Buck and the Preacherが原名。西部劇には、時折主人公の名前が其の侭 題名にな るが、Jesse Jamesや Buffalo Bill のように知られた名前なら良いが、知られてい ない名前となると有名人でも「地獄への道」とか「西部の王者」と か考えて邦名を付けるのだから、当然のように名前以外の邦名を考える必要になる。 今回も「バックと伝道師」を「ブラック・ライダー」とは、英語乍ら適切な題名を付 けたものと感心したものだ。
南北戦争直後、南部ルイジアナから西部へと自由を求める黒人移住 者が白人の偏見や暴力と戦いながらも目的を達成するまでを描く西部劇。主人公バ ックにシド
BUCKNDTHPRCHR-SPTI-01.tif ニー・ポアチエが扮し、監督迄兼ねている。伝道師ラザフォードは、バナ ナ・ボートで有名な歌手ハリー・ベラフォンテ、無精ひげや歯を汚したりして 、とてもベラフォンテとは思えなかった。バックの妻ルースにルビー・デー、白人無 法者のリーダーにキャメロン・ミッチェル等が共演する。
当時南北戦争後のアメリカは奴隷制度が廃止されたものの働き手を 失った農場主は秘密結社や賞金稼ぎ等ならず者を雇い、黒人たちを連れ戻そうとす る。その黒人たちを助けるのが、元北軍騎兵隊軍曹現道案内人のバックと伝道師と称 するラザフォード。本来人種差別を訴える深刻な題材なのだろうが、黒人が善、白 人が悪、それにインディアンも絡んで、黒人の味方をすることになるのだが、単純に 黒白対決というだけでも面白い。黒人たちが貯め込んできたお金が盗まれると銀行強 盗に転じたり、岩山での銃撃戦等アクション場面も豊富で楽しめる。バックと伝道師 の漫才的掛け合いも愉快。最後は目的地に辿り着くのだが、一時カナダまで行くこと まで考えたバックはその妻ルースに、こんなことまで言われていた。「こんな国は嫌 。戦争をしても何も変わらなかった。大地に悪が浸み込んでいて、毒されている。カ ナダがダメなら海の果てへ歩いてでも行くわ。」当時の黒人差別が際立ったセリフだ 。
(船津)なかな良い映画だったと思います! 「負けない・挫けない!最後ま で頑張る」人種差別と等との闘い。やはり「招かざる客」が良かったなぁ。今回はハリーベラフォンテのインチキ伝道師が好演でしたね!ぴか り光って居ました。
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