのものの描写ではテレビ番組のほうが(もちろん時間という制約はあるので映画のほうには同情すべきだが)はるかによくできていた。特に斎藤一とか、原田左之助といったメンバーのいくつかの挿話が思い出された。テレビではあまりあか抜けしない舟橋元がつとめた近藤勇像がいかにもそれらしかったのに対して、鈴木亮平が“バラガキ上がりの人物としてはスマート過ぎた。ただ土方との彼の別れ方、特に最後まで伸ばした小指が離れていかない、小さな演技が印象に残った。これはこのシーンの背景の設定(荒涼とした野原に刻まれた一本道)がよかったとも言えるかも知れないが。
見終わって、小生の偽らざる感想を言えば、岡田准一、健闘したがやはり栗塚土方には一歩、及ばなかった、といえるだろうか。
(注) 新撰組血風録は、小生のほれ込んだ栗塚旭の土方版【1965年】のほか、何回もテレビドラマになっている。上記した短編もの以外、小生は見ていない。一度、渡哲也版を覗いて見たことがあるが興味がわかなかった。本章で触れているのは、徹頭徹尾、1965年製作の作品である。
秋の七草をめぐって
(42 保屋野)船津さんはじめ、花がお好きな方々へ。
花の雑誌を見ていたら、昭和の初期、当時の文化人が選んだ「新・秋の七草」、初めて知りました。
秋海棠(永井荷風)、オシロイバナ(与謝野晶子)、コスモス(菊池寛)、彼岸花(斎藤茂吉)菊(牧野富太郎)、葉鶏頭(長谷川時雨)、赤マンマ~イヌタデ(高浜虚子)だそうです。・・・なるほど。 知ってました?
(普通部OB 船津)そんなキョウヨウ、キョイク無き暇人ですが知りませれです。当た
(金藤)新・秋の七草 知りませんでした!その中から私の身近にあった三つの草花に関してです:
秋の七草とは、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ下記の2首の歌にちなんでいます。
1.「秋の野に 咲たる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」 (万葉集)
2.「萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝顔の花」 (万葉集)
歌の中にある「朝顔の花」については、朝顔・昼顔・ムクゲ・桔梗など諸説ありますが桔梗が有力とされています。秋の七草は、春の七草のように粥にして食べたり、というようなことは特にありません。
平安時代貴族は、秋の七草が咲いていた花野(はなの)を歩きながら歌を詠むという風流な遊びをしていました。花野に咲く秋の七草を月の光で愛でていたのでしょうか。
エーガ愛好会(94) 今週観た映画です (HPOG 小田篤子)
①アリー、スター誕生顔にコンプレックスが有り、小さなバーで唄っていたアリー(


(保屋野)
私は、昨年「めぐり逢えたら」を観ただけなので、コメント出来る資格はありませんが文中、ロビン・ウイリアムスの「今を生きる」を見付けて嬉しくなりました。この映画は、30年前に、会社の研修で観ましたが、素晴らしい内容で、大いに感動した記憶があります。
昨年の「ベスト10」で1票も入らなかったのが不思議なくらいの名作だと思います。
エーガ愛好会(95) フォートブロックの決闘 (34 小泉幾多郎)
自分の牧場を持つことを夢見る青年ラット(ドン・マレー)が、徐なって
トムは馬泥棒に身を落とすことになり、イエフ達からリンチを
やら、イエフに殴られたキャリーが大怪我する等支えとなってくれ
以上があらすじ。野心ある若者は、ナイーブで腕に自信もなさそう
監督は、SF特撮で名を残したリチャード・フライシャーで、恋愛
(編集子)見るつもりだったのが用にかまぇて見損なった。リチャード・イーガンに テーブルロックの決闘 以来会える機会を逸したのが残念(この映画にはあのドロシー・マローンがいたこともあって彼の陰影のある演技がよかった。
”山小屋” の問題について (大学OB 小関健)
友人から送られてきた紹介文ですが、ご興味があろうかと思い転送します。
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『山小屋クライシス 国立公園の未来に向けて』
吉田 智彦 著 山と溪谷社(ヤマケイ新書)
2021/09 192p 990円(税込)まえがき コロナ禍が浮き彫りにした小屋の問題
1.山小屋が抱える諸問題
2.国立公園の歴史と構造
3.対談「これからの国立公園」【イントロダクション】
登山を趣味にする人以外には意識されないだろうが、さまざまな社会的要因から危機に瀕している重要インフラに「山小屋」がある。 山小屋は単なる休憩・宿泊場所ではない。登山者の安全管理や非常時の対応のほか、 登山道の管理など環境保全といった公共的機能を果たしており「 なくなっては困る」ものなのだ。本書では、日本の山小屋、 そしてその役割が重要になる国立公園について、差し迫った数々の問題を紹介しながら、 それらの背景にある行政の意識や構造的課題、法制度のほころびなどについて、 山小屋のオーナーをはじめとする当事者・関係者への取材をもとに論じている。 「
危機」を浮き彫りにしたのは、2019年6月に、 山小屋へ物資を運ぶヘリコプターが機体故障により運航停止になり、 多くの山小屋の運営に影響を及ぼした出来事だ。山小屋の脆弱な状況とその原因は、 日本の社会構造そのものの欠点にもつながっているようだ。著者は1969年、東京都出身。 20代半ばに勤めていた会社を辞めて、ニュージーランド、カナダ、 アラスカなど諸国をまわる。カヤックやトレッキングを通じて自然と人間のあり方を考えるようになり 、エッセイ、ノンフィクションや写真、絵を発表しはじめ、 現在も活動を続けている。 ●山小屋は単なる宿所ではなく、さまざまな公共的な役割を担う
2021年7月現在、
山と溪谷社が運営するヤマケイオンラインに登録されている山小屋は、全国に1,169軒。その業態は、 大きく分けて営業小屋と避難小屋からなっている。 営業小屋では有料で食事や寝具が提供されるのに対し、避難小屋は原則、 無人で無料もしくは維持協力金などを支払うことで使用できるものと、緊急時の使用に限られるものがある。 営業小屋は、旅館業法では簡易宿所に該当するが、
その機能は単なる宿所にとどまらない。環境省による「『国立公園』とは?」 という資料では、「山小屋の機能」として次のものが挙げられている。「 宿泊の提供」「物資の供給(売店・食堂)」「休憩所」「登山者に対する情報提供・ 安全指導」「給水」「公衆トイレの提供」「医療(診療所)」「救難対策( 緊急避難所・救助)」「登山道等の管理・清掃」 しかし今、
多くの営業小屋がさまざまな理由で危機的な状況に陥っている。もし、彼らが営業を続けられず、山小屋を閉鎖した場合、 その山域は宿所を失うだけでなく、環境保全の面でも人命救助の面でも、 空洞化してしまうことになる。 ●山小屋の危機を浮き彫りにした「ヘリコプター問題」
2019年6月下旬、
山小屋物資輸送業界最大手のヘリコプター会社、東邦航空の機体が故障し、北アルプスを中心に荷上げ作業(* 平地から山小屋へ物資を供給する作業)ができなくなり、 正常な状態に戻るまで約1カ月間を要する事態に陥った。 ちょうど夏山シーズンに向けた小屋開けの準備期間と重なり、約40軒の山小屋が開業を延期したり、食事を出せない、 改修工事ができないなどの影響を受けた。 東邦航空による山小屋物資輸送業界の占有率は約8割に及ぶ。
そして、北アルプスや南アルプス、 八ヶ岳などの山域を営業区域とする同社松本事業所では、 故障によって輸送が滞った2019年6月当時の物資輸送用の機体 数は3機だった上に契約数は約120件あった。その3機のうち2機が、 一時的に飛行できなくなった。 これを偶発的なトラブルとしてやりすごすのではなく、山小屋、
さらには国立公園の存続に関わる大きな問題として世間へ発信したのが、 北アルプスにある雲ノ平山荘主人、伊藤二朗さんだった。 山荘の公式ホームページで「登山文化の危機! 山小屋ヘリコプター問題」というタイトルのレポートを発表した。その要所を抜粋する。 「今まで行政が山小屋の公共性を正式に評価し、
制度に落とし込むことをしてこなかったため、 いざ山小屋が存続に関わる重大な問題に直面したとしても、山小屋の運営を公的に支える仕組みや法律が存在しない。 例えば何らかの理由でヘリコプター会社が山小屋の物資輸送から全面的に撤退 、それによって山小屋が経営困難になり、 結果的に国立公園の運営に重大な支障をきたすとしても、 民間事業者の個人的なトラブルという位置付けに過ぎず、他のヘリコプターを行政が手配するなどの代替え措置も存在しない」 伊藤さんは2020年2月、個人名義で「『
山小屋ヘリコプター問題』協議会設置の要望書」を作成し、環境省自然環境局長宛に提出。 この要望書の中で、ヘリコプター会社の山小屋物資輸送事業が、 なぜ現在のような状況になったのか、産業構造の面から分析している。 その内容に当たる主なものをふたつにまとめてみた。 1 90年代のバブル崩壊後、スキー場建設や農薬散布、
林業などのヘリコプター需要が急激に落ち込み、 ヘリコプター会社同士の統廃合が進んだ。その一方で、 当時比較的安定していた山小屋物資輸送の需要に各社が力を注ぎ、山小屋との契約を結ぼうと争奪戦が繰り広げられ、 価格競争により料金が安価に抑えられていた。 2 2011年に起きた東日本大震災後、
電力会社の事業再編でヘリコプター需要が拡大。全国的な防災・ 減災を目指す国土強靭化計画関連の公共事業、リニアモーターカー関連事業などの巨大事業が増えると同時に国策に よるドクターヘリの需要増加から、 ヘリコプターの供給力が不足状態になる。そんな中、それまで、3、4社で共存していたヘリコプター会社が「 ハイリスク、ローリターン」の山小屋物資輸送事業から撤退を始める。 残った東邦航空が8割の輸送を担うことになっていった。 伊藤さんは、航空業界で行われている事業の中で、
行政の補助金で運用されるドクターヘリや消防・防災ヘリ、 リニアモーターカーのような公共事業が大半を占めるようになったことも大きいという。それに対し、 高高度の山岳地帯で物資を機体外に吊るして操縦するという、 高度な技術を要するパイロットを養成するために必要な時間と経験の場となっていた農薬散 布や治山関連の作業が、時代の変容とともになくなったことにより、 山小屋物資輸送の人材も育たなくなってしまっているのだ。その結果、 この事業は縮小の一途をたどっている。 ●
インフラが整備された場所の規制を山小屋に適用することで生まれ た「ほころび」 建物は老朽化する。特に高山帯にある山小屋は、
1年の約半分を雪に閉ざされ、休業せざるをえない。休館中に、 ひどいところでは建物が丸ごと雪の中に埋もれてしまうこともある。そのため建物の傷みが早く、 最悪の場合、春に行ってみたら崩壊している可能性すらある。
壊れれば直さなければならない。また、利用客の数やニーズによって改築や増築をしなければならない場合もある。 増改築に伴う建物の構造や建材の種類などは、 現行の建築基準法や旅館業法などの規制が適用されることになる。 建築に関する規制のひとつである「
エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)は、 断熱効果の向上やエアコンを省エネ設計のものにするように促す法律だ。これは、 山小屋も建物の延べ面積が該当すれば、例外なく適用される。しかし、「 エアコンを完備した山小屋など日本にはありません。約半年を雪に閉ざされ、無人となる山小屋に、 それほどシビアな省エネ基準が必要か、疑問が残ります」と、 全国で3番目に古い営業小屋である常念小屋のオーナーである山田健一郎さん。 建築基準法も消防法も、規制の対象となる建物が、道路・水・
電気といったインフラが整備されている場所にあることを大前提に作られてい る。そのため、 山小屋でこれらの規制を守ろうとすればオーバースペックになるこ とがあったり、 そのためだけに余計なエネルギーが必要になったりすることが多々あり、 時には逆効果となって建物を傷める原因になってしまう。結果、さらなる費用がかかってしまうことにもなりかねない。
こうした現行法の規制を受けずに、建物を維持管理する方法がある。それは、「修繕」を小まめに行うことだ。小規模な修繕であれば、 建築基準法の届け出は不要なのだ。とはいえ、 資材が必要となれば物資輸送が必要になり、自ずとヘリコプター問題につながっていく。 そんな事情を抱えた中、
これまで登山人気を牽引してきた中高年の人口が減りはじめている。そして近年、 登山者たちの質や動向も変わってきているという。「コロナになって、 宿泊者が大きく減ってテント泊や日帰りの登山者が増えました。山小屋宿泊の『密』を避けたこの流れは、 コロナ禍が収束しても変わらないでしょう。 宿泊売上を主として維持してきた山小屋の営業努力だけではどうにもなりません」 2021年、
こうした状況が続けば山小屋の存続そのものが危ぶまれると、北アルプスにある5つの山小屋団体からなる北アルプス山小屋協会が 2割程度の値上げを発表した。ここで興味深いのが、 この値上げに対して利用者へ理解を求める文書に、北アルプス山小屋協会と並んで、 北アルプス山域を管轄する環境省の中部山岳国立公園管理事務所が名を連ねたことだ。 経営面、しかも宿泊料の値上げという基本的には個々の経営者が判断するテー マに、民間とは一線を画すことが多い行政が名を連ねるのはとても珍しいこ とだったからだ。このことからも、 山小屋の公的機能が重く見られていることと、現在の状況がいかに深刻かが見て取れる。 ※「*」がついた注および補足はダイジェスト作成者によるもの
コメント: 健康増進だけでなく、自然に親しみ、環境意識を高める効果に鑑みると、登山文化は廃れさせてはいけないものだと思う。だが、
その登山文化を守る上できわめて重要な役割を担う山小屋が危機に瀕し、 その解決の大部分が民間のみに任せられている、 そしてそのことが一般に認識されていないのは大きな問題といえる。山小屋が危機を脱するには、 修繕や物資輸送インフラの確保など「機能を維持する」のと同時に、 デジタル技術など新しいものを取り入れて「魅力を高める」という、いわば「両利き」 の方策が求められる。後者は民間の努力によるところが大きいが、 前者には行政の支援が不可欠といえよう。山小屋と行政、 そして登山者をはじめとする我々一般市民が協力する場が、 ネット上などに用意されるのが理想ではないだろうか。